「老後2,000万円必要問題」が報じられ様々な対応策があちらこちらで散見されています。人生100年時代が唱えられ、にわかに老後不安が浮き彫りにされつつあります。確かに平均寿命が男女ともに80歳を超えてきましたので現実性はありますが、人の助けを必要とせず、元気で過ごせる健康寿命は73〜75歳程度と言われています。そもそも平均寿命は新生児を対象にしたもので、今年生まれた新生児の平均的な寿命と言われているもののため、特に私の様なシニア世代はこれまでの生まれ育った環境や生活習慣、食生活などが蓄積されていますので、それほど該当するものではないと思います。それでもやっぱり、長く生きることも想定しておく必要はあります。「現代の最大のリスクは長生きすること」と唱える方も多く、間違ってはいません。一方では、「長く楽しんで生きたい」という考え方をする方も多いと思います。私も長生きは最大のリスクと感じてはいますが、そのリスクを少しでも軽減するために「残された人生を楽しく生きて行きたい」と考えています。
そのための手段として不動産投資を行っていました。不動産投資はアパート経営、マンション経営などに大別され、その中でも中古物件、新築物件などに分別されます。私が行っていたのは中古ワンルームマンションの区分所有です。都内23区内と神奈川県主要区の区分中古マンションをローンを利用して購入、家賃収入で返済して行くという流れで行っていました。ローン返済が終われば家賃収入を老後の年金に加算してゆとりある生活をしていこうというものでスタートしました。都内で4部屋、神奈川県で2部屋の計6部屋を所有していました。
ローンは住宅ローンやセカンドハウスローンは使えませんので不動産投資ローンを利用する必要がありますが、私がメインで利用していたのがアプラス投資用マンションローンです。最大枠3,000万円までの融資が可能でした。中古区分マンションですと700万円〜1,200万円程度で購入が可能でしたので、3,000万円の枠内で3〜4部屋までの購入が可能でした。枠を使ってしまうとアプラスの審査はかなり厳しくなるため、他の金融機関を利用する必要があります。
そこで次に利用したのが日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫には不動産投資ローンはありませんが、既に不動産投資を行っていれば、賃貸業の区分に位置づけされ、事業資金として金利1.5%程度で融資を受けられました。
こうして最多6部屋の区分所有を行っていましたが、給湯器やエアコンなどの故障費用は実質オーナー負担のため、持ち出しが時々あります。またローンは家賃収入で返済できますが、積立修繕金や管理費もオーナー負担になるため、ローンを返済中は利益を出しにくい状況でした。不動産投資を始めた経緯は、将来の不労所得を得ることが目的ではありましたが、効率がよくありませんでした。そこで出口戦略の一つでもある売却を行いました。中古区分マンションですが都内23区や神奈川県主要区でしたので比較的短期間で売却ができました。
しかし本業の事業悪化により自己破産に至りました。その際に残していた2部屋は手放さなければなりません。管財弁護人が入りましたので最終的には競売により売却され、債権者への返済に当てられました。残っていた2部屋がアプラスの投資用マンションローンでしたので、現在CICにはしっかりと異動情報として掲示されています。
結果的に自己破産をしてしまい競売という形で債権者に迷惑をかけてしまったわけですので、私の不動産投資は失敗に終わりました。不動産投資を始めた目的は老後資金の確保にあったわけですが、うまく実現させることはできませんでした。
不動産投資は決して悪いものではありません。しっかりと計画を立てて実行すれば成功できるものだと今でも思っています。実際に上手く成功している人も多いです。しかし一方で、サブリースやスルガ銀行での不正融資などで社会問題になっているのも事実です。1980年代のバブル時代は買って、売っての投資がメインで利益を出していましたが、現在は売却利益を得るのはなかなか難しくなりました。若い人なら、ローンも長く組め、月々の返済負担を抑えられますので、家賃収入で利益を出して行くことも可能です。不動産投資は一度始めると長いスパンで付き合って行く必要があります。これから不動産投資を行いたいと考えている方は、安易に老後資金の確保と考えずに、じっくりと計画を立てた上で実行していただければと思います。そのためには良き専門家をパートナーに持つことも重要です。実際にセミナーに参加して見たり、アドバイスを受けたりしながら成功していただければ幸いです。
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