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2021年06月04日

コインランドリービジネス失敗事例2(失敗してわかった難しさ)

コインランドリーイラスト.png

 コインランドリービジネスは不動産投資の一つとしても注目され、最近はとにかく店舗が多いです。正直、これから始める方は、よほどの資金力と忍耐力、場合によっては損切りが簡単にできる方ならば検討されてもいいですが、資金に余裕のない方で借入で運営しようと思われているならばやめられたほうがいいと思います。

 決して、コインランドリービジネスを否定するものではないですが、投資額に見合うだけのメリットはあまり感じられません。

 私が運営していた店舗を例に説明します。

以前のブログでも書いていますのでそちらも合わせてお読みいただけるといいと思います。
●コインランドリービジネスの失敗事例1(失敗体験談)
https://fanblogs.jp/tsukasamarunet/archive/109/0

 コンランドリーで一番初期コストがかかるのが機械代です。昔ながらのコインランドリーの洗濯機は一般家庭の洗濯機にお金を入れる装置がついて自動で洗濯してくれるものですが、最近のコインランドリーの主流はドラム式で小型タイプが9kg前後、中型で14〜20kg前後、大型で25〜30kg位までの3構成になっています。乾燥機も8kg位までの小型、14〜16kgまでの中型、25〜30kgまでの大型とこれも3構成です。そして利用者にとって楽なのが洗濯と乾燥がまとめて全自動でできる洗濯乾燥機です。

 店舗の大きさによって、これらをどのように配備するかを検討しますが、私が運営していた店舗は15坪程度ですので、小型店舗の部類に入ります。その分、初期投資額は少なく済みますが売り上げも限界があります。

 まず機械の配備構成を検討しますが、洗濯機は9kgの小型機、14〜20kg対応の中型機、そして洗濯乾燥機をそれぞれ1台ずつ入れました。乾燥機は上下2段式の16kgまで対応の中型機を3台と30kgまで対応できる大型機を1台、それと両替機に柔軟シートの自販機を設置しました。

 機械代は小型と中型洗濯機2台で150万円程度。洗濯乾燥機は250万円程度、乾燥機で400万円程度、両替機などを合わせると850万円程度の機械代になります。これを融資とリースでまかないます。

 そのほかに店舗改装費が300万円程度かかりましたが、自動ドアの設置代が結構高いです。利用者の方のほとんどは自宅で洗った洗濯物を乾燥機にかけに来るので洗濯物が重いですし、布団などの大物洗いの場合、両手が塞がっていますので、利用者目線に立てば自動ドアは便利です。また、いちいちドアの鍵締めなどをしに行く必要もありません。24時間営業でない場合でもタイマーセットできるため、自動ドアは必須です。

 こんな感じで1,200〜1,300万円程度の初期投資をしました。機械メーカーの売り上げシュミレーションは初年度100万円程度の赤字、2年目で赤字幅が縮小、3年後でトントン、4年目以降で黒字というものです。それでも店舗の規模からみて50〜60万円の月間売り上げが限界値でした。

washing-machine-2668472__340.jpg


 次にランニングコストはどうなのでしょう?

 家賃ですが15坪程度のお店ですと売上の限界点も高くはありませんから15万円を超えるのはNGです。ただ店舗前に専用駐車場がある場合は多少の増加は可能ですが、それでも17万円以内に抑えた方がいいです。家賃は固定費なので売上に関係なく毎月かかる高額コストになります。私が運営していた店舗は13万円でした。

 そのほかにかかるものではガス代と水道代、電気代になります。ガスはプロパンです。何故かというと火力が都市ガスに比べて強いということや、設置の際に工事費を無料サービスでやってもらえる点があります。都市ガスの場合、店舗の位置によっては数百万レベルの工事費がかかりますが、プロパンの場合、原則、どこと契約しても構わないわけです。とはいうものの、店舗選びの際にプロパンガスの利用が可能なオーナーさんでなければ店舗選択肢から排除します。ですので、だいたいの場合は、店舗のオーナーさんが付き合っているガス会社と契約します。設置工事費は無料でやってはもらえますが、契約後3年間は解約できないなどの特記事項は付きますが、これからオープンするわけですから辞める時のことまではあまり考えませんね。プロパンガスの料金は1㎥単価×消費量で算出されます。一般家庭の単価よりはかなり安いですが、この交渉は素人ではなかなかできないので、機械メーカーに頼みました。ガス代は月平均が4万円程度ですが、乾燥機の稼働率に準じて高くなりますので概ね4万円〜6万円程度でした。

 水道代は2ヶ月に1回の精算で、これも消費量が増えれば高くなります。洗濯機の稼働率が高ければ金額も上がります。だいたい、4万円から6万円で、月平均にして3万円程度かかりました。

 電気代は24時間、エアコン着けっぱなしで25,000〜30,000円程度でした。

ここまでは固定費として必ずかかるコストです。

 次に人件費です。コインランドリーを推奨する機械メーカーのほとんどは「無人営業なので人を雇う必要もないから人件費はほとんどかからない。かかるとしても清掃してもらう人を1日1回きてもらえばいいから3万円くらいあれば大丈夫」というセールストークをします。私の場合は人材派遣会社と契約しました。調べれば業界には隙間産業がたくさんあります。コインパーキングの集金や管理をやっている会社がそのノウハウを生かして、コインランドリー業界にも触手を伸ばしています。そちらの会社さんにお願いしてコールセンターと清掃の方をお願いしました。清掃の方は店舗の近くの幼稚園児のママさん2名でローテーションを組んでくれました。金額ですがコールセンター代行料も合わせて4万円弱です。清掃時間は24時間に1度、いつきても良いという条件ですので時間的縛りはキツくはありません。清楚時間も30分程度で終わります。これで1,000円程度です。ですのでメーカーが言っている3万円という金額は間違いではありません。
 
 店舗の維持で清掃は最も重要です。清掃費を安くするなら2日に1回とか3日に1回にすれば安く抑えられますが、それでは清潔感は維持できません。ゴミ箱からはゴミが溢れ出し、乾燥機のフィルターも汚れ、乾燥能力が低下します。私からすれば、清掃は店舗維持には欠かせないほど重要なものでした。
 
働く側から考えてみてください。

清掃はすごく単純です。フィルターの掃除、床とテーブルの掃除。実質の店舗スペースは10坪程度ですので長くて30分です。実際に支払う金額は派遣会社からですが、おそらく1回あたり1,000円です。2名体制ですので1人辺りの収入は15,000円くらいですね。おそらく他でも掛け持ちしていますが、たとえ30分でも行き帰りのことを考えれば拘束時間は最低1時間〜1時間半程度です。ですので売上がそこそこあった時は大入り袋と称して少しばかり包んであげたり、年末年始にはお年玉名目で少し包んであげたりしました。これは清掃スタッフのモチベーション維持にも必要で、結果的に、店舗維持に貢献してくれましたね。メーカーのマニュアルにはこんなことは書いていませんが、たとえ無人経営と言っても清掃スタッフへの心遣いなどはやられた方が結果的には良いです。でも結構、神経は使います(笑)。決して楽ではないです。。。

 さてここまでで毎月のランニングコストは
家賃130,000円
ガス代月平均4万円
水道代月平均3万円
電気代月平均25,000円
人件費4万円
これでだいたい265,000円くらいです。これに洗剤や柔軟剤、清掃備品代などを含めると30万円弱です。

これに融資(10年)とリース代(7年)は毎月130,000円がかかりますのでオープンして7〜10年は損益分岐点が43〜45万円です。

 この金額より上回れば少なからず利益が出ます。メーカーのシュミレーションはあくまでも売上見込みですが、それでも4年後に50〜60万円の想定通りにいけば、毎月5〜15万円の手残り利益が出る計算です。

 実際は目の前にコンビニ併設のコインランドリーが出来て利用者は激減し、結果的にメーカーに営業を引き継いでもらいましたが、引き継いでくれたメーカーには感謝しています。普通はそこまでしてはくれません。
 
 私が運営していた15坪程度の小型店舗では初期投資コストやランニングコストは比較的抑えられますが、売上の上限も限界があります。

 では、コンビニ併設の大型店舗はどうなのでしょうか?
私が運営していた店舗前にできた所をのぞいてみましたが、機械代や設備をみただけでざっと3000万円はかかっている感じです。店舗が広ければ清掃コストや維持費、電気、ガス、水道などの光熱費も高くなります。それでも売上が高ければ問題ありませんが、私の店の利用者がそっくり移動してもせいぜい30〜40万円です。これに自力でいくら上乗せ出来るかですが、最低でも150万円以上の売上が無いと回らないでしょう。でも実際にはそこまでは難しいです。過剰投資気味です。

 都心部はともかく、郊外の場合、昔から住んでいる地主が相続税対策で赤字承知の上で、オープンしてくるケースもあります。そもそも黒字にしなくても良いわけですから、こういったオーナーには勝てるはずはありません。コインランドリーを利用したことのある人は統計上、まだほんの数%レベルでまだまだ、需要の要素はありますが、それに対して店舗数が多すぎます。もし、これからコインランドリービジネスを始めようと考えている方は、このブログを参考にしていただければと思います。







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恋愛、結婚、離婚、子育て、債務整理、うつ病、男性更年期障害など楽しいことも嬉しいことも、辛いことも悲しいこともたくさんありましたが、シニア世代を迎えて、死ぬ時に「10勝9敗で少しだけ勝ち越せた人生で良かった!」と思えるようにいきたいと感じるよになりました。
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