2022年10月02日
交換だから
交換だからとは洒落怖のひとつである。
【内容】
過疎ってるし、おばちゃんの昔話を語らせておくれ。
創作くさいし長文だし駄文でスレ違いかもしれないが、勝手に書いてくよ。
田舎は閉鎖的で人間関係がすごく陰湿。私は小学生のとき3回転校して4カ所の小学校に通った。ちなみに全部、田舎の小学校。全校生徒10人くらいなんてのはざらで、木造校舎だったり分校だったりした。
スーパーなんて車で1時間はかかるから移動販売車が来る。それも小学校のある中心部だけ。周りは田んぼと山だらけで少し歩けば、今でいうところの消滅危機集落。
集落は全員顔見知りで知らない人がくれば、あれはだれだとヒソヒソ話。よそ者には警戒心が強くて。なかなか本心を語らない。田舎ってそんなところ。
でもいいところがないわけじゃなかった。一度中に入ってしまえば、仲間意識が強いから困ったときは率先して助けてくれる。農業のやり方はお年寄り連中に聞くのが一番だし、シイタケの原木作り体験やわらじをあむのも面白かった。
遊ぶ場所は田んぼや山しかなかったけど、子どもが少ないから年上年下関係なくみんなで遊んだ。冒険ごっこやツツジの蜜を吸ったり、野イチゴ食べたり神社でかくれんぼしたり結構楽しかった。かれこれ30年以上前の昭和の話。
なぜ私がそんな田舎の小学校ばかり通っていたかというと、私の父は駐在所勤務の警察官だった。何人かの警察官が交代で待機しているのが交番で、駐在所は住居も兼ねているからそこに住みながら警察の仕事もできる。
田舎の方では、交番を作るほどの予算も人手もないから、駐在所に住みながら24時間お仕事をする。もちろん24時間というのは比喩ではなく、警察官が不在の場合でも来る人がいるから警察官の奥さんが対応することもある。私の母は元婦人警官で、そういう対応には慣れていたようだった。
また、なかなかそういう夫婦は少ないから重宝もされていたんだろう。駐在所周りを転々とした。おかげで小学生のときは、駐在所にしか住んだことがない。
ところで、田舎の事件はとても少ない。人口も少ないから事件の発生率も少ないのもあるが、田舎は内々で解決する風習がある。
例えば、お酒の席でケンカが起きたことがある。ケンカ自体は珍しくないのだけど、刃傷沙汰になってしまい父が呼ばれたことがある。
で、どうしたかといえばお酒が抜けたから大丈夫だといって帰された。母が本庁から人を呼ばないのか聞くと、私らで何とかするから駐在さんはいらんと、父は帰されたらしい。
その後、刃傷沙汰をおこした人は集落で見かけなくなった。まあ、そういう感じ。
じゃあ駐在さんは何をするんだといえば、主に集落以外の人が絡んだ事件で役に立つ。農作物の泥棒とか、山への不法侵入とか。
それ以外の事件のない日は何をしているのかというと、週に1回本庁に行く以外は、保育園で飼う野良兎を捕獲したり、一人暮らしのお年寄りの様子を見に行ったり…と集落のために働いていた。
そんな駐在さん(その子供を含む)の立ち位置は、ちょっと微妙で複雑でもある。
例えば、田舎の中にも山を切り崩して新興住宅地が出来る所もあった。そういうところは新規参入者と古参との間で軋轢ができる。
嫌同士、子供同士で仲たがいをして、新興住宅の子とは遊んじゃダメ!田舎の子とは遊んじゃダメ!というよく分からないルールができる。
そんな時、駐在さんはどちらとも関わるし話すけど、どちらにも居場所がない感じがする。
ないがしろにはされないけど、ここからは入っちゃダメという線引きが必ずある…という感じといえば分かりやすいだろうか。特に古参側。
上記の刃傷沙汰でもあったけど、集落の内々…の中に駐在さんは含まれていない。
駐在さんも長くて2年から3年くらいで人事異動になるし、大きな揉め事でもない限り集落のことは集落で…というスタンスがあった。表面上は良くしてくれるし、お互いになあなあな関係もあったと思う。
前置きが長くなったけど、これからする話はそんな田舎の話。閉鎖的で古い風習に縛られてた田舎の話。
小学校6年生のとき、私はある田舎の小学校に転校した。山に囲まれた見渡す限り田んぼだらけの正真正銘の田舎。その小学校は、1学年に20人くらいはいた。全校生徒で100人足らず。
私にとっては4番目の小学校になる。すっかり転校の達人になってた私は、教壇に立って自己紹介が終わり一番後ろの空いていた席に座ると、早速隣の席の女の子に話しかけた。
「〇〇といいます。よろしくね!」
話しかけた後で気付いたんだけど、その子は顔が大きくて、目が開いているのかどうか分からないぐらい細かった。大人になってから思い出すとダウン症みたいな顔というのが一番近い。
(ふさわしい表現かどうか分からないけど他に表現方法が見つからない。不快になられた方いたらがごめんなさい)
洋服はピンクのトレーナーなんだけど、全体的に薄汚れててグレーがかかったピンクになってた。ズボンは黒いジャージ。
子供心にも、ちょっと障害がある子なのかなと思った。でもその子はゆっくりとした声で「よ〜ろ〜し〜く〜」と返してきた。
話してみると、動作と会話が少し遅いけど、勉強は授業についてこれるくらい知能はあった。
担当の先生が授業中についてこれてるかどうか配慮するぐらいで、あとは他の子とあまり変わらないようだった。
目が細くていつもにこにこ笑っているように見えたし、動作はのんんびりした子だけど会話は成立するので、席も隣同士、女子同士で話す機会も多かった。この子をAとする。
交換だから 2へ
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