2021年05月06日
進撃の巨人B
パラディ島の海辺近くで巨人にされる間際、フクロウから助けられる形でグリシャは何とか無知性の巨人にもならず、そうしてかつては仲間であった同胞にも捕食されることなく、巨人の能力で九つあるうちの『進撃』の能力を受け継ぐことになる。
能力の継承者はかつて、グリシャの妹であるフェイと共に許可なしに市街地に侵入したところを発見した保安官の二人の内の一人であり、彼に妹の分を含めた「制裁」を行いながら飛行船を見るように発言した人物である。
フクロウとグリシャの出会いはそれだけに留まらず、妹・フェイが野犬に食い殺され、己の愚かさを呪うグリシャの目を意味深な目で見ていた。
それまで大人になるまでグリシャとは出会うことはなかったのだが、パラディ島で仲間と妻が楽園送りにされる中、何故自分だけ生かしたのかと問う中、フクロウは自身を呪うグリシャの目を見て、自分との共通点があったと述べている。
フクロウは過去に革命軍の残党であった父親を(恐らく)生きたまま焼き殺されたのを戸棚の中から見ていた。その時にエルディアに対する憎しみの感情が生まれ、同胞マーレの拷問に徹することによって、諜報員として働く最中、これまで一度も疑われたことがないと述べる。
ただ、グリシャを生かしたのは知性のある九つの巨人の能力を得た人物は13年後に死亡すると述べている。
これがユミルの呪いである。
ちなみにこの13の数字は悪魔の数字というだけなく、進撃の巨人第一話の13ページ目で何故かページ数が入っている。
この13という数字は非常に進撃の巨人において非常に重要なものであり、一巻の13ページ目以外には数字の記入は入っていないだけではなく、始祖ユミルが巨人の能力を得るのが13ページ目で、死亡するのも更に13ページ目という徹底ぶりになっている(他にも話数だとか細かいネタ要素もあり)。
他の単庫本の13ページ目にはページ下に数字は記入されていない。
フクロウ曰く更にグリシャに向けていうのは、「この13年後に死亡するユミルの呪いがあればジーク(息子)やダイナ(妻)に始祖の巨人の能力継承を躊躇していたはずだ」と述べているのである。
そもそもグリシャがパラディ島に楽園送りにさせられたのは、劇的に世の中が高度発展していく中で、石油などの資源争いが苛烈化したからである。パラディ島には豊富な資源があると考えたマーレ側は有用な資源を求めていた。
軍事的な理由によりマーレがパラディ島をほしいままにしたいのは山々であるが、壁内の初代フリッツ王が80年前に言い残した言葉、
「今後我々に干渉するようなら
壁に潜む幾千万の巨人が地上のすべてを
平らにするだろう」
と宣言し、その言葉を未だに撤回していないからである。
軍事国として豊富な資源と、そうして始祖の巨人の力が必要なのはマーレとエルディアの双方であり、水面下での奪い合いが予想された。
エルディア側は始祖の巨人をマーレより先に手に入れるために、九つの巨人の器を持つマーレの戦士を募っていたのであったが、その条件は「五歳から七歳の健康な男女。そして極めて少数の優れた戦士」である。
この「戦士」という言葉は度々、「俺たちは兵士だろう」と人格の分裂が起きていたライナーが仲間を鼓舞する為に述べ、その都度にベルベルトは「戦士」と訂正していたのであるが、アニを含めた三名がグリシャ同様壁外の人物であったことを証明している。
なお、初期に謎の死(立体起動を装備していない)マルコ・ポットが左半分巨人に捕食され死亡しているが、これはアニ・ライナー・ベルベルト三人の秘密を知ってしまったからである。
なお、マルコの立体起動を外したのはアニであるが、実は彼女はコニーとサシャを身を挺して助けている。仲間の証明として行動を起こせと詰め寄られ、切羽詰まった表情で立体起動を外した。
最初期の進撃の巨人は二度目の超大型巨人が現れ再び壁が破壊されるのだが、無知性の巨人が襲う中、やたら同郷出身の三人は怪しげな会話をしている。
マルコが助けを求め捕食される場面を機に、ライナーの中で自由を求める「兵士」と、始祖の巨人の能力奪還を求める「戦士」の人格が分裂していくことになるのだが、ここでは割愛。
ベルベルトは超大型巨人、ライナーは鎧、そうしてアニは女型の巨人の能力を得ているように、グリシャとダイナの息子であるジークはマーレ側のスパイとして戦士にさせられ、その教育の中、エルディア人の誇りを教え続けるのであったが、それはグリシャの父親が「犬のようにご主人にこびへつらうのと同じ」ように、愚かな真似でしかなかった。
グリシャは息子がマーレの先鋭戦士になることに望みを託しつつも、その成績は芳しくなかった。
決して優秀じゃない息子の様子に、まるで「この子はダメな子だ」と言わんばかりの態度をありありと見せていたグリシャに対して、幼きジークは何とか成果を得ようと七つの頃、グリシャ夫婦をマーレ政府に密告しエルディア復権派の全員はパラディ島を永遠に彷徨う巨人になるかと思われた。
因みにそばかすの偽ユミルはマーレの国で始祖ユミルとして信仰され、その宗教活動が災いして楽園送りになった。
偽ユミルは顎の巨人の能力を持つ知性巨人であるが、それはライナー・ベルベルトの他にいた仲間の一人であるマルセル(巨人の骨髄注射済み)を捕食したことにより、理性を取り戻したのである。
巨人の骨髄注射はエレンの方にも関係しており、超大型巨人が壁を突き破った日、キース教官が傍観者としてグリシャの最後が語られる中で、幼きエレンに地下室の鍵とそうして巨人化の注射器、そうして『進撃の巨人』の能力が継承されることになる。グリシャは超大型巨人が壁をけ破ったその日の深夜に、行方不明ではなくすでに死亡していたのであった。
なお、どうしてグリシャが進撃だけでなく始祖の巨人の能力を持っているのかというと、ヒストリアの義姉の一家に接触して、始祖の巨人の力を奪ったからである。
ユミルの呪いに気付いたのはグリシャ日記発覚後であり、エレンの命の猶予は残り僅か八年ほど残されている。
ちなみにベルベルトの巨人化の能力を引き継いだアルミンはエレンと比べてまだ時間の猶予があるものの、ヒストリアの手の甲にキスをした際に記憶巡りでみた過去と未来、自由への渇望、時間の足りなさの双方が合わさって、他者から見れば理解しづらい存在になってしまった。
ミカサが嫌いだと発言したゆえ、一時期平成最悪の主人公の不名誉を得たエレンであるが、それはすべてを終わらせるため、始祖・ユミルを神などではなく一個の人間として開放するために、ほぼ人類が絶滅する地ならしを行った。
そうしてミカサに首を切り落とされたエレンであるが、ミカサのことは他に男が出来て欲しくないほど好いていることが判明し、嫌いだと述べた発言は全くの嘘だったと判明している。
エレンの墓は幼き頃、薪拾いをして居眠りをしていた一本の木の傍に作られており、一話13ページ目は始まりと終わりの始点であり終点でもある。
一話目の木の根元の裏側には墓標を現わす十字がこっそり刻まれており、エレンが涙を流したのも、ミカサの髪の長さを勘違いしたのも非常に大事な伏線で、注意すべきは進撃の巨人の物語はループものではない。
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