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2022年03月07日

最高裁までいった珍事件まとめ



1)長い首事件
被害者Xの車と加害者Yの乗用車の追突事故。Xは首が長かったせいで顎が少し不安定だったため、頚椎の損傷などの後遺症を負った。Xはこの怪我を含めてYに損害賠償を請求。
これに対してYが、Xの怪我は彼の首が長いせいで拡大したものとして民法の規定に基づく減額を主張した。
最高裁は、他人より首が長い程度のことは賠償額の算定で考慮すべき疾患とは言えないとして加害者Yの主張を退けた。
損害賠償は通常基底しえない被害者の身体的・精神的な素因によって被害が拡大した阿合に減額される仕組みである。
例えば、本来は軽傷で済むような事故で被害者が難病を持っていたために死亡したというような場合、個人差の範囲内の身体的・精神的特徴では減額の対象にならないことが判示された。


2)余目町トルコハイワイ事件
Xは特殊浴場の個室付き浴場を営業しようと、山形県余目町で剣の建設確認を得て特殊浴場の建設を開始した。
それを知った周辺住民が反対運動を起こしたため、山形県と余目町はXの特殊浴場の営業を阻止すべく、トウズの風営法に注目。その結果、当時の風営法には公園の近辺で特殊浴場を営業してはいけない規定があったため、後から公園を設置することで特殊浴場の営業を阻止しようと考えた。そして余目町は建設中の特殊浴場の付近に小さな公園を建造し始めた。
Xは完成した特殊浴場の営業許可を申請すると、余目町は公園の完成を待ってからXの営業許可申請を受諾した。
Xは特殊浴場の営業を開始すると、風俗法違反で営業停止処分がなされ、更に起訴された。
最高裁は、この山形県と余目町の行為について「行政権の濫用」とし、Xに無罪を言い渡した。
現在、特殊浴場は潰れ、今は廃墟になっているが、公園はまだ存在している。


3)赤ちゃんあっせん事件
医師のXは違法な中絶を望む妊婦たちを説得して出産させ、生まれた赤ちゃんを子供のいない夫婦にあっせんし、実子として戸籍に登録できるように虚偽の出生証明書を作成するという行為を繰り返し、有罪判決を受けた。
このような事実を受け、県医師会はXについて妊娠中絶手術のできる医師としての撤回した。
これに対してXがこの撤回処分は根拠がなく違法だと主張して取り消しを求めた。
最高裁は、Xのあっせん行為の問題点などを考慮し、撤回処分は法律の直接の名文規定がなくともできると解すべきと原告Xの主張を退けた。
ちなみにXは犯罪と知りながらも、赤ちゃんを救いたい正義感であっせんを繰り返しており、大々的に報道され法律の改正が行われている。


4)主婦連ジュース事件
公正取引委員会は、果汁5%未満の飲料でも「ジュース」と表記できるとする規約について認定を行った。
「主婦連合会」はこのような規約は一般消費者に誤解を与えるので不適切と主張し、不服申し立てを起こした事件である。
最高裁は、一般消費者たる主婦連は「法律上保護された利益」をもつ審査請求資格者と言えないとして、主婦連の主張を退けた。


5)署名狂やら殺人前科事件
Xは衆議院選挙立候補者である。
Y新聞社はこのX候補について学歴詐称と経歴詐称の疑いを報道した。
候補者XはY新聞社に対して名誉及び信用毀損による損害賠償及び慰謝料を請求した・
最高裁は、民事起訴においても憲法の規定と並行的に捉え、事実の公益性・目的の公益性・事実の真実性の三つを要件として不法行為の成立の可否を判断すると解すべきとして、原告Xの主張を退けた。


6)城山ひめ神社御鎮座二千百年式年大祭奉賛会損害賠償事件
当時、白山市の視聴は、城山ひめ神社の式典事業を支援する団体の発足式に出席して謝辞を述べた。
その様子を見た住民Xがこれを憲法の政数分離原則違反であり違法な公金支出だとして、損害賠償を請求。
最高裁は、市長の行為はあくまでも一般の儀礼的な謝辞に過ぎず、憲法に違反するものではないとして原告Xの主張を退けた。


7)信玄公旗掛松事件
武田信玄が軍旗を掛けたという伝承のある古い松の木を所有していたXは、国鉄の線路沿いに立っており、松の木を通過する汽車の廃煙によって枯れてしまったと主張。
Xは個人で損害賠償を民事起訴で請求。
結果、いか公共性の高い鉄道事業とはいえ他人の権利を損害していて権利の濫用があるとして原告Xの主張を認めた。


8)エホバの証人剣道受講拒否事件
A高校の生徒であるXは、エホバ証人の「戦いを学ばず」の教えに基づき、必修科目である体育(剣道)の授業を拒否した。
Xは代替措置を講じてほしいとA高校に申し入れたが、却下された。Xはその結果、留年となった。翌年も同様の経緯で留年したため、A高校を退学処分になった。
そこでXはこの処分は信教の自由を奪うもので違憲だと主張して提訴。
最高裁は、A高校の処分を「社会疑念上著しく妥当を欠く処分」であり違法として原告Xの主張を認めた。


9)ゴールド免許起訴
Xは交通違法があったとして免許更新の際に優良運転手ではない、一般免許者として扱われた。Xは交通違反をしていないのでゴールド免許のはずだと主張して、更新処分の取り消しを求めて出訴した。
被告側は、一般免許だろうが免許の中身は同一であり、「訴えの利益」のないXには訴訟■がないと主張。
最高裁は、優良運転手(ゴールド免許)は独自の法律的地位を与えらているものだから「訴えの利益」を有するものとして原告Xの主張を認めた。


10)「ときめきメモリアル」メモリーカード事件
X会社は、恋愛シミュレーションゲーム「ときめきメモリアル」の改造セーブデータを販売していた。
これを受けて正規版「ときめきメモリアル」の発売元であるY会社は、X会社に対して著作権法違反を主張し損害賠償を請求した。
最高裁は、X会社は著作者の同一性保持権を侵害しているとして原告Yの主張を認めた・
恋愛シミュレーションゲーム「ときめきメモリアル」におけるゲーム内でのコマンドを選択した時のパラメータの変化の仕方には、勉学(文系・理系・芸術)、容姿の間、運動と容姿の間などに、それぞれ反対に影響し合う関係が設定されていて、特にストレスを除くパラメータ値すべてを一定値に上昇しなければならない「藤崎詩織」狙いの場合には、ジレンマに陥る仕様である。
実際ゲーム内で九つのパラメータ値を思い通りにコントロールすることは非常に困難であることから、X会社はY会社の恋愛シミュレーションゲーム「ときめきメモリアル」改造セーブデータを違法販売していたものと推測されている。
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