(2018年投稿記事です)
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現在中東ではシリア情勢に注目が集まり、トルコとシリアの軍事衝突の危険さえあります。
しかし、日本ではほとんど報道されていないもう一つの危機が進行中です。
トルコとギリシャが、全面戦争寸前の事態まで発展しているのをご存知でしょうか?
1970年代にも全面戦争の危機にあった、トルコ・ギリシャ関係をご紹介!
(前回記事):『海上自衛隊船務士として護衛艦勤務した1年4か月!』
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(1)トルコ・ギリシャ艦艇が海上で体当たり攻撃!
2018年2月にトルコとギリシャの沿岸警備隊艦艇が、かなりの小競り合いを起こしています。
艦艇を衝突寸前まで接近させたり、停泊中の警備艇に体当たりするなどかなりの事態が発生しています。
図1 衝突寸前の両国艦艇
引用URL:http://tn.smilevideo.jp/smile?i=32763679.L
図2 衝突する艦艇(トルコ海軍警備艇がぶつけた模様)
引用URL:https://lpt.c.yimg.jp/im_siggaXa36l_Z.uGOC.izJEePug---x400-y225-q90-exp3h-pril/amd/20180220-00010000-aptsushinv-000-thumb.jpg
(動画)
もはや偶然というより、狙って衝突に行っているような状況です。
かつての尖閣諸島中国船衝突事件以上の状態になっています。
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(2)なんでトルコ・ギリシャはこんなに仲が悪いのか?
トルコ・ギリシャ両国とも、NATO(北大西洋条約機構)に加盟する国です。
しかし、両国の険悪な仲は、100年以上の長期にわたる憎悪の歴史があります。
1832年にギリシャが当時の、オスマン帝国から独立したときから衝突が続いています。
図3 トルコとギリシャの領土関係
引用URL:http://wadaphoto.jp/kikou/images2/isutan73.jpg
トルコのすぐ近くの島までがギリシャ領土になっています。
1919年〜1922年までの希土戦争(きとせんそう)を経て、ローザンヌ条約にて現在のギリシャとトルコの領土が確定しています。
その後1974年には独立後もギリシャの影響力が強かったキプロスに、トルコ軍が侵攻する事態になっています。
当時は、ギリシャ・トルコの全面戦争突入も危惧されたほどです。
これほど、複雑怪奇な関係がギリシャ・トルコ間には存在します。
2.1 キプロス沖の天然資源をめぐるトルコ大統領の警告
2018年2月には、トルコのエルドアン大統領が、
『キプロス島沖でギリシャ側が天然ガスなどの一方的な採掘を行っている』
と非難をしてします。
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(3)中東・バルカン半島問題は、思わぬところから発火するかも?
現在、トルコはリシア内戦問題に介入するところまで来ています。
その一方でトルコとギリシャの国境を定めた、ローザンヌ条約の見直しを要求する発言をしています。
さらにキプロス問題で、天然資源を一方的に盗掘しているとギリシャを非難しています。
図4 キプロス沖の天然ガス採掘工区
引用URL:http://livedoor.blogimg.jp/hiroset/imgs/3/a/3a59344c-s.jpg
キプロスの天然資源をめぐる争いが、トルコ・ギリシャの争いを再燃させる可能性があります。
こうなると、中東・バルカン半島周辺を巻き込んだ争いに発展する可能性が出てきます。
3.1 ロシアの暗躍にも注意!
トルコがゴタゴタの状況になると、一番利益が出るのはロシアです。
ロシアにとってみれば、トルコは昔から非常に厄介な国です。
黒海から海軍艦隊を出動させるとき、トルコの海峡(ボスポラス・ダータルネス)を通過する必要があり海峡管理のモントール条約により、厳しく制限がされています。
黒海から地中海までの通航を確保できるのであれば、トルコへの圧力が必要です。
シリア内戦にてアサド政権軍を支援するのも、地中海の拠点確保のためです。
必要であればロシアは、トルコとの衝突も辞さないでしょう。
3.2 トルコ・ギリシャ・ロシア・シリア・アメリカの大バトルの可能性も?
現状では、まだトルコとギリシャの小競り合いに終始している状況です。
しかし、一歩間違えれば
・シリアでの全面衝突
・トルコ・ギリシャの全面戦争
・ロシア・アメリカの代理戦争
この3つが同時発生する可能性さえあります。
今後も、トルコ・ギリシャ情勢が見逃せない状況となります。
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