2020年12月07日
スネ夫
スネ夫とは言う間でも語る間でもなく、ドラえもんに登場するキャラクターである。ジャイアンの腰巾着で鼻持ちならぬ傲慢な性格をしており、自慢話が得意。かなり特徴的な髪型と、そうして「探していないことで有名」な固有BGMを有している。
なおこのBGMはやたら尊大にとアレンジされたり、「のび太の癖に生意気だぞ!」は作中きっての名言である。
まあ、明言つってもスネ夫自身特有の出木杉君にはない、ある種詩的な自慢話にのみ語っていこうと思う。
ところで宇宙の彼方に吹き飛ばしたバイバインによる栗饅頭問題は解決したのだろうか? 大昔に発表されたストーリーだが、声優が新しくなってもまだ宇宙に栗饅頭と思しき物体があったように散見されるのだが……。
【内容】
スネ夫の自慢話
昔のレコーダープレイヤーだよ。蓄音機というんだ。きみには分からないだろうな、こういう高尚な趣味は。ぼくの家みたいにさ、クルマとかクーラーとか電子レンジとか便利なものが何もかも揃っちゃうとさ、古臭い物がすごおく懐かしく感じられるんだ。のび太の家には古いものなんかないだろう。
恐れ多くも、その時代においてみハイテクノロジー(ドラえもん)を所持しているといっても過言ではないのび太に対して厚顔にも言い放ったセリフ。古臭い物が懐かしく感じられるとのことだが、少なくとも蓄音機は1800〜1900年代にて日本に上陸している。
開発当初はエジソンとのことであるが、蓄音機発明当初は机上の空論でしかなかった模様。ドラえもんの年代設定的に戦後の高度成長器(家電の神機)であることから、どう考えてもスネ夫が「懐かしく思う」といった思い入れはなく、鼻持ちならない自慢ぶった態度が目に余る。
ハワイですよ、ハワイ。夏休みを利用して行ってきたの。いやあ、よかったねえ。面白かったねえ。君たちは行けなくて可哀そうだ。せめて写真だけでも楽しみな。
「のび太残念だったなこれは三人乗りだ」に次ぐ、スネ夫独自の旅行などにおける自慢の言葉にして発端。
バブル初期か絶頂期と思わしき時代であるが、その当初いくら小金持ちの多かった親を持つ小学生とはいえどもハワイたる避暑地にいけるほど裕福な家庭はなかったもののように思われる。現代でも普通の子供がハワイに行けるかどうか言われれば、怪しいところだし。
切手マニアならこの程度の物を一つぐらい持ちたいものだねえ。ぼくのパパは骨董品のコレクション。ママは宝石。それぞれ道は違うけどうちの家族に共通しているのは、一級品しか相手にしないってことだね。
果たしてお前は本当に切符蒐集の趣味があるのかどうか、疑問を抱かずにはいられないセリフ。流暢にかたられる言葉には一種の含蓄があるようにも思われなくもないが、所詮小学生程度の浅知恵なのではないだろうかと思われる。
恐らくまとめ買いよろしく入手したものであり、自ら地方に赴きコツコツと集めたものではないのだろう。王冠マニアである筋金入りのコジロウを見習えコジロウを。
力強い汽笛!ピストンがゆっくりと動きだし、やがて巨大な鉄の塊が大地を揺るがせて驀進するんだ。SLは良かったなあ。でも、すっかり廃れちゃって日本ではあそこでしか乗れないんだ。君たちもお父様にお願いして連れて行ってもらったら? 駄目かもしれないけれど。
果たして小学生が蒸気機関車の何たるを理解しているかどうか不明で、受け入れ知識であることは甚だ否定できないが、SLの良さを語りつつもスネ夫独自の自慢へと発展していく、一種の語り部。どこか「トンネルを抜けたらそこは雪国だった」という、名文を彷彿とさせるのは気の所為だろうか?
というか作者の趣味を反映した言葉のようにしか思えない。
うちの庭って広いじゃない。木がいっぱい茂っているじゃない。だからガラス戸をあけると爽やかな風が緑のかおりを乗せて吹き抜けていくんだぜ。ゆっくりしていっていいよ。狭い家には帰りたくないだろう。
最後の「狭い家」がなければ、その場を彷彿とさせるような清涼感に満ち溢れたセリフであると同時に、スネ夫らしさが崩壊していない特にありがたくはない言葉。
突然札幌ラーメンが食べたいと言い出して…。思い立ったらすぐに実行するのが、うちの家族なんだ。さっそくジャンボジェットへ北海道へ。金曜日の夕方だよ。秋風は寒かったけど熱い熱いバターラ―メーンがうまかったこと!! あの美味さは言葉ではあらわせられないね!
純粋かつ単純に、即席モノで良いから味噌ラーメンが食べたくなるセリフである。なおスネ夫は公式設定として、言語における能力は頭ひとつ分抜き出ているとのことである。なお、札幌ラーメンの真実は……。
エレベータ―を降りるとそこはもう海の底だ。厚い硝子ばかりの展望室になっていて、窓の外を泳いでいく魚たちの夢のような美しさ。いや、この話はもうよそう。いくら口でも言っても無駄だ。海中公園のすばらしさは、行って観たものじゃないとわからないよ。
体感レベルで感じろというわりには自慢話が混じっている、スネ夫の性根が微塵たりとも隠せない証左。特に前半で感心させ、後半で崩壊させるようなありがたくも何ともない言葉は「正しくスネ夫」そのものといって良いだろう。
なお、スネ夫の自慢話や見せびらかしで多用されるセリフは「父(或いはいとこ)の知り合い」、「君らには無理だろうけど」、「三人だけ」といった具合である。
常に何かと仲間外れにされているのび太であるが、妙な小物臭さと、そうして小憎たらしいながらもスネ夫に憎めなさを与える印象は、自慢話がゲートオブバビロンした現代(?)のドラえもんであるが「親戚の親戚が芸能人」といった妙な「お前それ最早他人じゃろ」といったリアル感があるのかもしれない。
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