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2020年04月05日

彼岸の蟲 レビュー感想 死者が生者の生き方を決めるな

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「KAN0N(カノン)」作者の新作(「うぐぅ」ではない)






都会に生きる社会人「詰草」は、幼馴染の女の子「沙華」のお墓参りの為、少年時代を過ごした田舎に帰る



久しぶりに訪れた故郷。


沙華の姉、「なのは」との再会





しかしなのはは、忘れられない筈の人物を、何故か覚えていない



そして突如、見知らぬ世界に足を踏み入れる詰草……






という王道心霊ストーリー










地の文が一人称ではなく三人称で、見出しなどもあり、小説に近い文体。京極夏彦や夢枕獏っぽいテイストだ



テキストは縦書きで、随所にページを捲る音も入る。こういう演出は好き





背景は実写で、田舎の雰囲気がある










ジャンル:和風恋愛ホラーADV
脅かし要素はありません。ホラーと言っても雰囲気だけで、恋愛が強いです。





とあるが、怪奇と恋愛で半々くらいかな。


オカルティックな要素も強いです。バッドエンドの1つは、恋愛関係なくしっかり死亡します











恋愛物として見ると、詰草27歳に対し、沙華は死んだまま時が止まっているので、まだ幼い。(9〜10歳に見えるが、年齢は明言されていない)







大人の男性である詰草が、沙華の小さな体を抱くその危うさロリコン



汚れてしまった詰草と、純粋なままの沙華の対比がなんとも切なかった













そして、子供とは思えないほど人間が出来ている沙華……




自分と結ばれなくても、詰草が生者の世界で幸せになればそれでいいってのは……






これもう半分ぐう聖だろ








ヒロインが徹頭徹尾純粋な少女なので、ピュアな恋愛ストーリーを作るのに一役買っていた








大抵は「この川のように、君の心もピュアだったじゃねーかよ!」と言いたくなるくらい、ヤンデレ悪霊化してるからね






詰草はそんな彼女の真意を知り、自分の過去を悔やみ更生するんだけど、青年の成長物としてもなかなかよく出来てた









残念というか疑問なのは、ストーリーが完結したとは言い難い事。彼岸花の花言葉に再会があるらしいが、どうなんですかね…


未回収の伏線も残ってるし、続編を前提にしたEDにも見える…


だがここで終わりといえば、終わりなのだろう。たぶん











評価C+
65点



美点が多く見られる良作。おすすめです。


ヒロインは断然沙華派です。








しかしキャラクターの年齢が良く分からなかった。詰草27歳、なのは30歳…



沙華は詰草と同い年だろうから、「10年」って表現はおかしいような…



20年のほうが自然な気が


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