ロシアの「1強」集権体制構築に尽力した策略家ウラジスラフ・スルコフ氏。
「プーチンのラスプーチン」として権勢を振るったが、2020年に失脚した。
長きに渡る「皇帝」との蜜月は国の形を如何変えたのか。
米中央情報局( CIA )の元工作担当官グレン・カール氏に聞く。
-----------スルコフ氏とはどんな人物なのか。
「スルコフ氏は1999年にロシア大統領府副長官に任命された。(帝政末期、皇帝の寵愛を受けた怪僧ラスプーチンの様に)翌2000年に大統領に就任したプーチン氏に重用される」
「その核心は『全権力を指導者へ』と言うものだ。権力をプーチン氏に集中させ様とした」
「だが、個人の権利を重んじる民主主義は西側の価値観に基づく政体だ。ロシアの伝統とは相容れない。
中世の農奴制に始まり、ロシアでは長らく、個人は国家に従属してきた」
「スルコフ氏はそうした歴史的土壌から生まれた伝統主義者だ。プーチン氏と同じく、西側の価値観は自分たちの伝統を破壊し、ロシアの偉大さを否定する『悪』だと考えた」
「スルコフ氏は政敵や反体制派の力を弱める為、国内の情報工作に乗り出した。」
「その手法は恐ろしい程オーウェル的だ。オーウェル的とは如何言う意味か。真実を操作する事によって国民の思考形成に影響を与え、空極的には心を支配する事を指す」
「この言葉は英国の作家ジョージ・オーウェルの『1984』に由来する。」
「嘘であっても、繰り返せば人は『真実』と受け取る様になる。ナチスの独裁者ヒトラーを見ても明らかだ。」
----------具体的に説明して欲しい。
「彼はメディアを統制した。各家庭のテレビ画面に(都合の悪い真実から国民の目を逸らす)『もう一つの事実』を映し出し、プーチン氏が世論を操る為の基盤作りに手を貸した」
「新たな技術も活用した。顔認証を始め、今や個人の行動をトラッキング(追跡)できる。何処にいるのか。
誰に電話したのか。何を買ったのか----------。誰にでもそうした経験がある筈だ」
「ロシアは国家的規模でこれをやった。(ソ連崩壊で)バラバラになった国を再び一つに束ねる為、真実を操作し、プーチン氏に都合の良い情報を作り替え、国中に撒き散らした」
「ロシアは工作大国だ。帝政時代から、情報操作に手を染めてきた。彼らは西側に憧れ、そして憎む。
(現代の皇帝)プーチン氏の下、西側の価値観が国内工作の標的となった」
CIA 元工作担当官 グレン・カール氏
愛媛新聞 レコンキスタの時代から
ジョージ・オーウェルの「1984」SF 小説はソ連を極めて正確に描いていたらしい。
オーウェルは、複数の ” 真実 ” を許容できる頭脳を「ダブルシンク(二重思考)」と呼んだらしい。
トランプ大統領の報道官、高官もそうらしい。
安倍氏もそうかも?。
安倍派議員もそうかも?。
「ポスト真実」の時代かも、危ない。