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レット・ザ・グッド・タイムス・ロール

 先だって、Sunny and the Sunglowsを取り上げたとき、収録曲の1つTrick Bagという曲が気になりました。
 Earl Kingの曲だと思いましたが、作者クレジットがないため、原曲を聴き返して、間違いなく同曲だということを確認したくなったのです。 


Come On
The Complete Imperial Recordings
Earl King

1. Love Me Now
2. The Things That I Used to Do
3. Come On, Pts. 1 & 2
4. You're More to Me Than Gold
5. My Mother's Love [#]
6. Nervous Breakdown [#]
7. Come Along with Me [#]
8. You Better Know
9. Mama and Papa
10. It's Wrong [#]
11. Case of Love [#]
12. Trick Bag Listen
13. Always a First Time
14. Something Funny [#]
15. We Are Just Friends
16. Don't You Lose It
17. Don't Cry My Friend

 このアルバムは、60年代初期のインペリアル録音をリイシューしたもので、03年にリリースされました。
 この年は、アール・キングが69歳で天に召された年でした。

 私は、この前の米エイス時代の編集盤も持っていますが、米エイス時代の音源は比較的リイシューされているように思います。

 対して、インペリアル時代というのは、現在に至るまで、このアルバムに代わるようなリイシューは出ていないと思います。

 このアルバムも、もうあまり見かけませんので、熊家族さんあたりには、ここらで新しいインペリアル・コレクションをリリースしてほしいところです。

 さて、アール・キングは、ニューオリンズに生まれ、ゲイトマウス・ブラウンや、ギター・スリムの影響を受けてミュージシャンになった人です。 

 私は、なんとなくブルースマンという感じではなく、朴訥としたギターを弾く、リズム・アンド・ブルース・シンガーという印象を持っています。

 このインペリアル時代は、デイヴ・バーソロミューの楽団が伴奏を務めていて、ピアノはジェイムズ・ブッカーです。
 ヒューイ・スミスみたいなイントロで始まる曲がたくさんあって、嬉しくなってしまいます。

 アールのボーカルは、スモーキーかつ、何となくユーモア感覚を感じます。
 冷めていないチャック・ベリーという印象でしょうか。

 ゲイトマウスや、ギター・スリムの影響を受けたという意味では、ジョニー・ギター・ワトソンと少し立ち位置が似ています。
 まあ、あちらは、後年、スペース・ギターとか、ファンク・ブルースとかの路線に行ってしまいましたが…。
 ワトソンが、アール・キングのThose Lonely Lonely Nightsをカバーして、ヒットさせたのはよく知られています。
 
 ワトソンが、Hot Little Mamaとか、Too Tiredとか、Don't Touch Me, Babyとか、いかにもテキサス・アグレッシヴ・ギターのちんぴらという感じなのに対し、アールは、やはりニューオリンズR&Bマナーに乗った緩さを感じます。
 私はどちらも大好きです。

 このアルバム収録曲では、まずギター・スリムの名作、The Things That I Used To Doが聴けるのが嬉しいです。
 この曲には、ギター・スリムのワン・アンド・オンリーのギター・ソロがあって、これはもう、いじったりせずに、完全コピーしている人が好きです。
 アールのバージョンは、スリムの「あの感じ」をうまく再現していて私の好みです。
 欲を言えば、もっと硬質感があってもよいです。

 そして、やはり、Come Onは外せません。
 別名、Let The Good Times Rollです。

 このLet The Good Times Rollという題名を持つ曲はいくつかあって、40年代の大スター、ルイ・ジョーダンの名作を始め、男女デュオのシャーリー&リーの同名曲や、クラレンス・ガーロウのボン・トン・ルーラなども、全て別の曲ですが、内容は、Let The Good Times Rollというスイング感を歌っています。

 この曲の間奏のギター・ソロでは、一瞬、オーティス・ラッシュのAll Your Loveを連想させるフレーズが出てきます。
 でも偶然かも知れません。

 バラードでは、My Mothers Loveが素晴らしいです。
 この曲などは、いかにもスワンプ・ポップとか、ザディコでカバーされそうな曲です。
 アコーディオンが似合いそうな気がします。
 その割に、私はあまりカバー・バージョンを知りませんが。

 ソウル・ダンスっぽい、Mama & Papaも面白いです。
 ここでは、とぼけた感じの歌と、ペンペンはじいているギターの対比がいい感じです。
 この曲などは、リー・ドーシーあたりに歌わせたいところです。
 ちなみに、ドーシーは、Do Re Miというアールの曲をやっています。
 (私は、初めて聴いたとき、なんて中身のない曲なんだと思ったことを覚えています。)

 そして、Trick Bagは、一転してクールでファンキーなダンス・チューンです。
 これは、かなり先をいっているような感覚の曲になっています。
 アールのボーカルは、相変わらず茫洋な感じですが、リズムがクールにビートを刻んでいて、他の曲とは少し印象が違います。

 これらの曲が録音された、60年から63年ころは、ソウルの萌芽期でもありました。
 私は、まず北部からアーリー・ソウルの波が来て、以外にも南部は後を追ったと考えていますが、どうでしょう。

 でも、物事というものは、整然と順序だてて進むものでなく、いろんな出来事がからみあい、同時進行していくものだとも思いますので、やはり各地でそれぞれの必然性から発生していったというのが正解なのでしょう。



Come On by Earl King




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