2021年05月18日
ジャングルはいつもハレのちグゥ 2
保健室の外に通じる窓硝子に一瞬で現れたダマであるが、彼女に襲われたグライヴは学校中に聞こえる絶叫を響かせた。その絶叫は居眠りをしていたワジが、笑うことなく焦った様子で目を覚ますほどのものである(ちんちくりんステッキでの例外はありだが、ワジはいつも笑っている)。
教室にいたハレは「まさか」と思いながら、教室の皆と保健室に赴くとそこに広がった惨劇は死体のように白くなったボロボロの保険医と(元々白い)、ハート形に割れたガラスであった。
まるで猛獣にでも襲われたかのような室内の荒れっぷりに、ハレは現実逃避としてポクテにでも襲われたのかもしれないと僅かな可能性にすがる中、室内と保険医を襲った化け物の肉体(?)の一部であるアフロの断片が発見されることになる。
トポステは、恐らく保険医が抵抗として引きちぎったアフロの残骸を手にして、「まさか」という顔をしながら、驚異的な胸毛(ポクテを食べすぎると生える)を持つ己の祖父が襲ったのではないかと思案するのでもあるが、ハレはその様子を見てドン引き・青ざめながら「ダマよりもそっちの方が嫌だ」だと思うのであった。
ちなみにトポステの祖父・村長の胸毛は青年期、ある日を境に生え初め、彼いわく「いきなり女性にモテ出した」とアルバムを持ち出して語っているのであるが、ハレが思うに女性が面白がって近寄って来ただけでしかない。ちなみにその写真にダマの若かりし頃の姿だと思われるモノが混じっている。
さて、満身創痍に保険医を家に連れて帰るハレなのだが、ダマに襲われた彼の様子はマジモンのホラー映画を観た子供、もしくはビクビクと震える子犬のような有様となっていた。
保険医は知る由もないのだが、ハレが上機嫌なダマに「保健室で待っている」の言葉から暴走し、その勢いは止まらず暴走が爆走を重ねる結果となってダマの脳内ではとあるドラマが展開していたのである。
ダマの脳内いわく
ここに一つの平凡な幸せがあった。
ところが…そんな若い二人の幸せは長く続かなかった
戦争と言う現実が二人を引き離したのであった…
男は戦場へ
女は帰りを待つしかできなかった…
女は何年も待った…
そして男は無事帰って来たのであった
また平凡な幸せが二人に戻ると誰もが思っていた…
男は記憶喪失になっていた
女は必死に男の世話をした…
いつか いつか思い出すであろう二人の日々のために…
そして今
とうとうその時が二人に訪れたのであった…
といった感じの爆走した妄想がダマの脳内で繰り広げられているのであるが、絵柄は見苦しさを配慮してか、ベルバラ風になっている。
実は保険医の絶叫からすぐさまかけつけたハレたちが目撃したハート型に割れたガラスは「記憶が戻ったのねぇえええ!」との声で、謎の力で硝子は粉砕され、さながら貞子が井戸から自力で脱出できたかのように床を這いずり周りながら追いかけ、保険医を襲っていたのである。
場所と時は戻って保険医を保護したハレであるが、彼がビクビクと恐怖しながら縮こまっているのには何か理由があると察する間でもなく察したウェダはその真犯人を暴こうとした。
グゥがもったいぶった態度を見せた後、速攻でバラそうとしたのだがビールと引き換えにウェダはいなくなり、おじゃんになったのは言うまでもない。
酒と引き換えに捨てられたグライヴは弱音を吐くが、その姿を見ていられなくなった……もしくは良心の呵責を覚えたハレが解決策を見出すのである。
そもそも何故ダマがグライヴのことを最愛のおじいさんだと誤認しているのかに焦点を当てると、「白髪」が原因になっていることに気付く。
試しに既にかなり痛みまくった髪の毛を黒色にすると(保険医は元々黒髪)、ハレの家にダマが現れるのだが、乙女の如く切なげな溜め息を出しながら「おじいさんはどこに行ったのかしら」の一声でスタスタと去っていくのである。ちなみにアフロの一部が引きちぐられていたことから、村長が保険医を襲ったわけではないことがハッキリと明らかになった。
これであらゆるダマ騒動は終了したかと思いきや、その後の物語で白髪のウィッグを付けたおじいさんの変装による地獄の鬼ごっこ(女性は白髪を被ってもおじいさん認定はなされない。男性特攻)を境に、少なくとも『おじいさん』に纏わる暴走事件は鳴りを潜めている。
まさか初期の思い付きで出た一話のみのアイデアが最終巻間際になるまで続行されるものだと、誰が予想したであろうか。
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