「有為の奥山今日越えて」
とあります。
これは仏教の教えを歌われたものです。
どんな意味かといいますと、
「有為の奥山」の「有為」とは無為の反対の意味です。
「有為」とは苦しみ悩みがある、
苦しみに満ちているということです。
その反対が無為です。
苦しみ悩みが解決した、
苦しみ悩みから開放された世界です。
では漢字はどういう意味があるのかというと、
仏教の言葉ですから漢字の意味を解説しようとすると難しいです。
有為とは苦しみ悩み。
それが有為の奥山ですから苦しみ悩みを奥深い山に例えられて、
苦しみ悩みが深くて多いということです。
人生のことを有為の奥山、苦しみ悩みの奥深いものが人生です。
なぜそうなのかを説明されたのが前の2行です。
色は匂えど 散りぬるを
我が世 誰ぞ 常ならむ
これは続かないということです。
仏教では諸行無常と教えられて、
この世のどんなものも続かない、と教えられています。
それは自分の命さえも終わってしまうから、
ということです。
どんなに「幸せだ、幸せだ」といっても死によってすべて崩れてしまいます。
昔、21歳のアイドルがガンでなくなったことがありました。
なんで死んだかというと、ガンです。
最初は小学校2年で脳腫瘍になりました。
脳腫瘍と戦い全身に転移しそれで亡くなりました。
そういう人のニュースがありましたが、
小学校2年生のときといえば7歳です。
それから21歳で亡くなった。
その人生の2/3の14年間が、脳腫瘍との戦いの人生です。
まさに有為の奥山だったことでしょう。
じゃあ7歳まではそうでなかったかというと
7歳まではほとんど覚えていません。
ものの本によると小学校1,2年までの記憶はほとんど残らないといわれます。
毎日刻銘に覚えているという人はないよね。
人間としての自覚がなかったころです。
その中アイドルとして歩みはじめたんだから
やっと苦しみ悩みから離れられると思ったら
いろんなとこ転移して悪くなっていたのです。
食べるものも食べられない。
食べても吐いてしまいます。
肺にたまる水を取るのにくだを通します。
聞いただけで大変です。
そんな生活したい?
だからああこんな子がいるんか。
アイドルになっているんだから見た目にも可愛く、歌や踊りの才能もあったのでしょう。
だけど苦しみの連続の人生でしかも21歳で終わりです。
そんなのを聞くとかわいそうと思いますが、
その子だけかというとそんな人一杯います。
そして、21歳で死ななかったとしても、
やがて全員死にます。
光陰矢の如しと言われるように、
人生あっという間なので、
私たちもみんなすぐに死んで行くのです。
そんな苦しみ悩みの解決した世界がある、
それは、今日解決できるというのが、
いろは歌の後半の
「有為の奥山今日越えて」
といわれている意味です。
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