ブッダがお生まれになられますと、
東西南北7歩ずつ歩かれました。
そして右の手で天を指されて、
左の手で地を指されていわれました。
「天上天下唯我独尊」
わずか8文字ですが、大変大事なことを教えて下さっています。
「天上天下」とは、天の上にも天の下にも、ということで、
この広い大宇宙でということです。
「唯我独尊」というのは誤解されています。
ただ自分一人尊いんだ、オレ一人が偉いんだ、
と威張って言われた言葉のように思われています。
自分が一番偉いんだという、
独善的な人が使う言葉のように思われていますが、
そうではありません。
この誤解がどこから生まれているのかというと、
「我」という字からです。
我というのは、ブッダお一人というのではなくて、
「私たち人間」ということです。
ブッダお一人を表すのは「吾」という字で書かれています。
ですから唯我独尊とは、
私たち人間だけが、ただ一つの尊い使命を持っている、
果たすことができる、ということです。
使命というのは、命の使いどころということです。
私たちは何かに命を使わねばなりません。
新聞やニュースを見ると、
お金の為に命を捨てる人、
名誉のために命を捨てる人、色々あります。
登山家や、冒険家という人があります。
高い山に一人で冬に登ります。
成功すると
「あの人はすごい登山家だ」
と言ってくれる人があります。
そのために、命がけです。
成功すると大変な名誉を得ることができますが、
遭難して命を落とす人があります。
その人は、名誉のために命を使ったと言うことです。
私たちが人間に生まれてきた命というのは、
お金や名誉に使うためのものでしょうか。
ブッダは、
天上天下唯我独尊によって
万人共通の、たった一つの尊い使命があるんだ、
と教えられています。
本当の生きる目的があるんだ、と言われています。
人によって違うものは本当の生きる目的とは言いません。
趣味とか生きがいとか言われるものは人によって違います。
私は野球を見るのが好きだ、とか、サッカーの方が好きだ、とか、
趣味や生きがいは違います。
生きる目的は違います。
髪の色、肌の色が違っても、全人類共通の、
たった一つの生きる目的があるんだ、
とブッダが教えておられます。
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