池袋。壬生。
「なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。」の看板の店。西口。劇場通り。12色のクレヨンの向かいぐらい。何だかんだ言って定着した。「カレーは飲み物。」の看板と少し通じる。
だいぶ前に一度来た。その時はちょっとバランスが今一だなと思った。
醤油とラー油の相性はいい。餃子のタレはみんなが知っている通り。
昔、スーパーの市販のうどん(つゆ付)に福しんで買ってきた麻婆豆腐を入れてみた事がある。
驚くほど、うまいものができあがった。
麻婆うどん、最高にうまい。なぜ、その辺の店でやらないのか不思議なぐらい。
このアイディアをどこかにいかせられないものか、自分で店をやろうかとも少し思ったぐらい。
という事で、そばにラー油を入れたら、まぁまぁおいしいものになるだろうと自分は思っていて、壬生に来たら、自分のイメージとは少し違った。
そのうち、もう一回ぐらい行ってもいいと思っている間に、何だか、いつも混んでいる店になり、だいぶたつ。
今日は開店時間ちょうどに近くにいたので列もない。入ってみる。
鶏そば。790円。サイズは小。小・中・大とも同じ金額。
そば。大量の海苔とネギとゴマがかかっている。
つゆ。天かすを入れた後。
食べてみる。
海苔とネギとゴマはあぁ、こうだったなぁと思い出す。
つゆはもちろんラー油入り。
最初に来た時、自分でイメージしていたものより、わりと大盤振る舞いでラー油が入っていた。ラー油が濃い。これが最初に来た時アンバランスに思ったところ。
そばは意外にそばの味がする。その辺のがんばっていないそば屋だと、ともすると単なる麺に成り下がる事があるが、壬生は一応そば。これがうどんやそうめんだとちょっと違う。ラー油のそばというコンセプトは意外にしっかりしているのか揺るぎない。
海苔とネギとゴマが、そばとつゆに対して自己アピールしてくる。けっこう存在感が強い。
この辺がやはり、おかしなバランスだなとか思う。
そばとつゆの世界ではなく、海苔とネギとゴマがワイワイしている。
伝統的なストイックなそばの世界より、何でもありでどんどんトッピングが増えたラーメンの愉快な世界に近い。
つゆは昔より少し微調整されたかな。前ほど、バランスが悪いとは思わない。あるいは自分が慣れたか。こういうものだとわかっていたからか。いや、でも、少し改良されていると思う。
最初に食べた時、それと今日2回めに食べた時も何か、いろいろ考えてしまうが、これはこれでありだな。
最後にそば湯を入れて飲むと、素直においしいと思う。後味がいい。
大盛まで同じ値段なのはたくさん食べる人には魅力的だろう。つけ麺のノリだ。
よくある同じようなラーメン屋つけ麺屋に並ぶよりは壬生の方がいいと思う。味にオリジナリティがある分。
完成度はそれほどでもないと思う。工夫する余地は多々ある。
他店が独自のラー油のそばを作り上げる事もできると思う。やらないのは、やる気がないんだな。すた丼ほどマネする気が起きないんだ。本格的にはまだ。
ほんの少しマネしかけた店がちょろちょろあったが、コンビニで扱ったりしないと、まだ知名度は広がらない。幸か不幸か。
食べログで3.52。好きな人には価値のある店。絶対的な店かもしれない。
「池袋 そば」で今3位か。ちなみに1位は君塚で2位は嵯峨谷。両方好きだが、これが池袋のそばのベスト3というのは、まぁ、食べログだからだな。
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