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2021年01月17日

「魔術師」本文 vol,20

「魔術師」VOL,20


つまり、木だの、草だのを、アーチや看板や電燈などと全く同じに、或る建物を作り上げる道具の一種として、取り扱っているのです。其処にあるものは、縮小された自然、もしくは訂正された自然ではなくて、山水の形を取った建築物だという方が、適当だかも知れません。

森や林が、植物らしい溌溂とした生気を欠き、器用な模造品のような、誂え向きの線状をたっぷりと湛えて、庭というよりも芝居の道具立てに近い感じを起させます。

絵具の代わりに木の葉を使い、波幕の代わりに水を使い、張子(はりこ)の代わりに丘を使ったというだけのことなのです。

その山水を、一個の舞台装置として評価すれば、たしかに凄惨な、特有な場面になっていて、到底自然の風致などの、企及し難い或る物を掴んでいました。

其処では一本の樹木の枝、一塊の石の姿まで、憂鬱な暗示を含み、深遠な観念を表すように配置され、吾人はそれが樹木であり、石であることを忘れるまでに、慄然たる鬼気を感ずるのです。



引用書籍
谷崎潤一郎著「魔術師」中央公論社刊






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