明日香は年上の大学生を薫さんと呼ぶが、薫もまた、小学生の女の子を明日香さんと呼ぶ奇妙な関係に発展する
薫はそんな明日香に対し、初対面にも関わらず正体不明の既視感やなつかしさを覚えるのだが…
![](https://www13.a8.net/0.gif?a8mat=2ZL29S+4784FM+2XB4+C7DWH)
![2shinda--sakanano--me.jpg](/katananana/file/undefined/2shinda--sakanano--me-thumbnail2.jpg)
▼まず、言うほどぱちくり瞬いてるか?という、死んだ魚のような目のヒロインを見た瞬間、直感的に面白そうだ!!と思ったのですが、正解でした
面白かった
こういう第一印象の惹き付ける力は、ジャンルや画力の良し悪し、その他の要素関係なく稀に感じるのですが(最近だと夜底奇劇・星空物語にも感じた)、今時CSでは絶対ありえない、かつ、同人ゲームとしても珍しい一作でした
▼そんな要因としては、やはりテキストが極めて文学、小説に近い文体で書かれていることでしょうね。
あかほりさとるの擬音の乱発に見られるような、よくあるラノベ表現も一切無い(と思って読み進めていたら、実際に、擬音表現に対してのセリフが出てきて驚いた)
最近のラノベとも違う
多くのゲームはラノベやアニメの脚本に寄せているので、今時、本作のように文章表現や心理描写、情景描写中心でシナリオを書きあげたゲームは滅多にないのでは。CSだと絶滅危惧種じゃないかな(恐らくライターはラノベより小説を読むタイプじゃないかと)
やはり堅苦しい文体なのでエンタメであるゲームとミスマッチだし、執筆にセンスが要るので、少ないんだよね
ましてやゲームを作る人はゲームが好きだから、必然的にゲーム的な文体になっていくしね
でも単に堅苦しいだけではなく、シモネタや脱力するようなシーンがあることもよかった
![1shinda--sakanano--me.jpg](/katananana/file/undefined/1shinda--sakanano--me-thumbnail2.jpg)
薫が女子大生の告白は断ったくせに、女子小学生に関係する夢を見て夢精するのもインパクトがあった
▼今時ありえないくらい古臭い(この場合、誉め言葉)絵や画面演出も素晴らしい。
エヴァリース・サガのようなレトロゲーム風の美麗グラフィックではなく、本当にレトロゲームそのもので、とても粗い
なんとファイルを全展開しても、5MBにすら満たない
知らない人に見せたら間違いなくこれスーファミじゃね?と言うでしょう。
かまいたちの夜とかの時代ですね…
背景画像も、加工された実写
かくいう私も、この画面の印象からは不釣り合いなTwitter、防犯ブザーという今風のワードが出てくるまで、ふとスーファミのゲーム(90年代)をやってる錯覚に陥ってしまった
あれ?これスーファミじゃなかったっけ?って
▼読了しても、ストーリーは得体が知れない感じで、登場人物は誰一人として実態がつかめない。
個人的に解釈はあるが(本作に元ネタがあった場合は、また別だけど)、それが正しいのか、そもそも答えが用意されたストーリーなのか、または作者の頭の中だけで完結したストーリーなのか、それも得体が知れない
前述した、私が強烈な第一印象を受ける作品の謎と同じかもしれません
ラストシーンもかなり唐突に終わるので、終わったことに気づかないプレイヤーも出るんじゃないかな。
![](https://www16.a8.net/0.gif?a8mat=2ZL29S+4784FM+2XB4+BYLJL)
評価C+
60点
売れ線からは大きく外れ相当にプレイヤーを選ぶゲームですが、今時珍しい一作なので、ワンプレイの価値ありじゃないかと。個人的にはお気に入り
音楽までスーファミチックな曲を自作しているのも良かったです。
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