(2015年投稿記事です。)
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みなさんは、2013年12月にあった、南スーダンでの国連平和維持活動における日韓のごたごたを覚えていますか?
国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)において起きた、全く変な騒ぎです。
現地に展開していた、韓国軍が銃弾提供の要請を行い、共用できる銃弾を保有する自衛隊部隊が銃弾を提供しましたが、その後日韓両国の政治問題になる妙な出来事でした。
今日は、その件についてしっかりと解説してみたいと思います。
(前回記事):『海上自衛隊ネットのコピペで出現!結婚式での大和逸話!!』
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(1)適切な判断をして要請をしていた韓国軍隊長
当時南スーダンに展開していた各国部隊は、以下のような配置でした。
図1 南スーダンでの部隊展開状況
引用URL:http://rpr.c.yimg.jp/im_siggl3RzB2ooNxKiIpvqNgXALw---x540-n1/amd/20131224-00030921-roupeiro-001-12-view.jpg
ここで、韓国軍やインド軍、ネパール軍が展開していた都市「ボル」周辺に反乱部隊約1000名が接近していました。
そのため、反乱軍に包囲される危険があり、部隊防御の必要性に迫られました。
ネパール軍やインド軍の歩兵中隊もいましたが、自隊でも防御体制の必要があります。
しかし韓国軍は工兵部隊であり、かつインド軍やネパール軍と違う武器体系でした。
防御態勢をとるには銃弾の備蓄に不安があったため、韓国軍部隊長は銃弾補給の要請を行いました。
この時UNMISS司令部に要請すると共に、韓国軍が使用する小銃などの銃弾で共用できる日本部隊にも要請がありました。
図2 南スーダン展開中の韓国軍
引用URL:http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-a3-f4/x_men_go_go/folder/791458/80/33393280/img_0
韓国の使用するK2小銃と共用できる銃弾を持つ部隊は、自衛隊のみでした。
他国部隊はAK系列の小銃でしたので、韓国部隊は冷静な判断をしていました。
また、約1万発というととんでもなく多量の数量に聞こえます。
しかし、小銃の弾倉(30連発)に込めると、270名の韓国部隊1名当たり2個程度です。
現地の韓国軍部隊としては、自己部隊の持ち込んだ弾薬では不安を感じたので補給を要請たのでしょう。
部隊指揮官は極めて冷静に、事態悪化の前に態勢を整える判断をしたといえます。
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(2)日本の政治判断による銃弾提供に韓国国内が反発
この事態に日本政府ではPKO協力法第25条に基づく、物資協力を行うことになりました。
また、提供する銃弾は『武器輸出三原則(当時)』の例外とする閣議決定を緊急に行いました。
(出典:『国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律』)
ここで『武器輸出3原則(当時)』は、銃弾などの武器を一切輸出しない意味ではありません。
輸出を慎むという形になっています。(例外にての提供した前例がいくつもあります)
図3 自動小銃銃弾(提供されたものと同タイプ)
引用URL:http://stat.ameba.jp/user_images/20131230/14/bz-125-norinori/b5/94/p/o0650040612797559613.png
また、2011年12月27日の野田内閣での官房長官談話にて、
『平和貢献・国際協力に伴う案件は、防衛装備品の海外転移を可能にする』
という発表も行われていました。
(出典:内閣官房長官談話)
URL:http://www.kantei.go.jp/jp/tyokan/noda/20111227DANWA.pdf
そのため、日本国内の法律的には、政治判断で『人道的・緊急性』での提供となりました。
しかし韓国国内の世論は、
・『日本政府が政治利用!』
・『武器輸出3原則をねじ投げようとしている』
・『集団的自衛権を認めさせるために利用した!』
と大反発をし始めました。
そのため韓国政府も最初は、『日本には要請していない。国連に要請しただけ』としました。
最終的には、日本政府に公式要請をしたことを後になって認めています。
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(3)ACSA(物品役務相互提供協定)を締結しない韓国のチグハグが原因!
なんでこんなに大モメの事態になったのでしょうか?
これは現場の韓国軍部隊も相当困惑したのではないでしょうか?
『普通に判断して要請したのに、政府が問題を起こしている・・・』
そう感じたのではないでしょうか。
事実この2013年12月の前に、日韓ACSAが締結直前に突然延期されました。
ACSAには、『国連平和維持活動』での物資提供などの項目があります。
はっきり言うと、このACSAがあれば問題が発生していませんでした。
通常、同盟国や協力関係にある国であれば締結する協定でした。
それが突然延期になった後に、南スーダンでの騒ぎとなりました。
それでもまだ、韓国は日本とのACSA締結を行わないとしています(当時)。
(2022年になってもACSAは締結されていない)
もはや、韓国側では軍部と政府の間に、状況認識の決定的なずれが発生しています。
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