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バードからワームへ

 以前から欲しかったThe SpidersのCDを入手しました。
 本当は、Bear Familly盤が欲しかったのですが、(私にとっては)高価なため、こちらをチョイスしました。
 結果、届いたものは、どうもブートくさいです。


The Spiders Volume2

1. (True) You Don't Love Me
2. Witchcraft
3. You Played The Part
4. Is It True
5. How I Feel
6. That's The Way To My Heart
7. Goodbye
8. I'll Be Free
9. Don't Pity Me
10. Dear Mary
11. A-1 In My Heart
12. Without Love
13. Someday Bye And Bye
14. That's My Deaire
15. Better Be On My Way
16. Honey Bee
17. I'm Glad For Your Sake
18. Poor Boy
19. The Bells Are Ringing
20. I Miss You
21. Times
22. You're The One
23. Tennessee Slim

 アナログ時代のブートは、スクラッチ・ノイズが当たり前でしたが、CD時代になって、音の面ではオフィシャルとそん色ないことが普通です。
 しかし、ジャケットやリーフレットがお粗末なものがほとんどで、がっかりさせられます。
 この盤も収録曲に関するデータは一切記載されていません。

 スパイダーズは、私がリズム・アンド・ブルースを聴き始めたごく最初のころ、「ドゥワップ旋風」という日本盤LPで聴いたのが最初だと思います。

 これは、「アメリカを聴こう」という、ロックンロール、リズム・アンド・ブルースのシリーズの1枚で、ドゥワップのコンピレーションでした。

 スパイダーズは、ニューオリンズの黒人ボーカル・グループです。
 ロックンロールの時代になり、フランキー・ライモンらの成功を受けて、ドゥワップ・グループが雨後のタケノコのように出現しました。
 その多くは、北部の大都市から出たイメージが強いです。

 ドゥワップは、ストリート・コーナー・シンフォニーなどと呼ぶ人もいるように、最初は街角でグループを組んだティーンネイジャーたちが、アカペラでハモって街ゆく人々に披露していたのでしょう。
 その中の一部の幸運なグループだけが、レコードを作り世の中に出て行くことができました。

 少し前の、ベテランのプロ集団だけが活躍できた時代から、10代の若者が夢をつかめる時代が、つかの間やってきたかのようでした。
 ヒスパニック系の若者たちがレコードを吹き込み、リズム・アンド・ブルースのチャートに顔を出すようなったのも、このころからだと思います。

 さて、ドゥワップは、ルーツ・ミュージックの宝庫たる南部では、あまり成功したグループが見当たらないように思います。
 とりわけ、ニューオリンズではそういうイメージがあります。

 決して、ドゥワップが都会でだけ盛り上がっていた訳ではないと思います。
 当時は、ニューオリンズでも相当数のグループが存在したと思います。
 でも事実として、ナショナル・チャートに顔を出したグループは、わずかだったのではないでしょうか。

 ニューオリンズでは、このスパイダーズが代表的存在でしょう。
 というか、他に思いつきません。
 同じ南部でも、ナッシュビルあたりなら、まだいくつか頭に浮かぶグループがあるのですが…。

 このグループのリード・ホーカルは、後にソロとして独立したチャック・カーボです。
 サウンドとしては、アカペラではなく、プロの楽団が付いたしっかりとしたつくりです。
 また、グループ自体も、古い職人集団の匂いがします。
 ニューオリンズR&Bの素晴らしい伝統が、ここにも息づいていると思いました。

 グループの代表曲は、I Didn't Want To Do Itでしょう。
 私が初めて聴いた曲が、まさにその曲でした。
 いわゆるドリーミーなバラードではなくて、調子のよいリズム・ナンバーです。
 そういう予断で聴いているせいでしょうか、いかにもニューオリンズだなと感じてしまいます。

 しかし、このアルバムには、その代表曲が収録されていません。
 かわりに、それに次ぐヒットだと思われる、Witchcraftが入っています。
 また、I Didn't Want To Do Itのメロを再使用したような、Better Be On My Wayなんて曲もあります。

 スマイリー・ルイスのThe Bells Are Ringingなんてのもやっていて、その正体は明らかです。

 さて私が、代表曲を収録したVol.1ではなく、こちらのVol,2を先に入手したのには理由があります。
 それは、I'm Glad For Your Sakeが収録されていたからです。

 この曲は、ダグ・サームの愛唱歌のひとつで、マーキュリー時代に素晴らしいバージョンを吹き込んでいます。
 私はダグの元ネタを探すため、これまで、古いジャズのアンディ・カーク盤、ヒルビリーのカウボーイ・コーパス盤、アトランティック以前のレイ・チャールズ盤、ニューオリンズR&Bのジョー・ジョーンズ盤を聴いてきました。

 ここに、スパイダーズ盤が、新たに加わったわけです。
 ここでは、リード・ボーカルに絡んで、まさに「ドゥワッ、ドゥワッ」というコーラスのリフレンを聴くことが出来ます。

 私は、次はダイナ・ワシントン盤を入手したいなと考えています。



I Didn't Want To Do Itです。




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