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公爵殿下の棚卸し

 ブートですが、(ここは素直に)嬉しい続編が出たコンピをご紹介します。
 Duke Recordsとその関連レーベルの音源からチョイスされたもので、タイトルにあるとおり、ソウルという切り口でコンパイルされたコンピレーションです。

 正規盤で、Dukeのレーベル・ストーリーものとか、似たような趣旨のコンピは出ていたでしょうか?
 CDでは、1枚もので、チャート・ヒットを集めたものがMCAから出ていましたが、本シリーズのようなものは、私は知りません。

 ディスクはCD-Rで、普通に聴ける音質のものが大半ですが、曲によっては、明らかに45sから起こしたのではと思われるスクラッチ・ノイズが聴こえるものがあります。

 Discによっては、そういった音源が続く箇所もあり、ストレスがたまることもあります。
 でも、本シリーズで初めて気づいた発見もあって、私にとっては刺激的なソフトです。

 シリーズは、先にVol.1〜Vol.3が出ていましたが、今回、Vol.4とVol.5の2枚がリリースされました。
 なるほど、Vol.3のブックレットを見ると、文末に"to be Continued"の文字があります。
 しかし、ブートでもあり、本当に続編が出たのは大きな驚きでした。


Duke Of Soul Vol.5

1. You Got Me (Sure Shot 5018)  Al Haskins & the Mastertones
2. Don't Kick The Teenager Around (Duke 596)  Eddie Wilson
3. You Made Me A Anybody's Woman (Back Beat 623) Jean Ellas
4. It's All Over (Sure Shot 5013) Bobby Williams
5. I Saw You Last Night (Duke 399) Clarence Green & Rhythmaires
6. (Gimme Back) My Love (Duke 451) Paulette Parker
7. When You Love Someone (Peacock 1933) Reuben & the Chains
8. Competition Aint Nothin' (Back Beat 588) Little Carl Carlton
9. Sting Me Baby (Duke 475) Jo Ann Garrett
10. Stroke My Yoke (Peacock 1961) Willie Tomlin
11. Mr. Independent (Back Beat 599) The Soul Twins
12. From Me (Back Beat 561) Tommy Williams
13. Come Let Me Love You (Peacock 1930) Jackie Verdell
14. When You Play (Sure Shot 5013) Bobby Williams
15. Somebody Better Come Here Quick (Duke 365) Clarence & Calvin
16. So Lonely (Since You've Been Gone) (Sure Shot 5036) Bobby Day
17. Don't Make Me Cry (Peacock 1929) Little Frankie Lee & the Saxtons
18. I Still Love You (Peacock 1958) Jean Stanback
19. I'm So Glad (Peacock 1937) Don Fletcher
20. Love Sick Blues (Back Beat 537) Joe Hinton
21. I Have To Laugh (Duke 356) Otis Rush
22. Don't You Know She's Alright (Sure Shot 5012) The Bell Brothers
23. I Won't Let That Chump Break Your Heart (Back Beat 627) Carl Carlton
24. (It Will Have To Do) Until The Real Thing Comes Along (Duke 423) Ernie K-Doe

 シリーズ全体の曲目をご紹介したいところですが、煩雑となるため、ここは代表して最新のVol.5の曲目を記載することに留めます。

 本稿では、本盤のみでなく、シリーズ全体の感想を記したいと思います。
 このシリーズを聴いて、私が驚いたこと、嬉しかったことがいくつかあります。

 まず、Melvin Carterが聴けたことです。
 O. V. Wrightの"Ace Of Spades"の一件で、日本のソウル・ファンの間では知られている人だと思います。
 (私は、"Ace Of Spade"は、O. V.盤よりも、Melvinのデモ盤の方がワイルドで好きです。)
 ライター、コンポーザーの側面の方が強いのでしょうか、名前のみ高く、音源はあまり見かけないの人なので、嬉しかったです。
 収録されているのは、以下の2曲です。

Tired Of Being Fooled By You  (Duke Of Soul Vol.1 - Peacock 1956)
Something Reminds Me (Duke Of Soul Vol.2 - Peacock 1934)

 次に、Otis Rushの"Homework"とそのB面の曲(これはレアでは?)が聴けたことです。
 私は、Rushの"Homework"がDuke録音であることさえ認識していませんでした。
 "Homework"は、J. Geils Bandの1stで知った曲で、大好きな曲です。
 Otis Rushのオリジナルは、ヴァンガード盤だと思い込んでいたのですが、何か全く別の曲と混同していたのかもしれません。
 Rushは、次の2曲が収録されています。

Homework (Duke Of Soul Vol.1 - Duke 356)
I Have To Laugh (Duke Of Soul Vol.5 - Duke 356)

 Rushは、Dukeからのリリースはこの2曲(シングル1枚)だけでしたが、実は少なくとも、もう2曲は未発表曲があるらしいので、今後に期待したいです。
 でも、編者の手持ちの45sシングルから音を起こしているのなら無理ですね。

 次に、Junior Parkerです。
 Vol.2収録の"Wait For Another Day"という曲は、初めて聴きました。
 もしや、未CD化曲ではないでしょうか?
 Junior Parkerは、次の2曲が収録されています。 

Wait For Another Day  (Duke Of Soul Vol.2 - Duke 413)
It's A Pity (Duke Of Soul Vol.3 - Duke 362)

 Jimmy Outlerも、1曲ですが入っていて嬉しかったです。
 私は、"Sir Records Story"で彼の歌唱を聴いて、すっかりファンになったくちです。

It's All Over (Duke Of Soul Vol.3 - Duke 396)



 そして、この間、英KentからFameのシングル集が出たばかりのClarence Carterは、Clarence & Calvin時代の音源の収録が嬉しいです。
 このあたりは、正規でもCD化されているのか、私は知りません。
 とにかく、私は初めて聴いたものばかりで、曲の良し悪しの前に、聴けたそのことに感激しました。
 とりわけ、C and C Boys名義のものが彼らの別名義の録音だと気づいて、嬉しさも倍増しました。
 意外な選曲もあります。
 以下のとおりです。

My Life (Duke Of Soul Vol.1 - Duke 379)  C and C Boys名義
It's All Over Now (Duke Of Soul Vol.3 - Duke 466)  C and C Boys名義 (曲はヴァレンティノスのあの曲)
I Like It  (Duke Of Soul Vol.4 - Duke 365) Clarence & Calvin名義
Somebody Better Come Here Quick (Duke Of Soul Vol.5 - Duke 365) Clarence & Calvin名義

 シリーズ5枚(全120曲)の中で、4曲も収録されているのは中々のものです。
 ちなみに、4曲以上収録されているアーティストは5組でした。(3曲以上だと9組)
 以下のとおりです。

 Ernie K-Doe  10曲
 Buddy Ace  5曲
 Reuben & the Chains  4曲
 Joe Hinton  4曲
 Clarence & Calvin (C and C Boys含む) 4曲

 このリストを見てどう感じられますか?

 Ernie K-Doeの10曲が飛びぬけていますよね。
 そもそも吹き込みの絶対数が多いのでしょうか。
 それとも、編者がErnie K-Doeを特に好んでいるのか?

 答えは分かりませんが、Ernie K-Doeって、ノベルティ・ソングだけの人ではなく、実はディープ・ソウルも歌える人なのでした。
 Vol.3収録の"I'm Sorry"などは、教会風の厚いコーラスをバックにスクリームするディープ・ソウル(ゴスペル・ブルース)です。

 Joe Hintonは、Willie Nelsonのカバー(「時の流れは早いもの」本シリーズ未収録)が有名ですが、Vol.5に収録されている、Hank Williamsの"Love Sick Blues"が珍品です。
 (これもカントリーのカバーですね)

 最後に、大物をチェックしておきましょう。
 Junior Parkerは触れましたので、Bobby BlandとO. V. Wrightの二人です。
 Bobby Blandは2曲です。

Yum Yum Tree (Duke Of Soul Vol.1 - Duke 466)
Call On Me (Duke Of Soul Vol.2 - Duke 360)

 もはや、安心安定の作品ですね。
 貫禄というほかないです。

 そして、O. V. Wrightも2曲です。

Love The Way You Love (Duke Of Soul Vol.1 - Back Beat 611)
Why Not Give Me A Chance (Duke Of Soul Vol.3 - Back Beat 607)

 このなかでは、レアではないですが、やはり"Why Not Give Me A Chance"が耳に残ります。
 これは、Willie Mitchell制作のHi録音ですね。
 どうも、レアなものを有り難がり気味ですが、やはりこの良さは突き抜けています。

 その他、何気に、無名人の中にも良質のディープがあって、また、弾けるノーザンがありまます。
 The Bell Brothers、The Soul Twinsなどは、良質のディープだと思いました。

 珍品では、Vol.4収録のLittle Frankie Lee & the Saxtonsが演奏する"Full Time Lover"って曲があるんですが、替え歌に近いレベルで、メロはまんま"Part Time Love"、雰囲気は"I Pity The Fool"という曲でした。
 
 他にも、歌詞の中にOtis Redding、Sam Cookeの名前が歌われている、Vol.1収録のBobby Conerlyの"A Whole Lot Of Soul Is Gone"が興味深かったです。

 ちなみに、Vol.5まで出た段階で、これまでJohnny Ace、Roscoe Gordonは未収録です。
 (余談ですが、Johnny Aceは、近々Fantastic Voyageから2枚組(半分は他人の伴奏)が出ます。)

 さて、このVol.5のブックレットの文末にも、これまで同様「つづく」の文字が記載されています。
 こうなったら、さらなる続編を期待しましょう。



I'm Sorry by Ernie K-Doe



My Life by C and C Boys




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