(2018年投稿記事です。)
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2018年8月から、イギリスとフランスの間でホタテ戦争が勃発してますね〜。
フランスセーヌ湾のホタテ漁をめぐって、英仏両国の漁船が小競り合いを起こしてます。
フランス側は、軍艦の派遣も辞さないと強硬な姿勢です。
今回は、漁業をめぐってなんで軍艦が出てくるかご紹介!
(前回記事):『油槽船(仮称)が概算要求項目に登場したよ!』
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(1)英仏ホタテ戦争の概要!
今回の英仏ホタテ戦争が起こったのは、2018年8月27日です。
フランスセーヌ湾にて、ホタテ漁をしようとした英国漁船に対して、フランス漁船側が投石・発煙弾などを投げつけました。
漁船同士の体当たりもあり、かなり激しい状況でした。
図1 英仏漁船衝突の光景
引用URL:https://ichef.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/158C4/production/_103206288_stonethrow.jpg
1.1 なぜホタテ戦争が勃発したか?
元々、現場となったフランスセーヌ湾は、ホタテの漁場として栄えていました。
英国フランス共に、ホタテ漁業が認められていました。
しかし、
・フランス:禁漁期間あり(5月15日〜10月1日)
・イギリス:禁漁期間なし
という問題が、15年前ほどから問題になっていました。
今回その問題が、ついにフランス漁民の不満爆発という形で出てきました。
1.2 フランス政府が海軍が介入する用意があると声明
9月4日にはフランス政府が、「英国が海軍を展開するなら、フランス海軍を介入させる用意がある」と声明を出しました。
翌日の英仏協議の前に、威嚇体制をとった形です。
1.3 英仏協議による一応の決着はついた模様
9月5日に英ロンドンにて漁業当局者同士の話し合いが行われ、一応の決着がついたとのことです。
英国側が、全長15m未満の小型船に対する禁漁期間を設けるという合意はできたようです。
しかし、包括的な協定締結までには至っていないのが現状です。
ひょっとすると、英仏ホタテ戦争が再燃する可能性もあります。
その場合、英仏両国とも軍艦が登場して、英仏交戦という事態もあります。
今後の事態推移がどうなるか注目です。
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(2)なんで漁業問題に軍艦が?歴史的背景からの問題
このニュースで、漁業問題になんで海軍が出てくるのか不思議に思う方がいるかと思います。
日本だと海上保安庁の管轄のように、沿岸警備隊が管轄では?という疑問です。
理由として、イギリス・フランス共に歴史的背景の問題があります。
2.1 海上警備は海軍が英仏の伝統
歴史的に、英仏では海上警備は海軍の管轄という背景があります。
むろん、イギリス・フランス共に沿岸警備隊的役割の準軍事組織が存在します。
・イギリス:沿岸警備隊
・フランス:海上憲兵隊
ただ、イギリス沿岸警備隊は洋上救難を主任務にしています。
フランス海上憲兵隊も一応海上警備を担当していますが、主力は海軍が行っています。
図2 英沿岸警備隊と仏海上憲兵隊
引用URL:https://pbs.twimg.com/profile_images/3174912146/576e8f12bb59c45458b352adcc6fb9b2_400x400.jpeg
http://depo-lutece.com/upload/save_image/02200118_5304d954d9380.jpg
両国とも海軍の存在意義である、洋上での自国商船・漁船を海賊等から守るという歴史が根強いためです。
2.2 英国は漁業を守るためなら軍事行動も辞さない!
フランスが海軍介入の用意があると発言しているのは、英国海軍の伝統的な考えを考慮しているためです。
『英国海軍は自国の商船・漁船を守る為なら、友好国への武力行使も行う』
実際に、英国海軍には「Fishery Protection Squadron(水産保護部隊)」という、漁船保護を行う部隊まであります。
1975年には、アイスランド沿岸警備隊とタラ戦争で銃撃戦まで行っているほどです。
図3 タラ戦争での英国海軍VSアイスランド沿岸警備隊
引用URL:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/69/Scylla-Odinn.jpg
2.3 さすがに国際司法裁判所(ICJ)の判断を仰ぐだろうけど・・・
さすがに、この時代にいきなり交戦する事態にはならないと思います。
国際司法裁判所(ICJ)への提訴が、先に行われるでしょう。
海上警備は海軍管轄という歴史のある国同士のイザコザなので、どうしても軍艦派遣という流れになってしまいます。
昔から仲の悪い英仏両国なので相手が海賊行為をしてきた!となると、
『海賊狩りじゃあああ〜!!!』
となってしまいます。
(両国とも、海賊(私掠船)が海軍の原形なんですが・・・)
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(3)英仏直接交戦はトラファルガー海戦(1805年)以来か?
もし英仏が本土近くで直接交戦となった場合は、トラファルガー海戦(1805年)以来の出来事になります。
ナポレオン戦争の時以来の事態でしょう。
図4 トラファルガーの海戦
引用URL:wiki
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第2次世界大戦中も、数度英仏海軍が軍事衝突を起こしています。
イギリスのEU離脱を控えた時期に、思わぬ形で不満爆発ということになってきました。
さすがに、英仏全面戦争とまではいかないでしょうが、事態の推移が注目されます。
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