2011年06月12日
懐かしのアーケイディア
シンプルにかっこいいです。
ケイジャンをクロスオーバーさせて、ポップにした男、それがDoug Kershawではないでしょうか。
とりあえず、ケイジャンへの入門として最もとっつきやすい人だと思います。
このCDに収録されている曲の多くは、時にケイジャン・ロックであり、また、ケイジャン・カントリーと呼べるものでしょう。
1. Hey Mae (Kershaw, Kershaw)
2. It Takes All Day (To Get over Night) : Rusty & Doug (Kershaw)
3. Down South in New Orleans
4. Hold Me Tight (Nash)
5. Mendocino (D.Sahm)
6. Cash on Hand : Rusty & Doug
7. Mama and Papa Waltz
8. Juke Box Songs (T.Mclain)
9. Hipp Tie-O : Rusty & Doug
10. You Done Me Wrong
11. Bad Moon Rising (J.Fogerty)
12. Real Ole Cajun Me
13. Sweet Genevieve
14. The Rains Came (H.P.Meaux)
15. The Town's Romeo : Rusty & Doug
16. We'll Take Our Last Walk Tonight (D.Sahm)
17. Wichita Wildcat Man : Rusty & Doug
18. Louisiana Sun : Rusty & Doug
19. Mistakes by the Numbers : Rusty & Doug
20. The Sooner You Go I Can Cry : Rusty & Doug
21. Slow Cajun Waltz
とにかく、楽しいパーティー・ソングばかりです。
ほとんどが普通に英語で歌われているため、ともすればケイジャン音楽であることを意識せずに聴いてしまうほどです。
しかし、フランス語まじり(あるいはフレンチなまり)で泥臭く歌う曲、とりわけワルツやツー・ステップ調の曲などを聴くと、その実体がフォーク・ソングだということに、改めて気付かされます。
その代表は、"Mama and Papa Waltz"や、"Slow Cajun Waltz"のような曲で、私は即行でクリフトン・シェニエを連想しました。
ザディコとケイジャンは、コインの裏表でさえなく、全く同一のものと言ってしまいたいくらいです。
さて、本CDには、いくつか注目曲が収録されています。
私が聴く前から注目していた曲は、次のとおりです。
1. Hey Mae
5. Mendocino
11. Bad Moon Rising
14. The Rains Came
16. We'll Take Our Last Walk Tonight
まず、"Hey Mae"を聴きましょう。
ケイジャン・ロカビリーと呼びたいかっこいい曲です。
心なしか、Dougのボーカルがヒーカップ気味に聴こえます。
この曲は、Shakin' Stevensがカバーしており、私はそちらで親しんでいました。
原曲を聴くことが出来て嬉しいです。
Shakyのバージョンは、81年の2ndソロ、"This Ole House"のA面トップに収録されていました。
Shaky盤は、彼の出世作のスタートを飾るにふさわしい、勢いのある素晴らしいパフォーマンスが記録されていて聴きものです。
"Bad Moon Rising"は、もちろんCCRの名作ですね。
フィドルを前面に押し出したアレンジで、個性を強調しています。
古くからのJohn Fogerty推しの私としては、選曲されている段階で嬉しいです。
"Mendocino"、"The Rains Came"、"We'll Take Our Last Walk Tonight"は、いずれもDoug Sahmのレパートリーで、最も楽しみにしていた曲です。
なかでは、意識してケイジャン・アレンジを決めた"Mendocino"が珍品で、聴きものです。
そして、"The Rains Came"は、確かに名曲ですが、Heuy Meauxは配下のミュージシャンに軒並み吹き込ませているような気がします。
さて、全くノーマークで聴いて、とても驚いた曲があります。
それは、"Real Ole Cajun Me"と" Mistakes by the Numbers"の2曲です。
特に驚いたのは"Real Ole Cajun Me"で、これは歌詞は違いますが、メロディは、Doug Sahmの"Texas Me"そのものです。
"Texas Me"は、遠く離れた土地から、故郷サン・アントニオに想いを馳せる歌でした。
主人公は、時にサンフランシスコ湾を臨み、時に霧に煙るヴェニスの街にたたずみ、故郷を想います。
この曲のサビでは、"That Real Old Old Texas Me 〜"「ほんとに懐かしい 懐かしいテキサス」と謳われています。
"Real Ole Cajun Me"は、私にはよく聞き取れませんが、おそらくは、同じような歌詞なんじゃないでしょうか?
このCDをお持ちの方は、ぜひ"Texas Me"と聴き比べていただきたいです。
最後に、"Mistakes by the Numbers"にも触れたいと思います。
この曲は、タイトルを見たときから、ある程度予期していましたが、まさかまさかの"Heartaches by the Numbers"でした。
一般的な邦題は、「恋はつらいね」です。
ベタに言えば「失恋数え歌」でしょうか。
Ray Priceのヒット曲ですが、Buck Owensを始め、George Jonesなど多くの大物シンガーに歌われているカントリー・スタンダードです。
近年(?)では、Dwight Yoakam盤が広く知られています。
原曲は、"Heartahes Number one was 〜"、"Heartahes Number two was 〜"と数え歌になっています。
「一番目の心の痛みは〜、二番目の心の痛みは〜」と、辛い恋の想い出を語っていく歌です。
こちらも全体は聞き取れませんが、「最初の過ちは〜、二番目の過ちは〜」という歌なのでしょう。
これはもう、替え歌と言ってしまいたいです。
今回は、全く思いもしない楽しみを得ることが出来た1枚でした。
関連記事はこちら
孤高のフィドリン・マン
ジス・オール・ハウス
ケイジャンをクロスオーバーさせて、ポップにした男、それがDoug Kershawではないでしょうか。
とりあえず、ケイジャンへの入門として最もとっつきやすい人だと思います。
このCDに収録されている曲の多くは、時にケイジャン・ロックであり、また、ケイジャン・カントリーと呼べるものでしょう。
The Crazy Cajun Recordings
Doug Kershaw
Doug Kershaw
1. Hey Mae (Kershaw, Kershaw)
2. It Takes All Day (To Get over Night) : Rusty & Doug (Kershaw)
3. Down South in New Orleans
4. Hold Me Tight (Nash)
5. Mendocino (D.Sahm)
6. Cash on Hand : Rusty & Doug
7. Mama and Papa Waltz
8. Juke Box Songs (T.Mclain)
9. Hipp Tie-O : Rusty & Doug
10. You Done Me Wrong
11. Bad Moon Rising (J.Fogerty)
12. Real Ole Cajun Me
13. Sweet Genevieve
14. The Rains Came (H.P.Meaux)
15. The Town's Romeo : Rusty & Doug
16. We'll Take Our Last Walk Tonight (D.Sahm)
17. Wichita Wildcat Man : Rusty & Doug
18. Louisiana Sun : Rusty & Doug
19. Mistakes by the Numbers : Rusty & Doug
20. The Sooner You Go I Can Cry : Rusty & Doug
21. Slow Cajun Waltz
とにかく、楽しいパーティー・ソングばかりです。
ほとんどが普通に英語で歌われているため、ともすればケイジャン音楽であることを意識せずに聴いてしまうほどです。
しかし、フランス語まじり(あるいはフレンチなまり)で泥臭く歌う曲、とりわけワルツやツー・ステップ調の曲などを聴くと、その実体がフォーク・ソングだということに、改めて気付かされます。
その代表は、"Mama and Papa Waltz"や、"Slow Cajun Waltz"のような曲で、私は即行でクリフトン・シェニエを連想しました。
ザディコとケイジャンは、コインの裏表でさえなく、全く同一のものと言ってしまいたいくらいです。
さて、本CDには、いくつか注目曲が収録されています。
私が聴く前から注目していた曲は、次のとおりです。
1. Hey Mae
5. Mendocino
11. Bad Moon Rising
14. The Rains Came
16. We'll Take Our Last Walk Tonight
まず、"Hey Mae"を聴きましょう。
ケイジャン・ロカビリーと呼びたいかっこいい曲です。
心なしか、Dougのボーカルがヒーカップ気味に聴こえます。
この曲は、Shakin' Stevensがカバーしており、私はそちらで親しんでいました。
原曲を聴くことが出来て嬉しいです。
Shakyのバージョンは、81年の2ndソロ、"This Ole House"のA面トップに収録されていました。
Shaky盤は、彼の出世作のスタートを飾るにふさわしい、勢いのある素晴らしいパフォーマンスが記録されていて聴きものです。
"Bad Moon Rising"は、もちろんCCRの名作ですね。
フィドルを前面に押し出したアレンジで、個性を強調しています。
古くからのJohn Fogerty推しの私としては、選曲されている段階で嬉しいです。
"Mendocino"、"The Rains Came"、"We'll Take Our Last Walk Tonight"は、いずれもDoug Sahmのレパートリーで、最も楽しみにしていた曲です。
なかでは、意識してケイジャン・アレンジを決めた"Mendocino"が珍品で、聴きものです。
そして、"The Rains Came"は、確かに名曲ですが、Heuy Meauxは配下のミュージシャンに軒並み吹き込ませているような気がします。
さて、全くノーマークで聴いて、とても驚いた曲があります。
それは、"Real Ole Cajun Me"と" Mistakes by the Numbers"の2曲です。
特に驚いたのは"Real Ole Cajun Me"で、これは歌詞は違いますが、メロディは、Doug Sahmの"Texas Me"そのものです。
"Texas Me"は、遠く離れた土地から、故郷サン・アントニオに想いを馳せる歌でした。
主人公は、時にサンフランシスコ湾を臨み、時に霧に煙るヴェニスの街にたたずみ、故郷を想います。
この曲のサビでは、"That Real Old Old Texas Me 〜"「ほんとに懐かしい 懐かしいテキサス」と謳われています。
"Real Ole Cajun Me"は、私にはよく聞き取れませんが、おそらくは、同じような歌詞なんじゃないでしょうか?
このCDをお持ちの方は、ぜひ"Texas Me"と聴き比べていただきたいです。
最後に、"Mistakes by the Numbers"にも触れたいと思います。
この曲は、タイトルを見たときから、ある程度予期していましたが、まさかまさかの"Heartaches by the Numbers"でした。
一般的な邦題は、「恋はつらいね」です。
ベタに言えば「失恋数え歌」でしょうか。
Ray Priceのヒット曲ですが、Buck Owensを始め、George Jonesなど多くの大物シンガーに歌われているカントリー・スタンダードです。
近年(?)では、Dwight Yoakam盤が広く知られています。
原曲は、"Heartahes Number one was 〜"、"Heartahes Number two was 〜"と数え歌になっています。
「一番目の心の痛みは〜、二番目の心の痛みは〜」と、辛い恋の想い出を語っていく歌です。
こちらも全体は聞き取れませんが、「最初の過ちは〜、二番目の過ちは〜」という歌なのでしょう。
これはもう、替え歌と言ってしまいたいです。
今回は、全く思いもしない楽しみを得ることが出来た1枚でした。
Hey Maeです。
Shakin StevensのHey Maeです。
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