2022年06月10日
パペット版だと更に不穏 「劇場版 ムーミン谷の彗星」
穏やかなムーミン谷に一大事!?
ムーミン谷ではムーミン一家が穏やかな生活を送っています。この日もいつもと同じ平和な朝・・・のはずでした。しかし目覚めてみるとムーミン谷は灰色一色。家も湖も花さえも色を失っていました。愕然とするムーミンには何が何だかわかりません。そこに一人の哲学者が現れ理由を教えてくれました。
哲学者のジャコウネズミは「空から降って来る恐ろしい彗星の前触れだよ」と教えてくれます。それを聞いたムーミンと友人スニフは怖がります。そんな2人にムーミンパパ・ママは「おさびし山にある天文台に行ってみれば空の事がわかる」と話すのでした。2人は震えながらも勇気を出しておさびし山へ向かうのでした。
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原作通りのシュールさ
日本ではほんわか日常アニメととらえがちなムーミン。実際日中劇であり、子供向け小説が原作となりますが内容は大人向けな話が多いのです。そもそも執筆時期が1940年代で第2次世界大戦の真っ最中。戦争描写自体はないのですが、今作のような彗星や洪水などの自然災害を題材にした内容は多くあります。
原作と同じように常に不安と恐怖が近くにありました。「彗星が落ちてくる」不安だけでなく、常に何かした危険な目に合います。大きなトカゲにおそわれ、穴に落ち、崖から落ちて大ダコに襲われるという忙しい旅です。そんな忙しい旅なので、一人一人の考えに寄り添った描写はありません。ちょっとよくわからない会話も「そういうキャラ達」と受け入れていかないと、展開についていけなくなるシュールさはムーミン作品随一の出来です。これは本作と原作共に同じで、むしろ原作通りなので問題ありません。
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色々と語弊のあった「ムーミン谷の彗星」
この「彗星」に関して「核爆弾」の例えととらえ、「ムーミンは戦争の話」という話があったのでしょう。確かに不安で不穏で重苦しい作品です。恐らくになりますが、実際にそんな例えはしておらず単なる「ムーミンの勇敢な旅」作品です。これは最後まで見れば日常閑話だとわかりますので、不穏な空気に負けず最後まで観ておくべきです。
最近鑑賞するようになったパペットアニメーションですが、全体的にシュールで暗い作品に当たる事が多いです。全体的にキャラクターが可愛く温かい風貌なのに何故・・・。しかしムーミン達のマイペースによって癒されます。彗星が落ちてきそうな程近づいた時に「パパなら何とかしてくれるよ」と言ったのは名言。また色々な出来事も結局何だったのか?と思えるほどかる〜い終わり方なのでご安心下さい。
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