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2024年11月21日の夕方に、ロシアがICBM使用の速報が入り肝が冷えました。
通常弾頭(訓練弾頭?)により、軽微な被害で済んだようです。
図1 RS-26
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/553/DRI44.jpg
ロシアは中距離弾道弾(IRBM)と主張していますが、ほぼICBMでしょう。
問題は核のエスカレーションが進んで、核兵器使用のハードルが下がってしまったことです。
(前回記事):『拝啓内閣総理大臣閣下への懇願』
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(1)何を撃った?なぜここから?という疑問へ
ICBMが実戦で使用されるのは、史上初めてのことになります。
図2 SS-18
引用URL:https://missiledefenseadvocacy.org/wp-content/uploads/2015/11/ss-18-770x385@2x.jpg
戦略核を運ぶICBMの使用は、核戦争の勃発以外には無いと思っていました。
1.1 RS-26「ルベジ」が有力か?
各種専門家からの指摘で、発射されたのはRS-26「ルベジ」の可能性が高いと思われます。
図3 想像図
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/553/WAsOO.jpg
あくまで想像図として出回っているのは、3段式固体燃料ロケットです。
SS−27「シックルB」の小型版として、開発中でしたがあまり活発ではありませんでした。
弾薬不足で急遽試験機を、再生造して使用したのかもしれません。
1.2 「オレシニク」中距離弾道弾というロシアの主張
ロシアプーチン大統領は、11月21日午後に中距離弾道弾(IRBM)「オレシニク」を発射したと公表しました。
図4 アヴァンギャルド
引用URL:https://k-politika.ru/wp-content/uploads/2020/12/YS7LxIcKrJg-415x300.jpg
マッハ10以上の極超音速ミサイルとロシアは主張していますが、SS−19に搭載した「アヴァンギャルド」極超音速飛行体と誤認させる狙いかもしれません。
このときは、ICBMをベースに速度マッハ28以上としています。
ICBMはさすがにアメリカを刺激するので、IRBMとしてごまかすことにしたのかもしれません。
RS−26は、脱法ICBMなんて呼ばれるほど射程が短いものであり今後の報道が注目されます。
1.3 なぜアストラハン州から発射されたか?
今回ミサイル発射地点は、カスピ海沿岸のアストラハン州です。
図5 アストラハン州
引用URL:https://www.travel-zentech.jp/world/map/russia/image/Map_of_Astrakhan_in_European_Russia.png
近隣に固定ICBMミサイルサイトはない!という意見もあるようですが、重要な施設があります。
ロシア軍のミサイル射撃試験施設である、「キャプシン・ヤール」という施設があります。
(関連記事):『イスカンデルのデコイ機能がついに露見?!【軍事技術】』
図6 イスカンデル
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/816/ERe55.jpg
ここからであれば、いろんなミサイル部品を集めて発射することも可能です。
RS−26を保管して、発射できるようにしたのかもしれません。
ただ着弾地点のドニプロまで、直線距離約1000kmというのは留意すべきかもしれません。
中距離弾道弾(IRBM)にしては、短すぎるのでロフテッド軌道での発射かもしれません。
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(2)ポストINF条約時代の恐怖が現実に!
2019年にINF(中距離核戦力全廃)条約が、失効しました。
図7 条約調印
引用wiki
冷戦時代の核の恐怖が、こんなにも早く蘇ることになります。
2.1 日本・欧州を射程にしたSS-20セイバー
中距離弾道弾といわれても、北朝鮮のミサイルに慣れてしまってピンと来ないかもしれません。
図8 火星14
引用URL:https://i.namu.wiki/i/L-BFJEAErqYFJHo_U5m9RZ-eCZZylfCc47MH_ZmuejOEW3RKEN6kyLvwtKe3_jZro1tudb_pT2rUgNp6c_0UEA.webp
しかし冷戦時代は、日本もソ連のSS-20「セイバー」中距離核ミサイルの射程内でした。
図9 SS-20
引用URL:https://alternathistory.ru/wp-content/uploads/2024/06/0-SS-20-01.png
『ソ連の核はきれいな核兵器!』
そんなプロパガンダが日本で流され、隣国が核兵器を配備したことを正当化されていました。
(関連記事):『グロテスクな核弾頭のタワーだ!【軍事技術】』
あの時の恐怖が蘇ります。
2.2 有識者の警告は正鵠を得ていた。
2020年に発売された書物で、ポストINF条約時代への警告がされていました。
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RS-26についても、事実上のIRBMであることが小泉先生から指摘されていました。
もう一度、BMDを含めたミサイル防衛を考えるべきでしょう。
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(3)IRBM対策を急げ!
RS-26については、事実上のIRBMと判断すべきでしょう。
図10 イスカンデル核兵器
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Dpfo-EEW4AEs1F8?format=jpg&name=large
イスカンデルに続き、核弾頭搭載可能弾道ミサイルが使用されたことを重視すべきです。
(関連記事):『イスカンデルMに戦術核を搭載できるのか?』
もはや核使用は、寸前まで来ているとみるべきです。
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西側の経済制裁が強化された結果、修理に必要な部品が入手できなくなり旅客機エンジンなどが段々と動かなくなってきています。
ソ連崩壊で、高度な工業製品が自国製造から安い輸入品に頼ってきた結果がハイテク部品の不足につながったといえます。
また支度金の増加や借金免除など「本物の経済的徴兵制」が、ロシアで発生するとはなかなかドエライ世界が発生していますね。
(ロシアの平均年収の数倍が兵士の給与として支払われている)
欧米から借りパクした民間のエアバス機が、P&Wのエンジンが修理出来ないので空港で野晒しみたいなので、ローテクの弾薬等はどうにか生産できても、ハイテクのミサイルの生産は難しいかもと思ってしまいました。
あと、借金のチャラを餌に徴兵したりと、リアルカイジみたいな事を国がやり始めたりと、内実は相当疲弊していそうです。
そろそろロシアも巡航ミサイルなどのエンジン生産が、部品不足などで追いつかなくなってきているのかもしれません。
旧ソ連時代の備蓄を食いつぶしたら、ほんとに北朝鮮製ミサイルの時代になるかも?
ロシア軍の継戦能力に関しては巡航ミサイル向けのエンジンさえ生産が足りなくなってきたのでは?、との話まで出てきたそうで。
サンドボックスゲームでもあるまいしKh-101に一世代前のKh-55向けエンジンを積んで代替えするとか最早何が何やら……
https://defence-ua.com/news/pid_chas_udaru_17_listopada_rosijani_zastosuvali_h_101_z_dvigunami_vid_h_55_chim_pokazali_svoje_golovne_vrazlive_mistse-17213.html
>11月17日の攻撃中、ロシア軍はKh-101とKh-55エンジンを使用し、これが彼らの主な脆弱性を示した
ロシアの戦争継続力が薄れてきて、ICBMに頼ってくる状況になってきたと思います。
どうも大統領府が主導で政治的アピール優先のような気がします。
局地戦ではロシアが押している所もありますが、北朝鮮の参戦を受ける程度には、前線や兵站が疲弊しているようにも感じられます。
ICBMの発射を主導したのが、大統領府かロシア軍か情報機関かによっても評価が変わるような気がします。