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2022年05月16日

危険な好奇心14


『このままだったら中年女に住所がバレて…』

俺は恐かった。
すると慎が

『…しばらくあの女に出くわさないように注意して‥』

と言いかけたが俺はすぐに

『もう無理だよ!淳の学年とクラスがバレてる時点ですぐに俺らもバレるに決まってる!』

と少し声を荒げた。

『でも、あの女、、、俺達に何かする気あるのかな』
俺『?』

慎が言いだした。

『だってこの前俺ら学校帰りにあの女に出会ったじゃん。もし何かするつもりならあの時でも良かった訳じゃん』
俺『…』

慎が続けて『それに山…もし俺らのこと許してないなら山に何らかの呪いと彫りとかあってもいーはずじゃん。』
俺『…』

たしかに。山に行った時、確かに新しい『俺達に対する』呪い的な物は無かった。秘密基地は壊されていたが…
新しい『女の子の釘刺し写真』はあったが、俺達‥まして、フルネームが、バレてる淳の『呪いの彫り』はなかった。
俺は内心『そーなのかな?』と反論したかったが、しなかった。
それは、慎の言うとうり実は俺達が思っている程『中年女』は俺達の事を怨んでいない、忘れかけている。と思いたかった。
慎はもう一度

『俺らを本気で怨んでいるなら何かの《アクション》を起こすはずだろ?』

と、まるで俺を安心さすかのように言った。
そして『学校の近くをウロついているのも、俺らを捜してるんぢゃなく《写真の女の子?》を捜している可能性もあるだろ?』

と言葉を続けた。

『そーか…』

俺はその慎の言葉を聞いて少し気持ちが楽になった感じがした。
と言うか慎の言った言葉を自分自身に言い聞かせ、自分自身を無理矢理納得させようとした。
それは【現実逃避】に近いかもしれない。
慎自身もそうだったのかも知れない。もう『中年女』から逃げる術が見つからず、言ったのかも知れない。
しかし、俺は、俺達は

『そーだよな!そのうち俺らのことなんて忘れよる!』
『もう忘れとるって!』
『なんだよチクショー!ビビって損した!』
『ほんま、あの女、泣かしたろか!』

と互い強がって見せた。ある意味やけくそに近かったかもしれない。

しばらくその場で慎と『中年女』の悪口など、談笑していた。辺りは薄暗くなり始め、俺達は帰宅することにした。
慎と別れる道に差し掛かって

『明日の帰り、淳の様子見に行こっか!』『おう!そやな!』

とお互い明るく振る舞って手を振り別れた。
俺の心は少し晴れやかになっていた。


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