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2017年03月09日
世界選手権の季節(三月六日)
気が付けば、時間が経ったという実感のないままに、三月が始まっていて、これまで先送りにしてきたことに手を付け、けりをつける機会を探すのを忘れていたのに呆然としてしまう。毎日、こんな与太文章を書いていることで、時間の流れに鈍感になっている面もあるのかもしれない。継続することは大切だけれども、何か大きなことを時間をかけて成し遂げたという達成感がないのも、後から感じる時間の流れの速さを助長しているのだろう。こんなしょうもない愚痴を、この年になってこぼしてしまう辺り、自分の至らなさを象徴しているのだけど、とりあえずは目を背けて、それがいけないというのはわかっているけど、日々の生活に追われていこう。
さて、二月の終わりから、チェコでも日本の冬並みの冬になり、ということは、ウィンタースポーツのシーズンの終わりが近づき、各種目のシーズンの最大の山場、世界選手権の開催が目白押しである。先週、先々週あたりにバイアスロンとアルペンスキー、先週末からノルディックスキーの世界選手権が行なわれている。他にも多分スノーボードとか、アイススケートなんかの世界選手権も行なわれているはずである。スケルトンとかボブスレーなんかもありそうだけどよく分からん。
そのおかげで、チェコテレビのスポーツチャンネルの中継時間が奪い合いになっていて、サッカー、アイスホッケーという二大スポーツの放送時間は、変えたり減らしたりできないので、マイナースポーツが割を食うことになる。そうなのだ。毎週日曜日に一試合だけ行なわれるの十時半からの試合が、世界選手権のあおりを受けて中継されなくなってしまったのだ。さすがに全く中継しないのはよくないと考えたのか、普段とは違う曜日の違う時間に試合を移して、中継されることもあるのだけど、テレビのプログラムをそんなに入念に見ないこともあって、気づけないことも多いし、そもそも仕事で見られない時間帯の中継であることも多い。
だから、世界選手権の放送を減らせなんていう気はまったくない。自分でもついつい見てしまうし、見れば面白いし。テニスのフェドカップや、陸上のヨーロッパ室内選手権なんかが、ウィンタースポーツの世界選手権と重なったときのように、チェコテレビの2で中継してくれんかねえとちょっとだけ思ってしまうのだ。それが無理なら、チェコテレビ2で中継枠が取れなかったときのように、ネット上で視聴できるような放送をしてくれないものだろうか。ハンドボールなんて、チェコでもマイナーなスポーツにそこまでする言われはないと言われれば、それまでなのだけど、中継が減ればますますマイナーになってしまう。本当は代表チームが世界選手権や、ヨーロッパ選手権で上位に進むのが一番なのだろうが、現時点では期待薄である。
そんな、世界選手権の海の中で、今週末ちょっと注目しているのが、スピードスケートの総合の世界選手権である。スピードスケートもいろいろ世界選手権があってよくわからないのだけど、今回のは、距離別に世界で一番の選手を決めるものではなく、500メートルから、男子は10000メートルまで、女子は5000メートルまでの四種目を滑って、全てを総合した結果で順位を出すものである。出したタイムに対応するポイント表があるようで、それに基づいて換算するのかな。
先週行われて女子では日本の選手が優勝した短距離の世界選手権は500メートルと1000メートルを二日かけて二回ずつ滑るというものだったが、今週のは一回ずつに減る代わりに種目が二つ増えるというわけだ。短距離のほうでもエルバノバーが確か四位に入って、チェコがスピードスケートで、選手層は薄い中、有力国になっていることを示したが、四種目総合には、長距離の絶対王者サーブリーコバーがいる。
ただ、今年はリオオリンピックを目指して自転車の活動を長く続けていたことと、膝の調子が悪いこと、そして何よりもオランダの同世代の選手(名前の読み方がわからん)が人生最高ともいえるぐらいに絶好調らしいので、優勝するのは難しそうだと言われている。言われているけれども、ついつい見てしまって応援してしまうのがファンというものである。
見ていたら嬉しい誤算が一つ。日本の選手が三人も出ていたのだ。この大会で行なわれる四種目すべてをあるレベル以上で滑れる選手と言うのは、世界的に見ても数が少なく、世界選手権の出場選手が、スピードスケートが盛んなヨーロッパ選手権とほとんど変わらないということも多い。今年もスピードスケートには力を入れているはずの、中国、韓国の出場はなく、アメリカの選手もいなかったので、ヨーロッパ以外からの出場は、日本とカナダの選手だけだった。
しかも、以前は、日本の選手たちはメダル争いなんてとんでもない、最終種目への出場権を獲得できれば大健闘というようなイメージだったのだが、今年は、日本の選手がメダル争いに絡んだ。最後の5000メートルで、オランダの選手とサーブリーコバーに逆転されてしまったけれども、三種目終了時点までは首位に立ち、最終的に三位に入ったのだ。
男子では表彰台を独占したスピードスケート大国オランダの選手たちに伍して、女子ではチェコの選手と日本の選手が活躍し、一位ではなかったとはいえメダルを獲得したことは、チェコに住む日本人にとってはなかなか感動的な出来事である。次の大会では順位を一つずつ上げたところを見せてほしいものである。
3月6日23時。