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皆さま、大変な状況の中で平常心を持ってお過ごしでしょうか?
4月に色々とお騒がせしましたが、ペンギンも細々とブログを再開します。
令和2年度の遠洋練習航海の時期が近づいていますが、今年は海外寄港が取りやめになるかもしれません。
1957年から続いてきた遠洋練習航海で、初の海外寄港中止となるか?!
(参考記事)『【海自】幹部候補生、実習幹部でキツイ!と感じる貴方への助言!』
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(1)遠洋練習航海で海外への寄港がほぼ不可能に!
2020年は世界を騒がせている新型コロナウィルス(COVID-19)により、世界各国で入国制限が発動しております。
日本からの入国者に対する規制を行っている国は184か国になっております。
(2020年5月1日現在:外務省海外安全ホームページより)
URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html
2020年5月下旬に、令和2年度遠洋練習航海の出発が予定されています。
しかしこの状況では、大幅な日程変更と海外寄港の取りやめになる可能性が大きくなりました。
図1 練習艦隊出発(護衛艦あさひ)
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/ETOE0vtU0AEr71K?format=jpg&name=small
1.1 部内課程飛行課程は海外寄港を見送り!
すでにコロナによる影響は、外洋練習航海(部内)や外洋練習航海(飛行)の寄港に影響を与えています。
@「外洋練習航海の一部変更について」(令和2年2月14日)
URL:https://www.mod.go.jp/msdf/release/202002/20200214-02.pdf
外洋練習航海(部内)において、海外寄港3か国中2か国の寄港が取りやめられました。
A「令和元年度外洋練習航海(飛行)の一部変更について」(令和2年4月10日)
URL:https://www.mod.go.jp/msdf/release/202004/20200410.pdf
飛行課程の外洋練習航海については、マレーシアとブルネイ2か国の海外寄港全てが取りやめられ、国内寄港に変更され実施されました。
海外への寄港訪問が、ほとんど不可能な状態となっています。
図2 外洋練習航海(部内)の訓練風景
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/operation/training/enyo/2020bunai/img/02/14.jpg
1.2 航海に派遣する方面もかなり苦しい
2020年の当初の遠洋練習航海派遣予定は、インド洋・中東・東南アジア方面だったのではないかと推察します。
しかし、現時点ではこの地域も入国制限が厳しくなっており寄港は難しくなっているでしょう。
1.3 おそらく海幕防衛省外務省で検討中!
令和2年度遠洋練習航海につては、おそらく海幕や防衛省・外務省で実施するか検討しているでしょう。
しかしコロナウィルスの影響で、入国できる可能性が低くなっている状況で難しい判断となっているはずです。
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(2)遠洋練習航海が簡単に中止できない複雑な理由
一番簡単なのは、遠洋練習航海の派遣を中止することですが簡単に中止できません。
海上自衛隊の訓練ではありますが、外務省や防衛省・海幕の複雑な事情が絡み合いなかなか厳しいものがあります・
2.1 外交の道具としての遠洋練習航海派遣
遠洋練習航海の派遣については、防衛省と共に外務省の外交戦略が派遣する方面・訪問国に反映されます。
(参考記事)『【海自遠洋練習航海】訪問国に入港する時は「礼砲」を撃つよ〜!』
外務省にとっては、遠洋練習航海受け入れのため2年以上前から準備を行います。
さらに、外交上この国に注力したいという国に練習艦隊を寄港させるのは、有効な外交手段として使われています。
『軍艦は戦争も外交もできる便利な道具』
一歩間違えれば砲艦外交と言われそうですが、軍艦訪問を相互信頼醸成の道具として使えます。
そのため外務省としても、簡単に中止を言い出せない複雑な理由があります。
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2.2 初級幹部養成期間を確保したい海幕の思惑
海幕にとっても、実習幹部をちゃんとした初級幹部の技量知識レベルまで高めるために遠洋練習航海が存在します。
(参考記事)『【海上自衛隊】国内巡航(その2)から遠洋練習航海出発へ!』
近海練習航海のみでは、完全に初級幹部としての技量が不足しています。
約五か月間の遠洋練習航海は、技量知識を艦艇で勤務できるレベルまで高める期間といえます。
そのため、容易に遠洋練習航海を中止して部隊配属というわけにはいかないのが現状です。
幹部としての人事教育課程が大幅に狂うためです。
2.3 遠洋練習航海中止検討は過去にもあった。
私が現職時代に聞いたのは、過去に何度か派遣中止の検討が行われたことはあったそうです。
古い時代だと、1970年代のオイルショックで燃料高騰の時に縮小・中止が検討されたと聞いています。
ただ、初級幹部育成の大事な訓練だから続行されたと聞いています。
近年だと911テロの翌年の遠洋練習航海についても、アメリカへの寄港取りやめ・規模縮小が検討されたと聞いています。
当時は、何が起きるか全く予想できない状況であったものの、予定通り実施が決定したとのことです。
今回ばかりは、世界中が混乱の中にあるためかなり厳しいかもしれません。<
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(3)海外交流も必要だけど今回ばかりは厳しいかな?
遠洋練習航海は、実習幹部に現場での知識技能を習得させる場所でもありますが、国際感覚のかん養を行うという目的もあります。
国家間の友好親善の一角を担う目的もあり、寄港地での研修があります。
図3 バルセロナ市街地の研修
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/DjpxzYjUUAIG4T-?format=jpg&name=large
3.1 コロナ禍で国内訓練主体となるかな?
2020年の令和2年度遠洋練習航海は、大幅な日程変更が免れないでしょう。
海外寄港についても、相当厳しいものと思われます。
(アメリカハワイ寄港が限界かな?)
無理に強行するより、何とか国内で実施する方向になるかもしれません。
実習幹部にはキツイ5か月になりますが、何とか頑張ってほしいものです。
がんばれ若人たち!
3.2 ペンギンの件について
4月にいろいろとお騒がせいたしました。
皆さまの励ましのコメントを多くいただき、大変感謝しております。
実際に多くのクリック支援などを頂いております。ありがとうございます。
生活のほうについても、細々と何とかやっている状態です。
体調についても、何とか記事作成できるまで回復しました。
今後も、声援やご支援を頂けると幸いです!
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