昨日は一日中雨が降り続きました
時折、台風ですか?という大雨でした
今日は5月とは思えない肌寒さ
ストーブ付けました
神田祭の提灯があちこちに(5月11〜17日)
(駅にはポスターも)
さすが神田明神のお膝元・・・
長唄の靭猿(うつぼざる)を稽古しています
テキストにあるのはほんの一部分です
テキストには半端な部分を書き出してあるので、
前後にある切りの良いところまでを稽古します
ウラハジキをちゃんと棹を掴みながらやるのは難しいです
端唄の「梅は咲いたか」に一カ所出てくるのですが、
その時は「少し棹を寝かせて親指で支えるようにしてやるとやりやすい」と教わりました
はじく順番は薬指、中指、人差し指、の順番でも
人差し指、中指、薬指の順番でも、やりやすい方でよい、と言われました
梅は咲いたかには、ウラハジキが一カ所しか出てこないし、
ウラハジキの前後の音が開放弦なので出来ることです
線香花火がパチパチパチッと散るとか、
雫がパラパラパラッと落ちるときとか、そんな情景を表していると教わりました
靱猿のウラハジキは、梅は咲いたかどころの難しさではない
はじいた後に真ん中の糸の3を弾かなければならいし、
しかも3回も繰り返して弾かなければなりません
靭猿のウラハジキを弾いている人の画像を見ると、
いろんなやり方をしている人がいますが、基本、棹を握ったままでやっています
紋付き袴でずらっと緋毛氈で弾いている杵屋○○さん軍団などは、
いとも簡単にすんなりやっています
みんな、どんだけ上手いんだろうか・・・
靭猿は長唄の中でも大曲に入る曲で、全部弾くと30分くらいかかるのですが、
稽古している部分は、後ろの方に出てきます
実際はメチャクチャ早く弾きます
早すぎるので、0.75%の速度のを聴かせてもらいましたが、それでも早い
楽譜を見ている目が追いつかなくなってくるくらいです
靭猿は賑やかでお目出度い曲なのだそうです
稽古している部分は、まずトレモロ(チリチリチリチリ・・・・)の連続から始まります
これがまた難しい(大勢でやらないと大変)
私は音が途切れ途切れで聞けたものではない
そして出だしは「オモシロク」とあります
おどけた調子で、という意味なんでしょうか
もちろん猿の踊りなので「オモシロク」なのかも知れませんが
私にはこの出だしが、とても深い意味が込められているように感じます
どちらかというと哀れな、もの悲しい感じを受けます
殺されようとしているとも知らず、
指示通り舞を舞い始める、哀れで不憫な畜生界の定め・・・みたいな
猿はいつもの調子で、すぐに自信に溢れた演技を始める境地に入っていきます
クライマックスのウラハジキは、絶対猿がくるりと一回転するところ
それを軽やかに5回繰り返す大技を見せるところです
大名の侍もこの猿の舞を見たら、心を打たれずにはいられません
弓矢を入れる靱に猿の皮を張りたいなどという、自分勝手な人間(自分たち)と違って
動物とは何と無心無欲で、見栄とは無縁な生き物だということに気がつくのですから
靭猿の唄い手は、とても演技力を必要とされるそうです
たしかにこの物語を語り聞かせるのは大変です
三味線の中でも長唄は奥が深いです
和文化の真髄を感じます
一部分でも触れられることは有り難いことです
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