2011年01月28日
孤高のフィドリン・マン
探し物をしていると、思いがけず出てきた目的外のものが気になって、どうもに仕方がなくなるときがあります。
今回のアルバムもそんな1枚です。
私がこのアルバムを聴くのは、おそらく20数年ぶりだと思います。
![](/eltetti1/file/215/a2Vyc2hhdzEp9g.jpg)
Side 1
1. Cajun Baby : with Hank Williams Jr.
2. Louisiana
3. Jambalaya
4. I Wanna Hold You
5. Calling Baton Rouge
6. Toot Toot : with Fats Domino
Side 2
1. Boogie Queen
2. Just Like You
3. Louisiana Man
4. Mansion in Spain
5. Cajun Stripper
6. Fiddlin' Man
私は、ある頃からスワンプ・ポップが大好きになりました。
そして、ヴィンテージ期のそういった音源を、熱に浮かされたように追っかけていた時期がありました。
サウス・ルイジアナの音楽を追っていると、自然とザディコやケイジャンに行き着きます。
Doug Kershawも、たどり着くべくしてたどり着いた重要アーティストの一人でした。
DougとRustyによる兄弟デュオのヴィンテージ録音が第一の目的でしたが、勢いから、当時の最新のケイジャンにも関心を寄せていました。
このアルバムは、ダグ・カーショウの89年リリースのソロ・アルバムで、ゲストとして、ハンク・ウイリアムズ・ジュニアとファッツ・ドミノが参加しているという、なかなか興味深い内容になっています。
当時のことは、もう遠い記憶の彼方にあり、詳しいことは覚えていませんが、私がこのアルバムを入手しようとした第一の動機は、My Toot Tootの存在だったのだと思います。
My Toot Tootは、このアルバムにもToot Tootとして収録されていますが、当時、南部でちょっとしたムーブメントを起こしていた、新たな南部アンセムともいうべき曲でした。
50年代から活躍するザディコ奏者、ロッキン・シドニーのペンによる曲で、シドニー自身のヒット・バージョン(チープなピコピコ電子音サウンドの方です)を始め、多くのシンガーによって取り上げられた曲でした。
シングル・オンリーだったジョン・フォガティ盤は、昨年、センターフィールドの25周年記念盤のボーナス・トラックとして、目出度く収録されました。
ディープ・ソウルのデニース・ラセール盤もありました。
そして多分、レコーディングされていなくても、南部のそこかしこのクラブで演奏されていたのだと思います。
そう、丁度一時期のZ.Z.ヒルのDown Home Bluesのように。
私がそういった興味からこのアルバムにたどり着いた可能性は高いです。
今回久しぶりに聴いてみて、非常に聴きやすいアルバムだと感じました。
これは、伝統的なスタイルの匂いをしっかりと残しつつも、完全にコンテンポラリー・ケイジャン・ミュージックとでも呼びたくなる音楽です。
ロック世代のリスナーの耳にもすんなりと入ってくる、ポップで親しみやすいサウンドに仕上がっています。
ゲストの一人、ハンク・ウイリアムズ・ジュニアは、デビュー当時こそ、ナッシュビル・サウンドからスタートしましたが、次第にロックに傾斜して、ついにはサザン・ロックに限りなく接近した人でした。
彼のレパートリーには、レーナードのSweet Home Alabamaが何の違和感もなく存在していました。
また、ディッキー・ベッツとの親交も深かったようです。
サザン・ロックが衰退していったとき、カントリーのフィールドで受け入れていった土壌は、ハンク・ジュニアの当時の活動が、少なからず影響を与えていたのだと私は思っています。
さて、このアルバムですが、とてもポップで、若い聴き手を意識したサウンドづくりでありながら、一方では、ピュアな伝統的スタイルのバックボーンの重みを感じさせてくれる優れた1枚だと思います。
時代に合わせたように見せながら、深い芯の部分はゆるぎない、ある意味理想的なルーツ・ロックに仕上がっていると思います。
ここては、デイヴ・エドマンズもやったLouisiana Manの新録音も聴くことができます。
ダク・カーショウのボーカルは、青臭い鼻にかかったホンキーなスタイルではありません。
あえて、例えれば、ジョニー・キャッシュを何音か高くしたようなボーカル・スタイルです。
頑固で孤高、そういいたいです。
ロンサムな雰囲気もたまりません。
彼は自分でギターを爪弾き、フィドルを奏で、アコーディオンを弾いています。
ダンス・チューンでは、最高にうきうきとさせてくれ、フォーキーなバラードでは、しっとりと心に染みいるようなボーカルを聴かせてくれます。
私は、その後、ケイジャンよりもザディコへとより関心を移して言ったため、彼のその後を追うことはありませんでした。
しかし、久しぶりに聴いたカーショウの音楽は、外から帰宅したばかりの私の冷たい身体と、疲れた心を優しく癒してくれました。
入手当時はあまり重視していなかった、スローな曲も、今の私にはとてもしっくりきます。
私は最近、遠いふるさとへの郷愁を歌ったボーダー・ソングを好んで聴いています。
昔でいえば、カセット・テープに気になる曲を録りだめていったように、MP3プレーヤーにプレイリストを作っています。
このアルバムの中からも、何曲か加えたいなと思っています。
関係記事はこちら
John Fogerty
マイ・トゥー・トゥー
今回のアルバムもそんな1枚です。
私がこのアルバムを聴くのは、おそらく20数年ぶりだと思います。
![](/eltetti1/file/215/a2Vyc2hhdzEp9g.jpg)
Hot Diggidy Doug
Doug Kershaw
Doug Kershaw
Side 1
1. Cajun Baby : with Hank Williams Jr.
2. Louisiana
3. Jambalaya
4. I Wanna Hold You
5. Calling Baton Rouge
6. Toot Toot : with Fats Domino
Side 2
1. Boogie Queen
2. Just Like You
3. Louisiana Man
4. Mansion in Spain
5. Cajun Stripper
6. Fiddlin' Man
私は、ある頃からスワンプ・ポップが大好きになりました。
そして、ヴィンテージ期のそういった音源を、熱に浮かされたように追っかけていた時期がありました。
サウス・ルイジアナの音楽を追っていると、自然とザディコやケイジャンに行き着きます。
Doug Kershawも、たどり着くべくしてたどり着いた重要アーティストの一人でした。
DougとRustyによる兄弟デュオのヴィンテージ録音が第一の目的でしたが、勢いから、当時の最新のケイジャンにも関心を寄せていました。
このアルバムは、ダグ・カーショウの89年リリースのソロ・アルバムで、ゲストとして、ハンク・ウイリアムズ・ジュニアとファッツ・ドミノが参加しているという、なかなか興味深い内容になっています。
当時のことは、もう遠い記憶の彼方にあり、詳しいことは覚えていませんが、私がこのアルバムを入手しようとした第一の動機は、My Toot Tootの存在だったのだと思います。
My Toot Tootは、このアルバムにもToot Tootとして収録されていますが、当時、南部でちょっとしたムーブメントを起こしていた、新たな南部アンセムともいうべき曲でした。
50年代から活躍するザディコ奏者、ロッキン・シドニーのペンによる曲で、シドニー自身のヒット・バージョン(チープなピコピコ電子音サウンドの方です)を始め、多くのシンガーによって取り上げられた曲でした。
シングル・オンリーだったジョン・フォガティ盤は、昨年、センターフィールドの25周年記念盤のボーナス・トラックとして、目出度く収録されました。
ディープ・ソウルのデニース・ラセール盤もありました。
そして多分、レコーディングされていなくても、南部のそこかしこのクラブで演奏されていたのだと思います。
そう、丁度一時期のZ.Z.ヒルのDown Home Bluesのように。
私がそういった興味からこのアルバムにたどり着いた可能性は高いです。
今回久しぶりに聴いてみて、非常に聴きやすいアルバムだと感じました。
これは、伝統的なスタイルの匂いをしっかりと残しつつも、完全にコンテンポラリー・ケイジャン・ミュージックとでも呼びたくなる音楽です。
ロック世代のリスナーの耳にもすんなりと入ってくる、ポップで親しみやすいサウンドに仕上がっています。
ゲストの一人、ハンク・ウイリアムズ・ジュニアは、デビュー当時こそ、ナッシュビル・サウンドからスタートしましたが、次第にロックに傾斜して、ついにはサザン・ロックに限りなく接近した人でした。
彼のレパートリーには、レーナードのSweet Home Alabamaが何の違和感もなく存在していました。
また、ディッキー・ベッツとの親交も深かったようです。
サザン・ロックが衰退していったとき、カントリーのフィールドで受け入れていった土壌は、ハンク・ジュニアの当時の活動が、少なからず影響を与えていたのだと私は思っています。
さて、このアルバムですが、とてもポップで、若い聴き手を意識したサウンドづくりでありながら、一方では、ピュアな伝統的スタイルのバックボーンの重みを感じさせてくれる優れた1枚だと思います。
時代に合わせたように見せながら、深い芯の部分はゆるぎない、ある意味理想的なルーツ・ロックに仕上がっていると思います。
ここては、デイヴ・エドマンズもやったLouisiana Manの新録音も聴くことができます。
ダク・カーショウのボーカルは、青臭い鼻にかかったホンキーなスタイルではありません。
あえて、例えれば、ジョニー・キャッシュを何音か高くしたようなボーカル・スタイルです。
頑固で孤高、そういいたいです。
ロンサムな雰囲気もたまりません。
彼は自分でギターを爪弾き、フィドルを奏で、アコーディオンを弾いています。
ダンス・チューンでは、最高にうきうきとさせてくれ、フォーキーなバラードでは、しっとりと心に染みいるようなボーカルを聴かせてくれます。
私は、その後、ケイジャンよりもザディコへとより関心を移して言ったため、彼のその後を追うことはありませんでした。
しかし、久しぶりに聴いたカーショウの音楽は、外から帰宅したばかりの私の冷たい身体と、疲れた心を優しく癒してくれました。
入手当時はあまり重視していなかった、スローな曲も、今の私にはとてもしっくりきます。
私は最近、遠いふるさとへの郷愁を歌ったボーダー・ソングを好んで聴いています。
昔でいえば、カセット・テープに気になる曲を録りだめていったように、MP3プレーヤーにプレイリストを作っています。
このアルバムの中からも、何曲か加えたいなと思っています。
Louisiana Man (Live at Farm Aid 1986)
by Doug Kershaw
by Doug Kershaw
関係記事はこちら
John Fogerty
マイ・トゥー・トゥー
【ケイジャン、ザディコの最新記事】
投稿者:エル・テッチ|01:26|ケイジャン、ザディコ
この記事へのコメント