「KAN0N(カノン)」作者の新作(「うぐぅ」ではない)
都会に生きる社会人「詰草」は、幼馴染の女の子「沙華」のお墓参りの為、少年時代を過ごした田舎に帰る
久しぶりに訪れた故郷。
沙華の姉、「なのは」との再会
しかしなのはは、忘れられない筈の人物を、何故か覚えていない
そして突如、見知らぬ世界に足を踏み入れる詰草……
という王道心霊ストーリー
地の文が一人称ではなく三人称で、見出しなどもあり、小説に近い文体。京極夏彦や夢枕獏っぽいテイストだ
テキストは縦書きで、随所にページを捲る音も入る。こういう演出は好き
背景は実写で、田舎の雰囲気がある
ジャンル:和風恋愛ホラーADV
脅かし要素はありません。ホラーと言っても雰囲気だけで、恋愛が強いです。
とあるが、怪奇と恋愛で半々くらいかな。
オカルティックな要素も強いです。バッドエンドの1つは、恋愛関係なくしっかり死亡します
恋愛物として見ると、詰草27歳に対し、沙華は死んだまま時が止まっているので、まだ幼い。(9〜10歳に見えるが、年齢は明言されていない)
大人の男性である詰草が、沙華の小さな体を抱くその危うさ
汚れてしまった詰草と、純粋なままの沙華の対比がなんとも切なかった
そして、子供とは思えないほど人間が出来ている沙華……
自分と結ばれなくても、詰草が生者の世界で幸せになればそれでいいってのは……
これもう半分ぐう聖だろ
ヒロインが徹頭徹尾純粋な少女なので、ピュアな恋愛ストーリーを作るのに一役買っていた
大抵は「この川のように、君の心もピュアだったじゃねーかよ!」と言いたくなるくらい、ヤンデレ悪霊化してるからね
詰草はそんな彼女の真意を知り、自分の過去を悔やみ更生するんだけど、青年の成長物としてもなかなかよく出来てた
残念というか疑問なのは、ストーリーが完結したとは言い難い事。彼岸花の花言葉に再会があるらしいが、どうなんですかね…
未回収の伏線も残ってるし、続編を前提にしたEDにも見える…
だがここで終わりといえば、終わりなのだろう。たぶん
評価C+
65点
美点が多く見られる良作。おすすめです。
ヒロインは断然沙華派です。
しかしキャラクターの年齢が良く分からなかった。詰草27歳、なのは30歳…
沙華は詰草と同い年だろうから、「10年」って表現はおかしいような…
20年のほうが自然な気が
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