「後生の一大事、命あらん限り油断あるまじく候」
これは誰のお言葉か?
赤尾の道宗。
富山に五箇山というところがある。
赤尾に道宗という人があった。
寒いときでも、御法座があるとどこでも参詣した。
大変に熱心に教えを求めて、鮮やかな信心をいただいて、
後の人にメッセージを残した。21か条。
有名なこと。
赤尾の道宗というとどういうことで有名か。
蓮如上人のおっしゃることであれば、仰せのままに、
はいかしこまりたると素直に従う。
善知識の仰なりとも「成るまじき」なんど思うは
大なる浅間しき事なり。
然れば「道宗、近江の湖を一人して埋めよ」と仰せ候とも
「畏まりたる」と申すべく候。(御一代記聞書)
ごちゃごちゃいうところ、
善知識に聞かせていただくときに、
凡夫の浅知恵では間に合わない。
だから、はいかしこまりたる。
琵琶湖の湖を一人して埋めよということでも従う。
その赤尾の道宗が
「命のある限りは、決して油断をするな」
と言っている。
油断をしていない人には言う必要がない。
後生の一大事を聞いたことのない人に言われているのではない。
何度言われても、油断して忘れてしまう人に言われている。