2014年04月12日
タイヤは、どの位の力加減で締め付ければいい?簡単なプロの締め付け方、教えます!
タイヤの付け替えなどの際に、タイヤの締め付けは、L字レンチやクロスレンチを使っていますか?それとも、トルクレンチを使っていますか?
L字レンチやクロスレンチであれば、当然、トルクレンチのように一定のトルクで締められないので、だいたいの力加減で締め付けると思いますが、プロの自動車整備士ともなると、L字レンチひとつで、ほぼ決まった一定のトルクにタイヤを締め付ける事ができます。
とはいえ、毎日の仕事では、安全上と作業の信頼性を重視するため、トルクレンチで正確に締め付けをしていますが、トルクレンチを使用しないで、ほぼ一定のトルクで締め付ける場合に、この方法が役立つと思います。
これは、いつも使っている一般的なL字レンチで、車載工具の中にも入っているものです。
どの位の力加減かは、日々の経験もありますが、プロのやり方はというと、一応、理論的に考えられた裏付けのようなものがあります。
それは、簡単な物理の計算で、単純な方法ですので、誰にでもマネできます。
まず、タイヤ締め付けの規定トルクですが、今の普通の車であれば、だいたいが105N・mで、このN・mという単位は少し前まではkg・cmという単位で表されていて、そちらの方がわかり易いので、kg・cmでいうと、1050kg・cmになります。
その1050kg・cmのトルクで、どうしたら手の力加減だけで、一定に締められるか、というと、簡単な計算で考えられます。
工具はL字レンチで締め付けるとして、L字レンチの長さは、一般に約30cmです。
その30cmの所に、35kgの力を掛けると、30×35=1050kg・cmと、なります。
つまりは、30cmのL字レンチの端部を握って、そこに35kg分の体重を掛ければ、1050kg・cmの締め付けトルクになる、という事です。
一般成人の平均体重は55kg位でしょうか。L字レンチに下向きにグっと力を掛ければ、35kg位は簡単に体重を掛けることはできます。
35kgを正確に掛けられるかというと、それは感覚的な部分になってしまい難しいかもしれませんが、レンチを握って、下向きに精一杯グっと力を掛けると、その位になります。
締め付けには、グっと、瞬発的な力でもよいので、簡単だと思います。
このことが頭に入っていれば、工具が変わっても、どの位の長さだから、どの位の力で締めればいいか、だいたい分かってきます。
また、レンチに足で乗っかって締め付けるような事をすれば、どれだけ締め付けすぎになるかが分かると思います。
ちなみに、実は工具も、このような事を考えて作られています。
タイヤの締め付けで、普通に力を入れてグっと締めた時に、ちょうどよく締まるように、工具の長さが決められているのです。それが、約30cmということになります。
この締め付けの考え方なら、だいたいの感覚的な適当な締め付けではなく、ほぼ一定に適度な締め付けができると思います。
それでも、やっぱり締め付けが心配な方や、もっと正確な締め付けトルクで締めたいという場合は、やはり、トルクレンチを使用して、確実な締め付けトルクで締め付けをしてもらえれば、と思います。
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