2020年12月29日
リング
白い服装に長い髪の女性の亡霊は初期アバターだの、ファブリーズの成分を図解化したら魔法陣に酷似しており心霊現象が収まるだの何だの言われている近年、山村貞子が登場するリングについて語るならば、謎の不審死の事件解決のため、主人公である女性記者が井戸の上に建てられた別荘が始まりだと目星をつけ、そこに訪問することになる。
移設内は特に陰鬱な雰囲気は感じられない。滞在中の暇つぶしを予期してか数少ない娯楽として様々なビデオテープがあるのだが、その中で際立つのが背表紙にタイトルのないテープであった。
施設の管理人いわく『客の置忘れ』とのことだが、第六感が働いたのか浅川(記者)はほぼ反射的な反応としてビデオを借りて、自分の借りていた施設の室内にて呪いのビデオを見る。眼球のドアップや、頭巾を被り謎の方向を指さす存在、幾人の人間たちが這う光景に、和装をした女性の異様な笑みなど、かつてあった火山噴火事件に関連する情報を示唆的に示している。ちなみに貞子の母親は火山に身を投じて自殺した。
異様なビデオ内容を見た直後、電話が掛かってくる。あまりのも即レス過ぎるタイミングのため、見張っているのではないかと思われるが、別荘の地下にて貞子のいる井戸があるのでその解釈は間違いではないだろう。
浅川は元夫の高山にダビングしたビデオ内容を見せ、豪雨の中、号泣した姿を見せる。正直なところ浅川の演技は棒読みが著しいが、映像内容が鮮明になればなるほどホラー感が減少する部位が散見されるため、昔のビデオということも相まってか妙なリアル感があることはどうしても否定できない。
浅川の夫である高山は映画終盤、とばっちりを受けたといっても過言ではないのだが、ビデオ内容を何度も見返す、図書館においてヒントを得るなどの奮闘を見せる。
ストーリー中、女性記者である浅川の息子が「お姉ちゃんが……」との声と共に呪いのビデオテープを見てしまい、咄嗟に止められるものの既に手遅れな状態であった。
「海には化け物がいる」との主張を元に、大嵐も手伝ってか中々船を出さなかった老人の男性が送迎する中、浅川親子と高山ははじまりである伊豆の別荘に戻り、地下に隠された井戸を発見する。高山いわくビデオに念写する形で呪いを広めたとのことだが、後に情報生命体といっても過言ではない貞子の本質を見破ったわけではない。
夜間、七日間のタイムリミットが迫る中、最初は高山が井戸内に、浅川が水汲み係として働いていたが、女性と男性の体力差により出番が交代されている。浅川は入りたくもない井戸の中に入り貞子の亡骸を見つけ埋葬するために泥水を発掘する形で発見し、一応ストーリーは終焉を迎えたかのように見受けられた。
しかし、高山が生徒の一人である女性にイタズラがなされた数式を直す最中、どこの家庭にもあるテレビが砂嵐と共に突如として、作動する。映像内容としては呪いのビデオ終盤に見せていた井戸から這い上がる姿であるが、生身(生前)の貞子は井戸内部において壁内に狂気じみた、文字通りの爪痕を見せながらも脱出には至っていない。というかそもそも、井戸の蓋が閉じられていたので出ることが叶わない状態であった。
すでに怨霊と言って差し支えない貞子はノイズが走る映像の中、ブラウン管を超えて高山の元に出現する。
驚愕の表情の元に後ずさりする高山であるが、貞子は超有名なシーンであると同時にジャパニーズホラーの象徴といっても良い。
テレビ画面から這い出た貞子は俯瞰するような形で高山を睥睨し殺害した。高山死亡後、呪いのビデオの呪解条件を悟った浅川は「呪いのビデオ」内容を見た息子を助ける為、実父に肩代わりさせるのを目的に、クルマを走らせる姿を最後に映画はエンディングを迎えている。
明らかにハッピーエンドではないが、メリバ的な展開が示唆されている。
……なお、浅川は続編で交通事故に遭い、死亡してしまったらしいが……。行きなのか帰りなのか、非常に気になるところである。
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