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2021年05月26日

コインランドリービジネス失敗事例1(失敗体験談)





コインランドリー1.jpg

 私は以前、コインランドリービジネスに着手したものの失敗した経験があります。2016年頃になりますが、中古マンション投資と並行して計画を立て、とりあえず自己資金500万円と事業資金の融資、リースなどを合わせて検討しました。

 コインランドリーは100円玉チャリンチャリンビジネスとも言われ、日銭商売として古くから伝わるビジネスです。今でも銭湯や街中に古びた洗濯機と乾燥機が並んだコインランドリーを見かけますが、今だに経営しているわけですからそれなりの利益が出ているはずです。そういった古くから伝わるビジネスモデルが現在のコインランドリービジネスの原点になっています。

 最近のコインランドリーは店舗もキレイで、洗濯機や乾燥機、洗濯から乾燥までを一気に行ってくれる洗濯乾燥機など機械も優れており、また不動産投資の延長線上にもあることや、人件費などがかからないこと、さらに将来の年金収入を補完することなどを目的として、ビジネス参入される方が多いです。

 私もその一人でした。

 コインランドリービジネスを始めるにあたってまず最初に知識やノウハウの収集をしなければなりませんが、大まかな知識などはネットの情報で収集できます。後はどこのメーカーから機械を買うのか、どこのメーカーと交渉するのかなどを決める必要があります。

 コインランドリーはフランチャイズという制度が確立されているわけではありません。機械を販売する会社がいくつか存在し、結果的にそこの会社から機械を購入するため、内装工事や消耗品といった開店後のフォローをしていただくため、フランチャイズの様なイメージはあるものの、実際にはロイヤリティーや加盟金を払うことはありません。メーカーは機械を売るのがメインであって、その手段としてコインランドリー開業を推進しています。開業者が増えれば高額な機械が売れ、合わせて洗剤や柔軟剤といった消耗品が定期的に販売できます。一回の受注量は大した金額ではないものの、洗剤や柔軟剤の原価コストは安く利益率は高いはずです。さらに店舗が増えれば消耗品ビジネスとしても底堅くなります。コインランドリーは無人のためお客様対応はコールセンターが担うことになります。オーナーさんによっては携帯電話や自宅にコールしてもらうケースもありますが、「無人経営で人件費もかからず、面倒なこともない」を売りにしたセールストークで開業者を募集しているメーカーもあり、メーカーが独自にコールセンターを持っているところが多く、コールセンター代行料名目で収益を得ています。開業者からすれば機械の知識は豊富ではないことや24時間対応してもらえる事などもあり、開業マニュアルに組み込まれている場合が多いです。この様にメーカーは高額な機械を販売した際に得られる販売利益、販売後の消耗品やコールセンター代行などの管理費などを主業としたビジネスモデルとしています。当然、開業者もそんなことは十分承知していますのでビジネスとして成立しています。

 私もいくつかのメーカー担当者と個別にお会いし1社に決めました。

その後、メーカーの担当者と物件探しを開始しますが、結構これが難航します。コインランドリーの店舗規模は15〜20坪程度の店舗とコンビニなどの跡地など大型店舗など様々です。私は予算の関係で15坪前後の店舗を検討ました。

 店舗選びの重要条件として、
@家賃が15万円以内で安ければ安いほど良いです。15坪程度ですと機械の数も多くは設置できませんから売り上げもそう多くは望めません。その代わりに設備投資額を抑えられます。
A近隣に競合する既存店舗がないことに加え、開業後に他の競合店舗が出店してこれない立地などを考慮します。
B駐車場があれば良いですが、無くても車付ができる立地が良いです。これは布団など大物を洗う際に車で持ってこられるお客様へ対応するためです。

 その他にもいくつかの立地条件があり、私自身も不動産屋さんに行って探したりする一方で、メーカーの担当者にも探して頂きました。これならと思う物件が見つかるとメーカーに伝えます。その翌日には物件評価がメールで届きます。そこには近隣の人口構成や競合店舗などの有無など物件評価が点数方式で記され、GOサインが出ても、店舗オーナーからNGが出たりと時期や状況によっては1年以上、物件探しに時間がかかるケースもあるようです。私の場合は幸いに3ヶ月程度で見つかりました。メーカーの担当者が見つけてくれた場所で、閉店予定の飲食店でした。私の自宅からも車で10分くらいの所で、実際にまだ営業中でしたのでお客になりすまして食事しがてら内部確認しました。生活道路沿いで駐車場はありませんが路肩も広く車付が可能でした。家賃も13万円で予算内です。近隣に競合店はあるものの店舗は古く、機械設備的にも十分に勝算がありました。今後の競合店が進出するケースもその段階では見当たらず、開業する場所が決定しました。

コインランドリー2.jpg

 開業場所が決定すると物件を抑えなければいけません。自己資金500万円の内、200万円は開業後の予備費として残す必要があります。当面は赤字補填で必要になるからです。残りの300万円から家賃保証金6ヶ月分と前家賃を納めます。契約日は閉店店舗の撤去まで3ヶ月程度ありましたので、少し余裕がありました。その間に事業資金融資の準備をします。マンション投資の際にお世話になっていた日本政策金融公庫をメインで交渉に入ります。事業計画書の作成をした後に、融資担当者との面会をします。そこでいくつかの問題点を指摘され修正をした後に再度、事業計画書を提出し受理されると同時に融資を申し込みます。事業計画書には売り上げ見込みなども詳細に掲示する必要があります。メーカーからのシュミレーションでは開業3年後で50万円〜60万円でした。店舗の規模から検討して60万円がMax収益と算出されました。これに対し家賃や融資返済、リース代、電気・ガス・水道の光熱費、清掃代、コールセンター代行費などの支出を検討します。私が開業した店舗の損益分岐点が42〜45万円前後で、融資の返済やリース契約の終了後の損益分岐点は33万円前後となりのますのでシュミレーション通りならば利益としては悪くはないと思いました。

 約2週間程度で日本政策金融公庫の審査が通りましたが店舗内装費と機械購入費用を全てまかなうことができず、不足分をリースで補填しました。

 最終的には店舗オープンにかかった投資金額は自己資金も含めて1,200万円程度です。コインランドリーの投資で一番の負担はやはり機械代になります。機械がお金を生む最大の設備なのでこれは仕方ありません。

 資金調達の見込みもたちオープンに向けて着々と準備を進めます。

 オープン日は土曜日に設定し、土日でオープンセールを行いました。事前にチラシを製作しオープンに合わせてポスティングを行いました。30万円程度のコストはかかりますが、これはお店の存在を知っていただくためには必須になります。オープン当日は快晴でコインランドリーにとっては喜ばしいことではありません。コインランドリーの売り上げの多くは乾燥機需要ですので、雨が続くと売り上げが上がります。とはいうものの洗濯機需要もありますので洗濯機と乾燥機の設置比率のバランスも重要になります。
 
 メーカーの3年後の売り上げシュミレーションは60万円ですので24時間無休で営業していますが、1日平均2万円の売り上げがあれば目標に到達できます。

 オープンキャンペーンは半額セールを行いました。お客様は結構来て頂きましたが半額なので売り上げ的には1日12,000円くらいでした。単純計算で24,000円になるかと言えばそう甘くはありません。半額だから試しに行ってみようというお客様がほとんどです。その証拠に土日のオープン半額キャンペーンが終わった月曜日からはお客様は激減します。想定では洗濯機と乾燥機をセットで使って頂き1人平均700円程度の利用で1日30人くらい来ていただければ目標の2万円売り上げをクリアします。しかし実際にはオープン当初は3,4人程度、多くて7,8人程度来れば良い方で、売り上げも1,500円〜5,000円あれば良い方で、これがオープンして2,3ヶ月続きました。当然、大赤字です。その間にポスティングなどで集客を図りますが売上は上がりません。それでも雨が続けば乾燥機需要があり2万円には届かないものの盛り返す要素は感じられました。

 さて実際に経費はいくらかかるのでしょうか?

家賃130,000円
融資返済・リース代130,000円
水道代月平均30,000円(利用頻度で変動)
電気代20,000〜25,000円
ガス代30,000円〜60,000円(利用頻度で変動)
清掃代・コールセンター代行費40,000円

特に水道代とガス代は利用頻度で大きく変動しますが、売り上げが少なければ安く、高ければ高くなる売り上げとの連動性が強いコストです。電気代は24時間営業のためほぼ毎月同等の額で推移します。

概ね毎月45万円平均のコストがかかります。ただしリース代と融資返済が終わればその分のコストがなくなりますので損益分岐点はかなり下がります。全額自己資金であればそれなりに回収は早いですが、開業者の多くは融資やリースを利用しますので返済が終了するまでどれだけ我慢ができるかが成功の可否を握ると言えます。

 私の場合、半年くらいで35万円程度までの売り上げまで来ました。リースと融資返済がなければ少ないながら利益がでる基準までになりました。自分自身の中で「なんとかいけるかな・・・」と少しは良い感触をつかめかけ始めました。

 ところが本業の業績が悪化してしまい、資金的にも厳しくなりました。このままでは立ち行かなくなります。そこでメーカーに相談しました。とても好意的に対応してくれました。機械を買い戻してくれただけでなく、経営を引き継いでくれました。メーカーからすれば一度販売した機械を安値で買取、内装工事もする必要もなく、すでに売り上げが見込めるわけですからそれほどのデメリットはなかったのでしょう。メーカーの直販店舗として継続されました。私のコインランドリービジネスはマンション投資と同様、本業悪化に伴い途中断念したことで結果的に失敗に終わりました。結局、私には投資センスがありませんでした。

 さて、メーカーが引き継いでくれた店舗ですが、道路の向かい側にあった建物が撤去され、そこにコインランドリーを併設した大手コンビニがオープンしました。大型トラックが停められるほどの駐車場があります。併設のコインランドリーも素晴らしいほどの立派な設備です。おそらく3,000万円以上の設備投資はされていると思いますが、どう見ても過剰投資気味です。コンビニ併設で立地条件は申し分ないですが、月売り上げが150万円あげれるかどうか・・・。
 まぁ、それはともかく、結局、私の店舗を引き継いでくれたメーカーですが、コンビニ併設のコインランドリーオープンの影響で閉店しました。

 「ここなら大丈夫!」とメーカーが薦めた立地で、毎月60万円のシュミレーションを提案して開業に導いたメーカー直販店が、想定外? のコンビニ併設競合店の影響で閉店に追い込まれるのですから、まさにコインランドリービジネスは戦国時代と言っても過言ではありません。

今回の出来事で思ったのは「いかに自分は悪運が強いんだ」ということですね。もし続けていたらと思うと、ゾッとします。

 コインランドリー需要はまだまだ伸びると思いますが、あまりにも店舗が多すぎますね。10年くらい前までならばコインランドリービジネスも良かったとは思いますが、もうこれからはちょっと難しいと思います。コンビニ併設型は確かに立地条件は良いですが、設備投資額が売り上げに見合うかと言えば?マークがつきます。家賃も高いでしょうしランニングコストも高いです。
 最近話題のカフェ併設のコインランドリー。コインランドリーの待ち時間でくつろげるとあって最近多く見られるようになりました。コインランドリーは進化していますが、ビジネスする側に立った場合は、結構ハードルが高くなっていると思います。





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この記事へのコメント
Kuro様。
コメントありがとうございます。長文を一読いただきありがとうございます!
機械メーカーのシュミレーション通りにはなかなかいきません。だって、うまくいったらメーカーが直接やりますから(笑)。またの機会に続編を書いてみますのでよかったらたまに覗いて見てください。一口馬主の方がよっぽど気楽で楽しいです。


Posted by 管理人ツカサマル at 2021年06月01日 22:10
ブログランキングからきました、Kuroと申します。
失敗体験とのことなのですが、興味深く読ませていただきました。
コインランドリーのビジネスもなかなか大変なビジネスなんですね。確かに、コインランドリーの近くにより大きなコインランドリーがすぐ近くに作られているのをよく見かけます。まさに弱肉強食の世界だなと思ってみていました。
それでも、初期投資も小さくなく、規模の大きくないところでもランニングコストが45万もかかるなど業界の裏側をのぞかせて頂いて、とても勉強になる記事だと思いました。
Posted by Kuro at 2021年05月30日 07:06
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