(2019年投稿記事です。)
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31防衛大綱と中期防が新たに決定され、護衛艦「いずも」の空母化が決まりました。
しかし、今すぐ空母化改修工事が始まるわけではありません。
ならば、空母改修はいつ始まるのでしょう?
可能性として、2022年に護衛艦「かが」が先に空母改修される可能性があります。
(前回記事):『イージスアショア売却にレーダーが付かないカラクリは?』
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(1)空母改修が明記された31中期防!
今回制定された中期防衛力整備計画(平成 31 年度〜平成 35 年度))に、「いずも型」護衛艦の改修が明記されました。
(2019年〜2023年までの5年間)
この中で
『STOVL機の運用が可能となる多機能護衛艦』
として明記されました。
図1 いずも型護衛艦
引用URL:http://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ddh/izumo/#183-1
しかし、明記されたからすぐ護衛艦が空母化されるわけではありません。
1.1 中期防は水物!
中期防(中期防衛力整備計画)は、内部では水物と呼ばれています。
理由として、
『記載されたからと言って、必ず達成されるとは限らないから』
という内情があります。
知っている限りでは、中期防の計画が全て達成されたことは冷戦以降ほとんどありません。
大抵なんらかの装備品などが、見送りになります。
また、中期防3年目(今度は2021年)に見直しが行われます。
ここで装備品・計画が削除されることもしばしばあります。
1.2 護衛艦いずもが2019〜2020に第1回定期検査入り!
もう一つ護衛艦いずもの空母化が、すぐに行われない理由があります。
2019年度に、護衛艦「いずも」の第1回定期検査・修理の予定です。
新型護衛艦の第1回定期検査は、特に重要視される検査です。
装備品の不具合・運用上の問題点と改修、修理方法の確立でかなり大変です。
はっきり言って、空母改修工事をしてる暇がありません。
図2 呉で入渠中の「かが」
さらに、平成31年度予算にて改修の調査研究が計上されています。
この調査研究の成果が出てから、空母化の予算が計上されます。
1.3 F-35B戦闘機の導入状況
中期防では、F-35B戦闘機を18機導入するとなっています。
図3 F-35B戦闘機(行ってきま〜す(^^)/)
引用URL:http://navalaviationnews.navylive.dodlive.mil/files/2017/02/161119-M-MS007-067_edit.jpg
F35Bの導入状況や、訓練・運用方法の確立などに時間を要するでしょう。
少なくとも、すぐにF35Bは導入されません。
そのため、中期防の中頃ぐらいまで改修は始まらないでしょう。
では、いつになったら開始されるのか?
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(2)2022年「かが」定期検査時に空母化か?!
いくつかの要素を考慮すると現状は、
@2021年度に中期防見直しを実施
A2022年度に護衛艦「かが」の空母化改修を実施
というのが、現実的な路線でしょう。
2.1 予算の問題から・・・
現実的な問題として、中期防の予算の大枠は決められています。
(5年間で約25兆5000億円)
この枠内で、イージスアショアなどの高額装備の調達も行います。
何とかイージスアショア建設の終盤にならないと、予算が付きにくい状況です。
2.2 護衛艦「かが」第1回定期検査に間に合う
2022年ごろには、護衛艦「かが」の第1回定期検査の時期です。
(「かが」は2017年3月就役、5年ごとに定期検査)
護衛艦「いずも」定期検査のノウハウを生かして、必要な検査修理手順が確立しています。
この時期までには、空母化に必要な改修技術・装備の準備が整います。
F35B戦闘機の導入状況も確立して、多用途護衛艦として登場しやすくなります。
予算と定期検査の状況から、2022年「かが」から空母化開始がが現実的でしょう。
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(3)政治的要求から早まることも・・・
ここまで、いずも型護衛艦の空母化がいつになるか探ってみました。
これまでの通例から想定すると、
『2022年に護衛艦「かが」定期検査に併せて改修』
となるのが現実的です。
しかし、政治の要求により一気に改修が早まる可能性もあります。
3.1 イージス艦BMD化は異例のハイペース!
現在では当たり前のように感じているイージス艦のBMDですが、政治の要求により検査時期を変更して特別改修が行われました。
・2003(平成15)年12月に「弾道ミサイル防衛システムの整備等について」(閣議決定)
URL:https://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2003/1219seibi.html
この決定により、翌年の2004年(平成16年)から急遽イージス艦のBMD化が行われました。
当時の現場は、急遽決定されて予定装備品導入が変更などバタついていました。
図3 イージス艦BMD
引用URL:wiki
政治の要求によって、急遽いずも型の空母化改修が早まる可能性もあります。
3.2 補正予算による改修費用計上の裏技!
可能性として大きいのは、補正予算にて空母化改修予算が計上されることです。
通常、本予算だと財務省の査定が通過しにくい物が認められやすい傾向にあります。
平成29年度補正予算で、ちゃっかりPAC-3MSEミサイルを調達した事例があります。
本予算の組み換えで、空母化改修予算の計上ということもあるかも!
今後、いずも型の空母化改修工事がいつになるか?
注目するべきところになるでしょう!
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