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2020年03月01日

核弾頭は上に付ける?下に付ける?

『核弾頭は上向き?下向き?どちらが良いか』
(2019年投稿記事です。)
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ロシアのSLBMについて資料を探していた時に、西側と違う核弾頭取付方式を見つけました。

ロシアICBMやSLBMの核弾頭情報は、かなり貴重な情報です。

実際には上向き・下向きどちらが良いのでしょうか?

いろんな情報を研究してみた成果記事です!
(前回記事):『武器の修理や調達はいろいろ面倒だ!
\こちらもご参考にPR!/

(1)衝撃のR-29RMSLBM弾頭部写真!

以前の記事で、
『【世界情勢】ロシアから最高機密の写真が流失?!』
にて、ロシアSLBMであるSS-N-23(R-29RM)の弾頭部写真を掲載しました。
図1 実際の搭載風景
弾頭部運搬.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/DntyDTQWsAEqDAH.jpg

全く予想もしなかった下向き取付の核弾頭MIRV(個別誘導複数誘導弾頭方式)でした。

そのほかに、ロシアにて似たようなものがないか探してみました。

1.1 ほかにもあったR-39(SS-NX-28)!

最初に発見したのは、ボレイ級ミサイル原潜に搭載する予定だったミサイルです。

R-39(SS-NX-28)ミサイルが、下向き取付の計画でした。

図2 R-39及びR-39UTTHのレイアウト
R-39.jpg
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/441/wBXXj.jpg

しかし、R-39は発射実験の失敗が続いたため全面的に再設計されました。

再設計されたミサイルも最終的には、プロジェクト中止となりました。

1.2 R-30(SS-N-30)も可能性が?

現在のロシアミサイル原潜ボレイ級には、R-30が搭載されています。

このミサイルは、SS-27(RT-2PM2 トーポリM)の改良型です。

図3 SS-27(RT-2PM2)ミサイル
640px-13April-Rehersal-Alabino-43.jpg
引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/RT-2PM2_(ミサイル)#/media/File:13April-Rehersal-Alabino-43.jpg

ただし、そのまま搭載されたのではなく、下向き取付に改良された可能性があります。

図4 R-30の仮想投影図の一つ(複数ある)
R-30.jpg
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/375/EWii9.jpg
疑惑の理由は、ロシアで公開された核弾頭搭載部(PBV)フレームです。
図5 R-30のPBVフレーム部品と紹介された映像
フレーム.jpg
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/375/4EE0R.jpg

構造的に、再突入体を搭載する部分の架台が斜めにされてます。

フェアリング部分の構造に合わせるために、斜めになっている可能性があります。

将来的に、この構造が何なのか研究が必要です。

1.3 SS-18mod4の弾頭部?(2020年追記)

以前に自衛隊で奏でた交響曲でコメントとして寄せられた中で、ソ連(ロシア)のICBM「SS-18」の弾頭部と思われる写真を紹介されました。

「SS-18mod-4(R-36M UTTKh)」:弾頭10発搭載
完全な確認はできていませんが、情報提供として掲載します

図6 SS-18mod-4の弾頭部?
SS-18MIRV.png
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感想(0件)

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(2)米国は素直に上向き取付

米国のICBMやSLBMなどについて調べてみました。

いずれも、西側の常識に従って上向き取付で核弾頭を搭載する形式です。

図7 MXミサイル(LGM-118ピースキーパー)
LGM-118A_Peacekeeper_MIRV.jpg
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/9c/LGM-118A_Peacekeeper_MIRV.jpg

2.1 NASAの高速飛翔研究からわかること

NASAの研究では、先端が鋭い飛翔体より丸みを付けた飛翔体のほうが衝撃波が緩やかになることが判明しています。

図8 NASA研究
Blunt_body_reentry_shapes.png
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/23/Blunt_body_reentry_shapes.png

ただ米国の技術が高いため、核弾頭の外側ケースが高温に耐えられる素材を使用しています。

この辺が、ソ連(ロシア)との違いになったと考えられます。

2.2 西側は核弾頭下向き取付は考えて居ない

米国の開発から、西側のICBM,SLBMなどは下向き取付が技術的に不向きと考えたのでしょう。

他国の状況も、上向き取付となる例が多いようです。

しかし宇宙船帰還カプセルなどは、下部が丸みを持つタイプが優位のようです。
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(3)将来的には下向き取付が出てくるかも?

米露のICBM,SLBMの開発では、上向き・下向きに分かれる結果となりました。

最近では、ロシアのICBMも上向き取付が主流です。

3.1 INF条約破棄以降の各国から下向き取付が出るかも?

2019年2月に米国は、ロシアとのINF条約破棄を通告しました。

今後、各国で中距離核ミサイル開発が加速する可能性があります。

米露以外の国で、技術的に高温から弾頭を守るために下向き取付を行う国が出てくるかもしれません。

3.2 イランの新型ロケット発射実験

2019年1月15日に、イランは国産ロケットによる衛星打ち上げを発表しました。

新型ロケットが、ICBM級のミサイルになる可能性があります。

図8 イラン新型ロケット「シームルグ(Simurg)?」
irann.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Dw-DJwpX0AA1EdX.jpg

人工衛星搭載部分の、saman-1の部分は350kgほどと推測されています。

形状から、R-29RMのような下向け取付が可能と推察します。

まだ確認が取れていないところでは、サウジアラビアも弾道ミサイル関係で怪しい情報が出てきています。

これから見逃せないですよ〜!
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posted by sstd7628 at 11:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事技術
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