2021年12月27日
迷惑系ユーチュバーのやりすぎな件 「グッド・ネイバー」
度が行き過ぎた好奇心
2014年9月18日、イギリスで実験が行われます。それはイーサンという若者が「特定の方法によって無防備な人間に霊を信じさせる」という内容。また実験と称するため、物理的な妨害は禁止・6週間で終了・完全な事実のみを記録するという一応3つのルールを定めて行われます。
的になったのは近隣に住む高齢者ハロルド。ハロルドが留守の間に勝手に自宅に隠しカメラ、色々な装置を設置し人為的な怪奇現象を起こします。その時のハロルドの反応を撮影するという実験とは言えない悪戯でした。9月23日より悪趣味な悪戯が開始されますが、イーサンによるとハロルドはサイコパスで狂った老人。そして確かにハロルドには「秘密」があるのでした・・・
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警鐘作品
本作は実験というよりも「ユーチューバーになりたい若者」の暴走から始まった配信動画。実験の結果よりもイーサンにとっては動画サイトで人気者になる事の方が大事。ユーチューバーへの強い憧れからこのような悪戯を思いついたようで、他人の驚いた様を楽しむという非常に悪質な動画内容でした。
深く考えてみるとこの動画、私達も映画を通じて観て楽しんでしまっています。そしてイーサン動揺にハロルドの秘密に期待してしまう。もちろん「映画だから」という理由はあるのですが、しかしここに迷惑系ユーチューバーの魅力があります。つい見入ってしまう理由は映画だからなのか、それとも人の秘密を知りたいという人間の性悪な一面からなのか。
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自分勝手な思い込みが悲劇を起こす
ハロルドは狂気めいており、確かに興味に駆られます。イーサン自身もハロルドの秘密に近づくに連れて狂気を帯びていきます。観察者・被験者ともに狂気を帯びていくシーンは息を飲むほど。何があるのか?何があったのか?を隠しながら進んでいく様子が上手い!引き込まれました。
最後は後味悪く終える作品ですが、これも警鐘作品ならではの皮肉込みです。全体的な雰囲気が魅力の作品ですが、これはハロルドに漂う空気が感じさせるものです。俳優ジェームズ・カーンの持つ雰囲気は「単なる高齢者」ではありませんでした。60年代のアメリカ映画を支えたともいえる彼の名演技は、加齢とともにどんどん増していくようです。
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