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2021年01月16日

「魔術師」本文 vol,1〜2

「魔術師」VOL,2


しかしあなたが、その場所の性質や光景や雰囲気に関して、もう少し明瞭な観念を得たいと云うならば、まあ私は手短に、浅草の六区に似ている、あれよりももっと不思議な、もっと乱雑な、そうしてもっと頽爛(たいらん)した公園であったと云っておきましょう。

もしもあなたが、浅草の公園に似ているという説明を聞いて、其処に何らの美しさをも懐かしさをも感ぜず、むしろ不愉快な汚穢な土地を連想するようなら、それはあなたの「美」に対する考え方が、私とまるきり違っている結果なのです。

私は勿論、十二階の塔の下に棲んでいる、"venal nymph"の
一群をさして、美しいと云うのではありません。

私の云うのは、あの公園全体の空気のことです。暗黒な洞窟を裏面に控えつつ、表へ回ると常に明るい喜ばしい顔つきをして、好奇な大胆な眼を輝かし、夜な夜な毒々しい化粧を誇っている公園全体の情調を云うのです。


引用書籍
谷崎潤一郎著「人魚の嘆き」中央公論社刊




「魔術師」VOL,1


私があの魔術師に会ったのは、何処(いずこ)の国の何という町であったか、今ではハッキリと覚えていません。

どうかすると、それは日本の東京のようにも思われますが、或る時は又西洋や南米の植民地であったよぷな、或いは支那か印度辺(へん)の船着き場であったような気もするのです。

とにもかくにも、それは文明の中心地たる欧羅巴(よーろっぱ)からかけ離れた、地球の片隅に位(くらい)している国の都で、しかも極めて殷富(いんぷ)な市街の一廓(いっかく)の、非常に賑やかな夜の巷(ちまた)でした。


引用書籍
谷崎潤一郎著「魔術師」中央公論社刊



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