なつかしの映画

ロックハドソンが主演した１９７６年のSFホラー「エンブリヨ（胎児）」は、マッドサイエンティストの破滅の物語である。

雨の中を家路を急ぐ科学者のポール（ロックハドソン）はいきなり飛び出してきた犬をはねてしまうが、自宅へ連れ帰り

手当するが死亡してしまう。犬のお腹には３匹の胎児がいたが、１匹だけが助かりこの犬に成長ホルモンを与えると
短い間に大人の犬となった。

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この成功で味をしめたポールは友人の医者ジムに人間の胎児を調達するよう依頼した。ジムは断ったが絶対迷惑を

かけないと粘るポールの熱意に負けて承諾する。

数日後。自殺未遂の女性の胎児を手に入れたポールはさっそく実験を開始する。成長ホルモンを与えられ人口子宮の中で

急速に成長する人間の胎児、４週間でやっと成長が止まったときには、そこに美しい女性がいた。

女性にはビクトリアと名付けられ、成長に知能が追い付かないためポールは計算、言語等徹底した教育を施した。

予想以上のスピードで知識を身に着けたビクトリアをポールはお披露目のため、パーティーに連れてゆく。

利発なビクトリアはたちまち人気者になるが、チェスの名人の男を悪気なく挑発したため対決することになる。

あっという間に打ち負かされ激怒する名人。誇らしげなポールだったがビクトリアの肉体には異変が起こっていた。

早くも老化が始まり激痛に襲われ不安におびえるビクトリア、彼女はパーティーで知り合ったコンピュータ
会社のコリアのオフィスを訪ね老化を止めるデータを取り出した。

データによると老化を止めるのは胎児の脳下垂体が必要だったのである・・・

バーバラカレラはニカラグア出身の女優で当時のキャッチフレーズは世界一の美女という触れ込みだった。

ハドソンはハリウッドの代表的な二枚目だったが、晩年はこの映画のようなB級ホラーにも出ていた。

監督のラルフネルソンは「アルジャーノンに花束を」を映画化した「まごころを君に」でも似たようなテーマを扱っていた。

ショッキングなラストはポールが生命を弄んだ代償の因果応報な終わり方である。

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