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2018年01月26日
大腸CTアカデミア Post-colonoscopy colorectal cancerの危険因子とは!?
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PubMedから、今日のつぶやき − 163 −
Belderbos TD, et al. Risk of post-colonoscopy colorectal cancer due to incomplete adenoma resection: A nationwide, population-based cohort study. United European Gastroenterol J 2017;5:440-447.
こんにちは。
それでは、Post-colonoscopy colorectal cancer
大腸内視鏡検査実施後の大腸癌(PCCRC)
の最新文献を見ていきます。
アブストラクトの紹介の続きです。
【結果】
対象者は10万7744名の患者。
平均年齢:63.4歳
男性:53.6%
PCCRCは1031名、0.96%にみられた。
発生頻度:1.88名/1000名/年
PCCRCが初回内視鏡で治療した部位と同じ大腸区分にみられたのは
323/133,519腺腫(0.24%)
発生頻度:0.56/1000病変/年
PCCRCが初回内視鏡で治療した部位と同じ大腸区分に
発生する危険因子
・初回治療病変が高度異型腺腫:ハザード比 2.54(95%信頼区間:1.99-3.25)
・初回治療病変が絨毛腺腫:ハザード比 2.63(95%信頼区間:1.79-3.87)
・初回治療病変が管状絨毛腺腫:ハザード比 1.80(95%信頼区間:1.43-2.27)
【結論】
PCCRCのうち約3分の1は初回治療時と同じ大腸区分で発生しており、
これらは初回治療が不完全であったと考えられ、
その頻度は4000腺腫に1つである。
初回治療時と同じ大腸区分に発生するPCCRCは
高度異型腺腫、絨毛腺腫、あるいは管状絨毛腺腫で起こりやすい。
【コメント】
10万人以上の内視鏡治療者を対象とした大規模な研究ですね。
貴重なデータだと思います。
ただ、PCCRC解析の限界として同部位にあるものを
不完全治療によるPCCRCとせざるを得ないところが苦しいです。
これは研究の欠点というわけではなく、
初回検査の再現性ができないというモダリティの
限界といえそうです。
Post-Imaging CRC(PICRC)では、初回の検査画像が
残っていれば振り返って詳細な検討ができますね。
覚えていますでしょうか?
以前ご紹介したPickhardtさんの論文
つぶやき24からご紹介したシリーズのように、
大腸CT検査では正常診断の確認を
1回目の画像データと2回目に指摘された病変の
画像データを並べて比較できるわけですね。
こうした研究というのが、各モダリティで
今後、増えてくると思います。
やっておしまいというのではなく、
振り返ってみて、どのような場合に
見落としが生じるのか、それを防ぐためにはどうすればよいのか
対策を講じる。
つまり、標準化をしていくということで
検査の品質管理を現実化していくわけです。
続きますね〜
それでは、また。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28507757
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
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