店における挨拶: ネコと贅沢　ボンビーライフ

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2015年10月06日

店における挨拶

熱心に取り組むつもりはないのだが、
4月10月はテレビの外国語講座が新しくなる時期なので
フランス語講座をとりあえず見てしまう。

始まる早々に必ず伝えられるのが
「お店に入ったら店員さんが
Bonjourと言いますからBonjourと返しましょう。
日本人はいらっしゃいませと言われても何も返しませんが、
フランスではお客さんは必ず返します。」
ということ。

その通り日本人は
店に入った際に挨拶を返す人は稀である。

よく考えて欲しいのだが、
お客といえども他人の敷地に立つ
他人の建物に勝手に入っていくのだから
無言でいるのは不気味だし失礼だ。

立場を変えてみて
自分の家に知らない誰かが黙って勝手に入ってきたら
どう思うのだろうか。

無言で勝手に店に入っていくというのは
スーパーマーケットが普及したことによる現象なのだろう。

私が子供の時分は
個人宅だけではなく個人商店に入って行く時には必ず
「ごめんください」と声をかけたものだ。
スーパーができるまでの習慣では
「ごめんください」と客が声をかけて
「いらっしゃいませ」と店の者が返す。
これで挨拶が成立していた。

ところがスーパーで買物をすることが主流になったために
挨拶というものが薄っぺらい習慣として残るばかりになってしまった。

「いらっしゃいませ」はただの「BGM」でしかないから、
客がそれに反応することがない。
言う方も音を鳴らすだけなので
「らあしゃいあせ」「らっしゃーせー」と
だんだん原型を保たないものになりつつある。

挨拶っぽいBGMを鳴らすだけの店側と
他人の建物に入るという意識のない客側。

ただし、いい人アピールしている客って
「こんにちは」とか「こんばんは」とか言うものだ。
中には根っから毎回挨拶を返す人もいるが、
そういった人かどうかは見ていれば分かる。
ちゃんとした「いらっしゃいませ」かどうか
容易に嗅ぎ分けられるのと同じだ。

ただ思うのだが、
「ぜひ一度お越しください」とか
「お待ちしております」などと
常日頃公言している店は、
無言で来る客・挨拶を返さない客でも
歓迎しなければいけないだろう。
店の方が条件をつけずに来いと言っているのだから。

ちなみに私の場合は
誰でも歓迎しているわけではないので
「お越しください」「お待ちしております」などという文句は
口が裂けても言わないように心がけている。
他人の店に行った際は
BGM挨拶に対してはスルー、
目を見て言われた場合は「どうも」か会釈を返すようにしている。
そういった意識がなければ
海外に行った際に挨拶を返さないようになってしまうからだ。

まあ当分海外に行くことはないだろうが。