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2020年10月10日の夜明け前に、北朝鮮にて党創設記念日の軍事パレートが実施されました。
異例の夜明け前開催となりましたが、いくつかの新ICBMなどが登場しています。
日本に対する脅威となる短距離弾道弾3種類も、そろって登場しています。
北朝鮮の中で、技術思想が変化し始めている証拠でしょうか?
(参考記事):『【軍事技術】電波妨害弾の後継かな?』
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(1)新型ICBMとSLBMと判断していいかな?
北朝鮮の2020年の軍事パレードにおいて、新型のICBMとSLBMが登場してきました。
新型SLBM登場は想定されていたけど、新型ICBM登場に驚きました。
1.1 火星16号となる?新型ICBM
今回の軍事パレードにおける目玉となるのが、全くの新型ICBMが登場したことです。
名称はどんな形になるかわかりませんが、「火星16号(Hwasong-16)」になるのでしょか?
図1 新型ICBM
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Ej96NZTWsAElx-7?format=png&name=small
対米戦用のICBMとして登場した、火星15号(KN-22)よりも大型のもようです。
TEL(装輪式発射装置)も11軸22輪と大型化しています。
最初見た感じでは、SS-18「サターン」に似ている感触がありました。
図2 SS-18
引用URL:http://militaryrussia.ru/i/284/579/ylH3p.jpg
ただ北朝鮮のICBMは、
@全長:24〜25m(推定)
A直径:2.8〜3m(推定)
B重量:約120トン(推定)
というところから、SS-18よりも小型です。
中国の長征2型(CZ-2)にも似ているようにも感じます。
図3 長征2型(CZ-2)
引用URL:https://space.skyrocket.de/img_lau/cz2c_sd_1.jpg
CZ-2の初期型、A〜Cタイプに外見が似ているものの完全一致という感じではありません。
少なくとも、火星15号(KN-22)より進歩したものと思われます。
1.2 新型SLBM北極星4号?
共に登場した新型ミサイルとして、北極星4号の記載がされたSLBMが登場しています。
2019年に発射された、北極星3号(KN-26)の改良型でしょうか?
図4 北極星4号?
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Ej91rriX0AYq5WF?format=jpg&name=4096x4096
ただ、弾頭部のシュラウドフェアリングが変更されているのと、2段推進方式に変更されている可能性がすでに、海外の専門家から指摘されています。
図5 北極星3型4型の関係
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Ej_sX9UXYAADvBw?format=jpg&name=large
新型潜水艦に搭載するため、全長を切り詰めた可能性があります。
軍事パレードの前に、SLBM発射の可能性も考えましたが今後発射実験となる可能性も大きくあります。
1.3 目立った大きな変化はなしといえる。
今回の軍事パレードでは、新型ICBM(火星16号?)のほかには、新登場といえるものがありませんでした。
北朝鮮のミサイル開発ラッシュは、ひと段落したと考えてみてもよいでしょう。
ただし、短距離弾道弾3種類については新しい情報が登場しています。
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(2)短距離弾道ミサイル(SRBM)3種類がそろい踏み
2019年から発射が相次いだ、短距離弾道ミサイル3種類もそろって登場しました。
いくつかの情報がパレードによってわかってきました。
2.1 KN-23はまだ実験段階か?
2019年に4回発射実験が行われ、世界に衝撃が走ったKN-23(イスカンデルもどき)についても軍事パレードに登場しました。
図6 KN-23
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Ej-taagXgAAZVsX?format=png&name=small
https://pbs.twimg.com/media/Ej-tfQQWkAA1U-U?format=png&name=small
KN-23については、2020年になってから発射実験が行われておらず生産が追い付いていない可能性も考えられました。
今回は、装輪式のKN-23と装軌車両のKN-23両方が登場しています。
装輪式のKN-23のほうが、オリジナルのイスカンデルミサイルに近い形です。
今回両方出てきたのは、2種類の発射装置を両方とも研究している可能性が強くなってきました。
ただ弾頭部については、2019年の軍事パレードと同様にダミーを搭載しているようです。
ミサイル本体の生産がまだ進んでおらず、実験段階である可能性も否定できません。
2.2 KN-24は実戦化完了か?
KN-23と共に衝撃を与えた、ATACMSもどきのKN-24について登場しました。
丁寧に、キャニスターの蓋を開けて行進しています。
図7 KN-24
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Ej-tkJAWoAIXPe1?format=png&name=small
正確な大きさなどを、これで計測することが可能でしょう。
こんな形で登場させたのは、もう実戦化が完了しているものと考えられます。
2.3 KN-25はバリエーションを見せた!
超大型放射砲などの名称であった。KN-25についてはいくつかのバリエーションを見せました。
軍事パレードには、4発搭載型と6発搭載型そして初登場の5発搭載型が並びました。
図8 KN-25
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Ej9sbfWWAAE4fYq?format=jpg&name=4096x4096
北朝鮮は、古くなったM1993MLRSなどをKN-25で更新することを考えているのかもしれません。
SRBM3種類を、パレードのためとはいえこれだけバリエーション豊かにそろえてくることは昔の北朝鮮とは違ってきていると考えるべきでしょう。
開発の根底にある、技術思想がここ10年ほどで旧ソ連・中国のコピーから脱却していると感じます。
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(3)新しい技術思想が流れ込む北朝鮮
確実に、北朝鮮には新しい技術思想が流れ込んでいるという確信は新型戦車によってもたらされました。
従来の技術思想では出てこないものです。
3.1 チーフテン?みたいな新型戦車
軍事パレードでは、その他の新型戦車や装備が登場しました。
特に新型戦車については、西側諸国の設計思想が根底にある装備になっています。
図9 新型戦車?
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Ej90V5AXsAAhYic?format=jpg&name=large
最初に見たときは、チーフテンかチャレンジャー戦車か?と思ったほどです。
イランが発表したZulfiqar-3のコピーと、主張する方もいるようです。
明らかに、西側設計思想が入った設計となっています。
以前の北朝鮮では考えられません。米国のM-1戦車に似てくるのですから。
3.2 確実に設計思想に変化が出ている。
北朝鮮の開発現場には、西側諸国の設計思想を柔軟に取り入れる考え方が浸透していると思われます。
以前なら体制批判とも受け取られる行為が、軍事パレードで発表するほど内部に浸透しているのです。
明らかに、北朝鮮の設計開発体制は変化を遂げています。
今後は、デッドコピーしかできない国という考え方を捨てて対処するべきでしょう!
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確かにTELについてあれだけたくさんの種類と数が北朝鮮国内で製造できているのか疑問が出てきます。
数年前に、TEL用のタイヤ製造工場が北朝鮮国内に完成していることは確認できているのですが、トラック工場の視察出てきていません。
車台について、中国の支援がまだ続いている可能性もあります。
中国からの輸入とも国産とも聞きます。
輸入の場合はミサイル開発への中国からの許可、支援とイコールに思います。
S-300のコピーについては、以前から存在するとは言われていましたが今回初めて公の場所に登場しました。
ストライカーMGSのコピーについては、本気で驚きました。
軽装甲機動車そっくりの新型車両については、これは本気でコピーされたかもしれませんね〜?
使えると思ってコピーされたかもしれません。
今回の夜明け前に実施した意義として、光学偵察衛星の監視などを試した可能性もあります。
また金正恩の指導者としての威厳を、夜明け前のパレードで演出しているのではないかと思われます。
今回登場したミサイルの中で、ホントに何が本物として実現しているか今後の確認が必要です。
ただ、今回なぜ暗い未明に? 謎ですw
自分の眼には、大型ミサイルも戦車も欺瞞(ハリボテ)のように感じられました。