2022年06月27日
青春を応援する漫画 「陽あたり良好」
下宿に住む女子と男子
下宿を営む叔母の家から明条高校に通う岸本かすみ。そしてその下宿には同じ高校に通う4人の男子生徒も入居しています。全員が個性的で、高杉勇作は相手が誰でも一生懸命な姿を見ると応援してしまい、有山高志は食べる事が好きで大柄。男前だがスケベでのぞきが趣味の美樹本伸に全てが謎の小男相戸誠の4人です。
5人は明条高校で部活に恋に勉強にと高校生活を送っています。特に高杉勇作は他人を応援するために「応援団」に入部するために団長の依頼を受けます。アメリカに留学している恋人、村木克彦を一途に想う岸本かすみですが、そんな勇作の誰かを応援する姿や真っすぐな性格に少しずつ惹かれていきます。
陽あたり良好! 第3巻 小学館文庫 / あだち充 アダチミツル 【文庫】 価格:660円 |
あだちワールドは三角関係
この下宿「ひだまり」で愛憎劇が・・・そんな事はなく、非常にさわやかな三角関係です。しかしこれは下宿内ではなので、高校生活でも当然何角関係かが起こります。作品を通じていえば何角あるのかがわかりません。美樹本のスケベも有山の心優しさも絡んで、いいやつばっかりなのに恋愛に振り回されています。青春青春。
最初は関係者がバラバラの部活をしているのですが、とある事をきっかけに部員の少ない野球部に全員が入部し、女子生徒もマネージャーとして現れます。スポーツ・恋愛・青春・・・あだち充のシチュエーションが勢ぞろいしました。作品自体が1980年で登場人物の服装や行動も昭和40年代に沿っているのでしょう。熱い学生達でした。
価格:59,302円 |
若者への応援作
応援団・テニス部・サッカー部・ラグビー部・野球部が出てきますが、それはまさに青春の1ページ。学生の本分が「恋愛」だった時代の作品です。最初はかすみ視点で描かれた少女漫画(週刊少女コミックだしね)ですが、徐々に勇作視点の少年熱血漫画になっていきます。
男女両側の視点で魅せてくれるので感情移入しやすく出来ています。古き良き時代といいますか、登場人物が熱くて良い奴ばかりで安心感があります。残念なのは本作は週刊サンデーでタッチを連載するために終了させた点です。本当に中途半端で終わったのですが、これが面白くなってきたとこなので惜しいものでした。しかし本気で誰かに恋をする若者たちの姿は応援するしかありません。たまにはこんな時代あったよ、という作品を振り返るのも楽しいものです。
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