ネコと贅沢　ボンビーライフ

「保育園落ちた、日本死ね」

近年稀に見る名コピーだね。
素晴らしい。

いかに保育園が不足しているか、
保育園に子供を預けなければ他に預ける先がない切実さ、
働かなければ生活が成り立たない余裕の無さ、
それら今の日本の現実が
この短い一文にギュッと凝縮されている。

このコピーにみんなが賛同してリツイートされ、
その現象が国会に届いて
マスコミも国会議員も官僚も動き出したわけだから
コピーとして一級品だ。

言葉が汚いと批判した議員もいたが、
それじゃあ、キレイな言葉を使っていたら
ここまで事態が動いたのかといえばそれは疑問だ。

世間はこの言葉に共感した。
そして社会がこの言葉で動かされたのだから
この言葉が正解だったのだ。

言葉の美しさ汚さを論ずる前に
こういった言葉遣いをせざるを得ない現状、
こういった言葉に大勢が賛同している現状にしているのは
自分たちだと議員さんたちは反省すべきである。

しかしながらこういった明らかな論点ずらしをしてくるということは、
議員さん自身にもこの問題に対して認識があり、
しかも問題を無視・先送りしている自覚があるからだろう。

この問題を知らなかったというのであれば
それはそれで問題だ。
国会議員の存在意義は、
国民がつつがなく生活できるようにすることである。
しかも現政権は
「少子化対策担当」「男女共同参画推進担当」「一億総活躍担当」
というそれに特化した大臣ポストを置いているのだから
認識できていないはずはないし、
認識できていないのであれば世間の実情に疎い
問題のある内閣ということになる。

とりあえずこの名コピーのおかげで
問題は大きく広がったし、
不満はあるものの事態が少しずつ動き出した。

政治家をはじめ様々な有力者の言葉に力がなくなってきている昨今、
言葉の力を再発見させてくれた
優れたコピーであった。