2021年08月31日
クビキリサイクル 3
早速ネタバレをするなら、「首切り死体」の時点で勘の良い読者もといミステリーマニアは犯人が誰であるのか、気付いていたものだと思われる。
ただ重要なのはどっちが真犯人であるのだが、伊吹かなみを殺したのは園山赤音である。
まず解説するならば第一の事件は、地震が発生した後に園山赤音が伊吹かなみを殺害して、その後、ペンキをぶちまけて、疑似的な密室状態を構築する。
そしてその後、容疑者として軟禁された園山赤音は共犯者である逆木深夜が掘り返した伊吹かなみの死体を窓から入れて、立ち去り、彼女は投入された死体に自身の服を着せて軟禁部屋から出ることにする。
その際、使用されたのが密室内にあった「椅子」と「死体」の二つを利用して、園山赤音は何とか外に出ることに成功。
本来ならば、完全な密室とするためドアは閉じたかったことだろうが、内側から閉めることしかできないので断念。
ちなみに伊吹かなみが埋葬される時は寝袋で、園山赤音の場合は担架といった具合に異なっている。
死体は一度しかリサイクル(再利用)しないので、二度目の埋葬の時、どれだけ汚れても構わなかったというわけである。
伊吹かなみの付添人である逆木深夜が園山赤音に協力する理由は、そもそも島に来る前に二人には交流があり、実は険悪な仲ではなかった。悪戯として二人は入れ替わり、数学者は画家として振舞い、画家は数学者として変装していたのである。
より分かり易く述べるなら、最後あたりで登場した園山赤音の正体は彼女に変装した伊吹かなみであるのだが、ラストにおいてそれは正しくないことが明らかになっている。
殺人の動機は「きみ達全員の脳を食べてやろうとしただけだ」と語る(偽)園山赤音であるが、異常な殺人事件後、半ば人攫いに近い形でいーちゃんは哀川潤のクルマに乗せられて、事の真相を知ることになる。
その事の真相は、赤神イリアの島流しにあった事件のソレではなく、園山赤音と伊吹かなみの両者が入れ替わり孤島に来る前から、既に入れ替わりが行われていた点である。
流れとしては、
1. 伊吹かなみが逆木深夜を付添人として持つ、何者かに殺される。
2.(真偽者)園山赤音が伊吹かなみに変装して、島へ行く。
3. 第一の殺人で、伊吹かなみに変装した誰でもない彼女は、いーちゃんの絵を描き終えた後、変装した本物の園山赤音を殺害し、赤音に成りすます。絵の違和感は園山赤音に変装した伊吹かなみが描いたものであり、いーちゃんが二人に出会うまで時計に些細な変化が生じており、いーちゃんはそれを違和感として抱くことになる。
4.(真偽者)園山赤音は鴉の濡れ羽島から逆木深夜共に出てから、数学者として更に精力的に活動するようになる。
といったものである。
分かり易く述べるなら
といった具合である。
ややこしい……。
つまり、鴉の濡れ羽島において入れ替わりが三度行われており、園山赤音を殺した人物は彼女の経歴丸ごと乗っ取ったということになる。
なお、不穏なセリフとして園山赤音が作中において、彼女が最も尊敬する人物は七愚人のヒューレット助教授と述べており、「彼が女性なら歴史が変わっていた」と述べている。
なお、戯言シリーズが進むにあたって、園山赤音に成り代わった誰でもない彼女であるが、最終章では人類最強の請負人・哀川潤になることを目標に定めて行動しているものの、彼女の殺害に何度チャレンジしても成功していない模様。
ただ重要なのはどっちが真犯人であるのだが、伊吹かなみを殺したのは園山赤音である。
まず解説するならば第一の事件は、地震が発生した後に園山赤音が伊吹かなみを殺害して、その後、ペンキをぶちまけて、疑似的な密室状態を構築する。
そしてその後、容疑者として軟禁された園山赤音は共犯者である逆木深夜が掘り返した伊吹かなみの死体を窓から入れて、立ち去り、彼女は投入された死体に自身の服を着せて軟禁部屋から出ることにする。
その際、使用されたのが密室内にあった「椅子」と「死体」の二つを利用して、園山赤音は何とか外に出ることに成功。
本来ならば、完全な密室とするためドアは閉じたかったことだろうが、内側から閉めることしかできないので断念。
ちなみに伊吹かなみが埋葬される時は寝袋で、園山赤音の場合は担架といった具合に異なっている。
死体は一度しかリサイクル(再利用)しないので、二度目の埋葬の時、どれだけ汚れても構わなかったというわけである。
伊吹かなみの付添人である逆木深夜が園山赤音に協力する理由は、そもそも島に来る前に二人には交流があり、実は険悪な仲ではなかった。悪戯として二人は入れ替わり、数学者は画家として振舞い、画家は数学者として変装していたのである。
より分かり易く述べるなら、最後あたりで登場した園山赤音の正体は彼女に変装した伊吹かなみであるのだが、ラストにおいてそれは正しくないことが明らかになっている。
殺人の動機は「きみ達全員の脳を食べてやろうとしただけだ」と語る(偽)園山赤音であるが、異常な殺人事件後、半ば人攫いに近い形でいーちゃんは哀川潤のクルマに乗せられて、事の真相を知ることになる。
その事の真相は、赤神イリアの島流しにあった事件のソレではなく、園山赤音と伊吹かなみの両者が入れ替わり孤島に来る前から、既に入れ替わりが行われていた点である。
流れとしては、
1. 伊吹かなみが逆木深夜を付添人として持つ、何者かに殺される。
2.(真偽者)園山赤音が伊吹かなみに変装して、島へ行く。
3. 第一の殺人で、伊吹かなみに変装した誰でもない彼女は、いーちゃんの絵を描き終えた後、変装した本物の園山赤音を殺害し、赤音に成りすます。絵の違和感は園山赤音に変装した伊吹かなみが描いたものであり、いーちゃんが二人に出会うまで時計に些細な変化が生じており、いーちゃんはそれを違和感として抱くことになる。
4.(真偽者)園山赤音は鴉の濡れ羽島から逆木深夜共に出てから、数学者として更に精力的に活動するようになる。
といったものである。
分かり易く述べるなら
何者でもない彼女に伊吹かなみは殺害される。
↓
密会した場所で、二人は入れ替わることを提案。
↓
何者でもない彼女は島内で伊吹かなみとして振舞う。
↓
何者でもない彼女は園山に変装していた伊吹かなみを殺害し、園山赤音になった。
といった具合である。
ややこしい……。
つまり、鴉の濡れ羽島において入れ替わりが三度行われており、園山赤音を殺した人物は彼女の経歴丸ごと乗っ取ったということになる。
なお、不穏なセリフとして園山赤音が作中において、彼女が最も尊敬する人物は七愚人のヒューレット助教授と述べており、「彼が女性なら歴史が変わっていた」と述べている。
なお、戯言シリーズが進むにあたって、園山赤音に成り代わった誰でもない彼女であるが、最終章では人類最強の請負人・哀川潤になることを目標に定めて行動しているものの、彼女の殺害に何度チャレンジしても成功していない模様。
クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス) [ 西尾維新 ] 価格:1,078円 |
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