(2019年投稿記事です。)
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最近の防衛装備品の調達について、防衛装備庁の公表資料で面白いものを見つけました。
ここ5年ほどで、新インセンティブ契約の件数が増えているのです。
新インセンティブ契約ってなに?と思う方もいるかと思います。
防衛装備品調達の中で、特徴的で面白い新インセンティブ契約についてご紹介!
(前回記事):『拳銃射撃訓練にてびっくりハプニング発生!』
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(1)新インセンティブ契約って何?
防衛省の、新インセンティブ契約って何?と思う方がいるかもしれません。
防衛装備品調達の中で、特殊な契約のため結理解するのに時間が掛かるものです。
しかし、装備品調達で結構重要なものです。
1.1 以前は利益が出たら返還!
防衛装備品の調達で、以前は「超過利益の返納に関する特約条項」というものがありました。
(参考文書)「超過利益の返納に関する特約条項」
URL:https://www.mod.go.jp/atla/souhon/pdf/choukarieki_hennou.pdf
この方式だと、契約後に企業のコストダウン努力で出た利益を返納させる方式でした。
図1 超過利益のイメージ
引用URL:https://www.mof.go.jp/budget/topics/budget_execution_audit/fy2010/sy220629/2206d_50.pdf
企業側にコストダウンをするメリットと意欲が無くなり、防衛装備品の調達価格の高止まりが起きる要因でした。
1.2 新インセンティブ契約にてコストダウンと利益確保!
平成11年度から、インセンティブ契約の試行が行われていましたが、コスト削減額の50%を国庫に返納する契約でした。
さらに、翌年度以降の契約を保証(随意契約化)しない制度のため、2件しか採用されていませんでした。
平成20年にも改善されたのですが契約が進まない状況となりました。
そのため、さらに平成25年度から新インセンティブ契約が始まりました。
1.3 新インセンティブ契約にて企業利益が増加!
さらに改良された新インセンティブ契約では、
・インセンティブ率の多様化
・申請方法の多様化
・随意契約にて翌年度以降の契約を保証
という方式に切り替わりました。
図2 新インセンティブ契約の適用率
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/souhon/insenthibu_osirase.pdf
その結果、平成25年度では2件だった新インセンティブ契約が、平成29年度には21件まで増加しました。
(参考資料)「中央調達の概況(平成30年度版)」(防衛装備庁)
URL:https://www.mod.go.jp/atla/souhon/ousho/pdf/4-06.pdf
結構新インセンティブ契約が進んでいます。
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(2)新インセンティブ契約をした防衛装備品は?
新インセンティブ契約を行った、防衛装備品は確実に増えてきました。
特に調達個数の多い装備品で、新インセンティブ契約が目立ちます。
2.1 確認できた新インセンティブ契約装備品
新インセンティブ契約を行った装備品について、いくつか契約情報から判明しているものがあります。
図3 CHUKAR V(日本電気)
引用URL:wiki
図4 120mmM、JM1りゅう弾(小松製作所)
引用URL:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcQObc3pEYuiC7ajH36SKoZZf1Re90fXxvSIJYA-0AKcp12o7psW9w
図5 91式105mm多目的対戦車りゅう弾 155mmH、M107りゅう弾
これらの装備が、契約対象になったようです。
2.2 潜水艦用鉛蓄電池も新インセンティブ契約!
潜水艦用鉛蓄電池についても新インセンティブ契約が開始されています。
図6 潜水艦用鉛蓄電池(SCG)
引用IRL:https://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/18/jigo/sankou/jigo05_sankou.pdf
29SSからリチウムイオン電池搭載となっていますが、現行の22隻の潜水艦維持用の電池です。
比較的多数の量産を行うため、コスト削減ができるようになります。
意外と、いろんなところで新インセンティブ契約が始まっています。
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(3)小松製作所は新インセンティブ契約で生き残りを図る!
以前に、小松製作所が装甲装輪車(改)の開発失敗で防衛産業から撤退するという報道がありました。
『いずれ弾薬事業からも撤退する』
そんなことを言ってった方もいましたが、結構したたかに新インセンティブ契約で利益確保をしています。
3.1 逆転の発想でコストダウン!
小松製作所のコストダウンの方法については、
『逆転の発想』
が行われていて、金属工学を習った人間なら納得する方法です。
製造工程の1工程が必要なくなる方法です。(防衛省時代に見学)
意外と、小松製作所は新インセンティブ契約で生き残るかもしれませんよ〜!
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