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2021年11月30日

リゾートバイト(洒落怖) 2


さて、女将さんの行動と二階に何があるのだろうかと疑問を持った一行は、食事を持って二階に行き降りてきた女将さんを見届けた後、問題の場所に上がろうとしていた。


A「何があるんだ?上」
B「知らない。見に行く?」
A「ぶっちゃけ俺、今ちょーびびってるけど?」
B「俺もですけど?」
俺「とりあえず行ってみるべ」

そういって3人で2階に続く玄関のドアの前に行ったんだ。

A「鍵とか閉まってないの?」
というAの心配をよそに、俺がドアノブを回すと、すんなり開いた。

「カチャ」

ドアが数センチ開き、左端にいたBの位置からならかろうじて仲が見えるようになったとき、

B「うっ」

Bが顔を歪めて手で鼻をつまんだ。

A「どした?」
B「なんか臭くない?」

俺とAにはなにもわからなかったんだが、Bは激しく匂いに反応していた。



問題の臭いはすぐさま消えたのだが、とある違和感に気付く。
それは廊下が異様に狭く、人ひとり通れる程度の狭さで暗いといったものであった。少なくとも宿泊施設の二階には相応しくない場所といえるだろう。
突き当りにはドアがあるのだが、AとBが上がるのを躊躇しているのに対して書き手は好奇心が刺激され眠れなくなるタイプで、たとえ真夜中でも単独で行動してしまうらしく、狭い廊下を進んでいくのであった。


そんでソロソロと階段を上がりだす俺。
階段の中は、外から光が差し込み、薄暗い感じだった。
慎重に一段ずつ階段を昇り始めたが、途中から、

「パキっ…パキっ」

と音がするようになった。
何事かと思い、怖くなって後ろを振り返り、二人を確認する。
二人は音に気づいていないのか、じっとこちらを見て親指をたてる。「異常なし」の意味を込めて。
俺は微かに頷き、再度2階に向き直る。
古い家によくある、床の鳴る現象だと思い込んだ。



書き手は進んでいくうちに、パキパキとした音が激しくなり、何かを踏んでいる触感を自覚するようになる。
ドアのある突き当りに到着すると、Bが最初に述べていた強烈な悪臭が鼻を突く。その臭いは生ごみや下水といったものが入り混じったようなモノで、周囲を見回すと突き当りの踊り場にあったのは大量に積み重ねられた食料であった。
食料の腐敗が悪臭の原因となっていたのだが、あまりにも大量にあり、どうして今まで気づかないのが不思議なほどであった。


そして俺は、半狂乱の中、もうひとつあることを発見してしまう。
2階の突き当りのドアの淵には、べニア板みたいなのが無数の釘で打ち付けられていて、その上から大量のお札が貼られていたんだ。
さらに、打ち付けた釘に、なんか細長いロープが巻き付けられてて、くもの巣みたいになっていた。


お札を見たのは初めての書き手であるが、どう見てもそれはステッカーなどではなく本物のお札であると感想を抱いている。
明らかに何かを封印している部屋で、自分の行動は間違いだったと悟った書き手はさっさとこの場から立ち去ろうとしたときに、背後からガリガリと何かをひっかく音がする。
しかもそれだけではなく、ひゅーひゅーと不規則で不気味な呼吸音が聞こえ、その内に異変は激しくなり、背後やドアから聞こえていた音は突如頭上から聞こえるようになった。
しかも、一瞬だけ視界の片隅に何か動くものが見えたのだが、その正体はAとBであり「早く降りてこい」と催促する声である。

一目散にその場から逃亡した書き手は、AとBと共に安全な場所に移動して何があったのかを問い詰められるが、彼は何も答えることが出来なかった。

しかし、Aの質問である腐敗した食べ物が散乱する場所で「何を食べていたんだ」という質問を受けて、我が身を見返すと腐敗したものを食べていた痕跡がある。
二人の証言によると、突然床に屈みだして一心不乱に食べ始めたとの話であるが、書き手は勿論そのような行動をとった記憶などない。

Aが「何があったのか」を再び尋ね、喋り出すと二人は真剣になって聞いてくれた。
安堵感につ包まれる中、足の裏に違和感を覚え見てみると、そこにあったのは人間の爪であった。


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