(2019年投稿記事です。)
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艦船補給処武器部にて、装備品の修理調達業務を行う日々は面倒との闘いです。
武器を扱うため、いろいろ法的制約などが絡む面倒な仕事です。
さらに輸入品になるともっと面倒なことも発生します。
武器とはなにか?を問う、艦補処武器部のお仕事!
(前回記事):『軍艦の亀甲縛り!で行う船体消磁技術!』
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(1)武器って一体なんだろね?
武器といってもいろいろありますが、わかりやすい例でいえばこんなのですかね?
図1 16式戦闘機動車

引用URL:wiki
明かに武器と分かる物です。
1.1 武器等製造法による武器の定義
法律上の武器の規定は、武器等製造法(昭和28年法律145号)にて規定されています。
※武器等製造法
第二条 この法律において「武器」とは、次に掲げる物をいう。
一 銃砲(産業、娯楽、スポーツ又は救命の用に供するものを除く。以下同じ。)
二 銃砲弾(銃砲用のものをいい、発光又は発煙のために使用されるものを含み、クラスター弾等の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律(平成二十一年法律第八十五号)第二条第一項に規定するクラスター弾等(次号において「クラスター弾等」という。)を除く。以下同じ。)
三 爆発物(破壊、燃焼若しくは殺傷又は発光若しくは発煙のために使用され、かつ、信管により作用する物であつて、産業、娯楽、スポーツ又は救命の用に供するもの以外のものをいい、銃砲弾、対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律(平成十年法律第百十六号)第二条に規定する対人地雷及びクラスター弾等を除く。以下同じ。)
四 爆発物を投下し、又は発射する機械器具であつて、政令で定めるもの
五 前各号に掲げる物に類する機械器具であつて、政令で定めるもの
六 専ら前各号に掲げる物に使用される部品であつて、政令で定めるもの
引用:http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=328AC0000000145
簡単に言うと、
『銃砲爆発物関係に関わるもの全般』
というのが、武器の定義になります。
1.2 電子機器でさえ武器の扱いになる!
武器の規定にかかわると、武器の付属品全部も武器となります。
こんな電子機器も武器となるのです。
図2 電子回路
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引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/電子回路#/media/File:Intel_8742_153056995.jpg
1.3 修理・調達は、法律上許可のある会社のみ!
そのため武器に関わる部品の、修理・製造は武器等製造法の製造事業者のみしか行うことが出来ません。
最近の部品は、民生品も多くあるのですが武器製造事業会社しか修理できません。
ここが、防衛産業での弱みになっています。
たまに「防衛産業は特定の会社の独占だ!」なんて批判があります。
しかし、法律上の規定を知らないままの批判です。
けっこう武器の修理調達は難しいんですよ~!
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(2)輸入品の最終使用証明は大変だ!
艦補処武器部で修理・調達を行っているとき、一番大変なのは輸入品です。
輸入品の部品に関しては、非常に大変な書類準備が必要です。
2.1 アメリカ製品にはITAR:国際武器取引規則!
アメリカ製の輸入部品を、修理のために取り寄せようとすると大変です。
ITAR(国際武器取引規則)という規則が関わります。
この手続きがややこしい!
必要に応じて、最終使用証明を自衛隊から出す必要があります。
図3 最終使用証明(画像は関係書式の一部)
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引用URL:https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1403853/000119312512287420/g364364dsp7.jpg
艦船補給処長のサインが必要で、めんどくさいことが多いです。
2.2 ヨーロッパも結構面倒!
最終使用証明は、「他の国や紛争地域に転売しませんよ」という書類です。
アメリカのほかにも、諸外国では同様の規制があります。
部品調達でも、欧州製品があったりするので大変です。
例を挙げると、FCS-2の方位盤のレドームカバーでしょうか?
図3 FCS-2方位盤
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引用wiki
レーダーカバーのレドームが、輸入品です。
(イタリアセレニア社(現SELEX社)の製品)
2.3 イタリアはもっと面倒
セレニア社のレドームは海軍艦艇ばかりでなく、陸軍のレーダーで時たま見かける特徴的なレドームです。
図4 SELEXレーダーレドーム
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引用URL:https://www.naval-technology.com/wp-content/uploads/sites/5/2017/09/Commandante_5.jpg
このレドームは、性能が良いので結構各国で使用されています。
しかしセレニア社(SELEX社)の特許品なので、修理・調達が面倒なのです。
さらに、イタリア語と英語で「最終使用証明」書類を作る必要があります。
この時ばかりは大変でした。
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(3)金が無ええ!修理の現場より・・・
艦船補給処武器部での仕事で一番大変なのは、
『修理調達の金が無ええええ!!!!』
ホントに足りないんです!いつも予算とにらめっこで修理です!
部隊からは修理要請がひっきりなしなのに、艦補処には故障中の部品が山積み!
古い装備品から新規装備品まで、混合玉石の状態です。
古い装備品の部品修理は、部品調達にも時間が掛かり修理費用も高くなります。
ホントに、修理費用を何とかしてえええ~!!
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