(2015年投稿記事です。)
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安全保障関連法案の成立にて、いろいろな法律が改正となりいろんなことが変わります。
しかし中には話ばかりが変な方向に先行してしまい、妙な誤解を生んでいるところもあります。
真っ先に挙げられるのが南スーダンPKOでの駆けつけ警護に関する誤解です。
今日はこの駆けつけ警護第1号は、南スーダンの中国軍!なんていうヨタ話についてです。
(前回記事):『自衛隊の人との結婚で問題になる中国人嫁の問題』
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(1)駆けつけ警護の対象は中国軍とは決定していない。
安全保障関連法改正で、駆けつけ警護の問題が出てました。
これは国連平和維持活動協力法(通称:PKO協力法)が改正されて、いわゆる駆けつけ警護が可能になったことです。
法案成立直後からネット上に、「駆けつけ警護の最初の対象は南スーダンの中国軍!」という話が飛び交いました。
政府が検討を進めているのは、
南スーダンに展開している自衛隊部隊の任務に、駆けつけ警護の新しい任務を付与することです。
実施を行うまでには、ここから
『南スーダン国際平和協力業務実施計画』(内閣府国際平和協力本部)
などで実施事項を追加するなど、多くの手続きなどが必要になります。
ここで、重要なのは、
『誰も警護対象国などの決定をしているわけではない』
ということです。
1.1 ネットによる流言飛語が問題!
ネットなどで流れている話は、あくまでその人の考えでしかありません。
さらに言うのであれば、法律の条文をよく読まずにイメージのみでしか語っていません。
図1 国際平和協力法での新たな任務(イメージ)
引用URL:http://img.mainichi.jp/mainichi.jp/shimen/images/20150918dd0phj000195000p_size8.jpg
あくまで駆けつけ警護は、そのような事態が発生した場合に実施できることです。
救出対象は、展開する外国部隊やNGOなど危険にさらされている集団です。
あくまで今まで日本の国内法で実施不可能だったことを、可能にしただけになります。
図2 南スーダンに展開中の各国部隊
引用URL:http://rpr.c.yimg.jp/im_siggl3RzB2ooNxKiIpvqNgXALw---x540-n1/amd/20131224-00030921-roupeiro-001-12-view.jpg
南スーダンには各国の部隊が展開しています。
南スーダンに展開中の中国軍部隊は、ケニア軍の歩兵中隊の支援を受けながら活動を実施しています。
駆けつけ警護は、中国軍だけを対象にしているわけではありません。
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(2)ルワンダ難民救援国際平和協力活動を忘れていないか?
駆けつけ警護の対象が中国軍だから〜〜!などといろいろなことを言っている方に聞きたいのは、ルワンダ内戦と難民救援活動のことを忘れたのか?ということです。
1994年に行われたルワンダ難民救援国際平和協力活動において、事実上の駆けつけ警護が実施されています。
この時国際医療NGOが武装難民に襲われ、自衛隊PKO部隊に救出されるということがありました。
当時のPKO協力法では、駆けつけ警護は違法行為でした。
この時の緊迫した状況については、自衛隊部隊指揮官とNGO両方から本になって出版されています。
図3 ルワンダでの出来事の回想
引用URL:https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51p2bdPMWaL.jpg
引用URL:https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/91kLW8no8bL.jpg
そのほか2002年の東ティモールにおいても、事実上の駆けつけ警護による救出が行われています。
この時は東ティモールPKO司令官から、「日本部隊の行動規定では隊員の生命に危険が及ぶ」と批判されています。
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(3)「普通に」国際平和協力活動を行うために
すでに、国連PKO活動については各国部隊と協力して行うのが前提です。
2015年6月にはモンゴルにて26カ国(日本も含む)での協同訓練を実施するようになっています。
この時撮影された1枚の写真が安全保障関連法とからめて報道されました。
図4 カーンクエスト2015における訓練
引用URL:https://static.dvidshub.net/media/thumbs/photos/1506/2022497/2000x1333_q95.jpg
この写真に
『現場の暴走!南スーダンでの駆けつけ警護を想定した極秘訓練!!』
とつけてしまえば、そう思ってしまう人がいるのも事実です。
3.1 現場の実情を知ってほしい。
現場部隊では協同での行動訓練などを行ってますが、法律などが追いついていないのが現状です。
また、集団的自衛権の問題と国際平和維持活動への協力をごちゃ混ぜに考えているのも問題です。
反戦運動と切り離して考えないと、本質を見誤ることになります。
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