先日、縁あって、
美肌室ソラさんへいってきました。
場所は原宿駅から数分の表参道近くなのですが…
原宿駅について早々、駅前のまるでお祭り騒ぎに右往左往。
あちらこちらからさまざまなリズムが聞こえてきて、逃げるように表参道へ。
キャットストリートからひとつ奥の道に入ると、ふぅとため息がこぼれて、
『こっちの坂道かな』
やっと自分の声が聞こえるようになりました。
あっちかな、こっちかなを繰り返しながら
たどり着いたのは、
まるで森の中の山小屋のような場所。
扉をひとつくぐっただけなのに、
さっきまでの原宿とはまるで異空間。
窓にゆれるこもれび
ふわっとただようあたたかい空気。
ずいぶんと遠くまでやってきたような気持ちになる。
ころころとした笑顔の舘山さんに向かえられて、まずはひといき。
すこしお話をしながら、体のカウンセリングを。
実はわたし、エステやマッサージなど行ったことがありません。
ちょっと敷居が高いような気がしていたのです。
それに、自分の体にお金をかけることに対しての引け目もすこし…
人様に己の身体を見せることにもなんだか…
と理由を並べたらきりがないかもしれません。
けれどもこれも縁。
今日だけは、自分に優しくしてみようと思い、やってきたのでした。
普段、映像や言葉の作品を発表していると、
そんなに自分を剥き出しにして恥ずかしいときはないの?
と聞かれたりするものですが、
なにも裸の自分を出しているわけではなく、
とあるひとつの側面をすくって、別のかたちにしているので、
裸ではなく、むしろこのままの自分よりは何かをまとっている状態だと思います。
なので…
身ぐるみを剥がすほうがよっぽど恥ずかしい!
歯医者さんに口の中を見られるのも恥ずかしいけど、裸を見られるほうがよっぽど!
全身ばりばりにこわばって緊張して、あらゆることを考えていました。
そのどれもが自分のこと。
自分の身体のことをこんなに考えたのは初めてじゃないか?と。
そうこうしている間に、
舘山さんは鼻歌でもくちづさむようにふわふわと私の体にふれていく。
その感覚はなんとも不思議でした。
最初はかたーい地面になっているよう。
そこにぱらぱらと雨が降り注いでいって、だんだんと湿ってやわらかくなっていく。
かと思ったらどんどん下に下にと沈んでいって、ざぶざぶと泥水に変わって。
気がつくと海に。
ごりっごりっとひっかかるのは誰かのオールではないかしら。
ときどきずぶりとひっかかって痛い。
波に連れられてどこまでいくのかな…
と思っている間に、眠ってしまいました。
気がつくと、外からばちばちと雨の音。
雨が降ってきたんだなあと思っているのだけど、なんだか自分の実体がまだ無くて、ゆめうつつ。
友達が、マッサージは自分のメンテナンスだと言っていたけど、
それはよくわかる。
体のあちこちに触れられて、
調子を確かめてもらっているかんじ。
ピアノの調律のようかも。
でも私は旅のようだなあと思いました。
と言っても観光ではなく、
感覚的な旅。
痛いとか冷たいとか暖かいとかぬるいとか気持ちいいとか。
今ことばにした感覚を、さらにざくざくと砕いて、もっと細かくして、曖昧にして、なんだろうこの感じ?と考える。
自分自身の言葉と感覚を洗いざらいひっくりかえして、
見つめて探して。
ふわふわ ドコドコ ぴりぴり
ゴゴガゴ
擬音語があっちこっち
私は詩人ではないなあ。
ぐるぐるしながら思ったり。
あっという間に時間がたっていて、ほんとうに驚きました。
一冊の本を読んでいたような気持ち。
いやいやプールで泳いだあとみたい。
運動したようにすっきりしているのに、体はとっても軽くてそれにもおどろいた。
誰かの手のひらが自分の体に触れるってすごいなあと改めて感じました。
からだどおしが、ぎゅぎゅっと握手すると、ちからが伝わってくるね。
顔色が明るくなった!
と舘山さんに言われて、鏡を見ると本当にすっきりしていた!
何枚か肌がくるんと剥けて、新しい肌になったかのような。
施術が終わって、
あとはゆっくりおしゃべり。
マッサージって本当に贅沢な時間なのだなあとしみじみ感じました。
自分の体や神経、精神と向き合って話をして。
ふわりと感覚の旅をして。
誰かの作品を鑑賞するときと似ている。
またもういちどやってみたいなあと思いました。
余談ですが、
ソラで働く万奈さんは、とあるバーで隣の席になって話したことがあります。
これは100%偶然なのですが、
ソラで再会したのでした。
こんなことってあるのー!?
とすっとんきょうに驚いてしまいました。
ソラ、不思議なところです。
内装もすごく素敵なところなので、ぜひおすすめです。
美肌室ソラそれにしてもいちばん驚いたのは翌日。
驚きの肌!
そして翌翌日のきょうも、
まだ肌がするっとしていて軽いのでした。
やったー。