2008年09月19日
8年連続200安打 イチロー「恐怖との闘い。メチャクチャしんどかった」
![](/gianst/file/61/bTcyNTA3OTLeMA.jpg)
これぞイチローの真骨頂という打球だった。8年連続200安打に王手をかけて迎えた8回先頭。ロ軍2番手の左腕メイヘイの2球目、スライダーは外角低めのボール球だったが、「体がヒットにできると感じた」とバットを当てた。
打球は遊撃手の前に転がった。「『ヒットになってしまう』って感じだった。超ファインプレーでアウトにしてくれないかな、でも無理だろうなと思いながら」俊足で一塁を駆け抜けると、塁審が両手を横に広げた。3回に右翼線二塁打、5回には左翼線に落ちる安打。日米通算300回目の“猛打賞”で、偉業達成を決めた。
電光スクリーンで記録が表示されると、1万3382人の観衆は拍手を送った。ヘルメットを掲げて控えめに声援に応えると、球場全体がスタンディングオベーションに包まれた。「僕の中では(観客の祝福は)サッと流れていくものだと思っていた。カンザスシティーは思い入れはないけど、ちょっと特別な場所になったかな」8年間で3度、200安打をロ軍戦で達成。2度目のカウフマン・スタジアムで、少しだけ感慨に浸った。
重圧を乗り越えた。「恐怖との闘い。メチャクチャしんどかった」メジャー史上2人目の選手となったが、記録達成は次の目標へのスタートを意味する。日米通算で張本勲の3085安打を超えるまで残り16本。「やるつもり。絶対に超えてやる、と思います。まずは(メジャー通算1800安打となる今季)208本だけど、年初に目標にしてきたので、次の段階はそこ」と改めて日本プロ野球記録を突破することを誓った。
会見の最後に「計算なんかないですよ」と言いながら、すでに青写真を描いている。「(残り)11試合で16本でしょ。毎日1本ずつ打ったとして、(そのうち)5試合で2本必要。簡単じゃないけど、十分に可能性はある」試合後、イチローは普段は1本に控えているビールを2本に増やした。最高のごほうびは、あと16本打つまで取っておく。
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