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2022年03月06日

閉鎖された村 2



村の中を見回ってたけどやはりあの筒状の大きな建物が気になる。
なのでご飯の時に入らして貰えないか聞いてみようと思った。
村には他の高台(登ったら辺りを見回せるようなの。鐘みたいなのついてた)があったり大きい平屋があったりいたって普通だ。
そしてご飯の時間になったのでみんなが集まるという集会所に行った。

集会所はかなり広くて宴会場みたいな部屋に5〜60人ちょいはいたと思う。
村長さんに「この村に新しく住む事になったAさん。まだ若いしこの村の重要な役割を果たしてくれると思うから仲良くするように」と紹介された。内心「いやいや住むなんて一言も言うてへんからwww」とか思ってたけどまあええわ的な感じで軽く考えてた。
そして乾杯してご飯を食べた。
俺はタイジさんを探す事にした。

宴会場でご飯を食べながらタイジさんを探してたら(顔はわからないからタイジさんて人がいないか聞いてまわった)見つかったので話した。
ユージ君からはタイジは身長174pでガタイのいいイケメンって聞いてたけど実際見たらガタイがいいところかガリッガリでイケメンというか歳の割りにかなり老けてた。
「どんだけ苦労してんねんwwww」ってツッコミたくなるくらいに老けてた。

「タイジさんですか?」
「えっ!?あぁ…」
「ユージ君の後輩というか教習所の合宿で仲良くさせてもらったんですけど。ここってどんな村なんですか?」
「えっ!?いや…うん…あ、あれやね、どんな村?どんな村かな(苦笑い)」

どもったりしてて「この人かなりのコミュ障かよ…」とか思った。
んで話しようとしたら若い女の子(言うて俺と同じかちょい上ぐらい)が酒持ってきて飲もうと言われたので結局話できずに終わった(その女がまたブッサイクで…)。
で、ご飯が終わりそれぞれが帰る支度してる時にタイジさんが来て耳元で「話したいんなら家に着いてから適当に理由をつけて灯台まで出てきて」と言われた。

一旦泊まらしてもらう所に行き、そこから灯台(灯台というより村を見回せる高台?)に行った。
高台に登ったら少しスペースがあって電球がそのスペースを照らしていた。

「遅くにごめんね。今日はちょうど登板でヒマだったし話するには調度いいかなって」

さっきとは全然違って落ち着いて喋れてた。

「いえいえこちらこそ夜にすみません↓↓ってかさっきとイメージ違いますね!?」
「さっきは村野火とがいたから…で、聞きたい事はなにかな?」
「ていうか当番ってなんなんですか?あとあの丸い筒状の建物はなんですか?」

とりあえず2つ質問した。

「当番はね…」

当番の話をしてくれた。
最初に書いたがここの村の掟は出ていかない事だ。
大人や老人はそれを受け入れてるが子供や青年はやはり外の世界を見てみたいと思ってしまうらしい。
なので幼い頃から「外の世界には馬頭(ばず)という化物がいて危ない」というふうに教え込むらしい。
それだけでは信憑性がないから村の者を高台で見張らせてこどもや青年に信じ込ませて外の世界に行きたくならないようにしてるらしい。

「なんか怖いですね…タイジさんは村から出ていきたくならないんですか!?」
「いや出ていきたいけどオカンがいるからなぁ…置いて出ていったら教育棟で酷い目に合うし」
「教育棟?」
「あぁ、君が気になってたあの筒状の建物の事やし」

次はその教育棟なるものについて話をしてくれた。

教育棟は地下1階から6階まであって円の外側に個室、そのまた外側に連絡があって中心部に全ての個室を覗ける部屋がある。
地下はなんのためにあるのか知らないらしい。

「なんの為に作られたんですか?」
「教育が行き届いていない子供とか大人を教育し直す為。まぁ教育というか調教というか…」

間違いなくカルト教団だと確信した。

「あと村から出ようとしたりしても入れられるから」

それを聞いた瞬間に背筋が凍りついた。

「君は一生ここで暮らす気なんてさらさらないんやろ?」

どう答えるか迷ったけど正直に答えた。すると

「逃げ出したいなら慎重にな。村の人は久しぶりに外から人が来て、永住させようと必死やから気をつけなバレるで。しかも夜中やと道わからんくなるし今からはキツいな」
「タイジさんはお母さんと2人で逃げ出そうとした事なかったんですか?」
「俺のオカンはこの村の教えにドップリやからな…昔に1人で逃げ出そうとした事あったよ。ユージに会って相談しようって。けどバレて連れ戻されて関係ないオカンまで一緒に教育棟入りになったわ。オカンと俺は別々の個室に入れられて24時間監視されて3ヶ月過ごした。懲罰ってやつで毎時間経典を声に出して読まされて、3階にある広間に連れていかれて経典を言わされる。覚えてなかったら競馬で使うムチとかデッキブラシで叩かれるんやし」

聞いてて本当の出来事か!?と思った。

「飯は1日1食だけ。それが朝か昼か夜かわからん。そんな感じかな…」

聞いててとんでもない所に来てしまったと深く後悔した。

俺はとある疑問ができたので聞くことにした。

「そんな事されてもタイジさんは染まらんかったんですね!?」
「俺は元々外に住んでたしオカンほど心が弱くなかったからなぁ。あの3ヶ月は地獄やった…それ以来ここで住むのが嫌で嫌で仕方なかった」

タイジさんがこんなガリガリになって老けたのはここでの暮らしが理由かなと思った。

「あと外で貧乏な暮らしをしてる家族とか連れてきて馴染めてなさそう、逃げ出しそうやってもブチ込まれるしな。うちはオカンがすぐ馴染んだから大丈夫やったけど」

こんな異常な世界を見たことがなかったから怖いを通り越して別の感覚だった。

「いくら村だけでやって行くっていうても限界あるんちゃいます!?」
「あぁ、月に1回代表が外に買いに行くよ」
「お金はどうするんですか!?」
「それの出所が俺もわからんのよなぁ…」

俺はお金の出所が気になって仕方なかった。

「そういえばもう1人俺とおなじふうに洗脳されていない子いてるからそいつなら知ってるかも…今から呼んできたろうか?」
「いいんですか!?」
「外から人が来たん久々やしええよ。ちょっと待ってて」

タイジさんは出かけて行った。

連れてきたのはタイジさんと同じ歳くらいの人で名前はアタルというらしい。

「いきなりすみません!!」
「いや、気にしなくていいよ。ていうかなんでこんなとこ来たの!?」

今までのいきさつを話した。

「よく来れたね!?俺なら絶対にねぇわ…」

アタルさんは幼い頃に親が借金をして夜逃げ的な感じでこの村に来たらしい。

アタルさんもお金の出所をしらなかった。

「けどおもしろい話ならしってるよ。教育長(教育棟の責任者であり懲罰とかする人らしい)の性癖とか地下に何があるとか」
「え!?お前知ってるならはよ言えよ〜!!」

アタルさんに話をしてもらう事になった。

教育長の性癖というかロリコンらしい。そして教育棟の地下はもともと荷物や備品置場だったのを教育長が村の幼い子供と性的な行為をするように改造したらしい。

「そもそも教育長は元からここにいる人間やないしね」
「マジで!?外からきたん?」
「うん、俺がここに来た時には既におったけどな。20年近く前に来たらしい」

そんな古くから村はあるんだなと思った。


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